『プロジェクト シルフィード』

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 つうか、一昔前には自分がXBOX360を買うなんて夢にも思ってなかったのですよ。全部サンドロットが悪いのです。全てはフォーリナーの陰謀です。『地球防衛軍3』が発売日1週間前にワタシの目に留まることさえなければッ...。仕方ないじゃないか!サンドロット仕事は、ヒューマンの『リモートコントロールダンディ』時代から、『鉄人28号』を除けば今まで全部フォローし続けてきたんデスよ?XBOX360を急遽購入する理由としては十分すぎる。で、結局買ったんですが、いやー楽しいですよ地球防衛。次世代機のグラフィックとか、グラフィックとは全く別の次元で鬼気迫る街の作りこみっぷりとか、ことあるごとに「EDF!EDF!」と大合唱しながら敵を殲滅する暑苦しさ満点のストーム隊の仲間たちとか。やはりサンドロットはいい仕事をする...!

 ここで時間はもれんもれんと遡ること半年ほど前。XBOX360 の購入に踏み切るチャンスはかつて一度あったのだ。それがゲームアーツとスクウェア・エニックスの共同仕事『プロジェクト・シルフ(仮)』の発表時。みん な目をそむけるけどワタシにとっては目に入れても痛くないPS2版シルフィード『シルフィード ザ・ロストプラネット』にメロメロなわたくしは、この情報をキャッチしたときから期待に胸膨らませまくっていたのだ。で、遂に公式サイトが公開され、ワクテカしながらサイトに特攻したわたくしの目に飛び込んできたのは、「伝説の妖精、再臨」というキャッチコピー(これはまあよし)と、スクエニお得意のポリゴーンキャラ、そして、SA-77シルフィードとは似ても似つかぬ装飾過多なデコトラ機体・デルタセイバーの姿なのだった。

 ヲヲヲ~(涙)!

 思わず松田勇作(なんじゃこりゃあ~!)の霊が憑依しそうになるが、とりあえず先入観はイカンと思い直すわたくし。そこで「デルタセイバーはカッコいい、デルタセイバーはカッコいい」と10回唱えて脳を再洗脳しようと試みるものの、その後試しにSA-77のフォルムを見てみた瞬間に洗脳解除。ああ...SA-77は良い...D型でもJ型でも良い...シンプルゆえに時代を越えて通用するスマートなフォルムだよ...はふぅ。駄目デス!デルタセイバーをカッコいいと認識するのをワタシの脳が拒否します!何このデコトラ。何でこんなゴテゴテ&ケバケバなんだ...。キャノピー部分とか、全体のフォルムとかに中途半端にSA-77のテイストが残ってるのがまた腹立つ!ぎにゅああおおおうううう!
 そして、そもそも何でそんなモンがこのシリーズのゲームに必要なのかすら疑問な登場人物紹介の項で再び衝撃。主人公名、カタナ・ファラウェイ。カタナ・ファラウェイ。いや、わしだって良い命名センスを持っているとはとても言えないけれど、言えないけれど...。なんだ、この名前を見た瞬間に覚える、中学時代に妄想を書きなぐった黒歴史ノートを今読み直してしまったような壮絶な恥ずかしさは。何このノーザンテラレイド・炎系に大ダメージ(炎系じゃなくて俺に大ダメージ!10年前の俺よ喜べ!この呪文はスゴイ威力だ!)種ガンダムで最初にキラ・ヤマトの名前を聞いたときにも大概にせえと内心思ったものだけれど、この名前のわし認識内におけるこっ恥ずかしさはそれすら上回る。ギョエエエ。一体いかなるステキセンスの持ち主なんだこれを考えた人間は。ギゴゴゴゴゴ。

 伝説の妖精再臨?
 してねぇよ(号泣)!

 というわけでワタシは、公式サイトの音楽だけは蝶カッコイイということのみ記憶に留め、後はきれいさっぱり忘れ去ったのでありました。かしこ。

 ここで時代は再び現在へ。かくして、地球防衛に先立ちXBOX360を購入したわたくしですが(余談だけれど、購入時についてくるXBOX360ロゴ入りの肩掛けバッグで本体を持ち帰らされるのは、どう考えても公開羞恥プレイと しか思えない)、ここで問題発生。『地球防衛軍3』の発売日までにはまだ1週間ほどあり、その間を何らかのゲームで埋める必要が出てきたのだ。いや1週間 くらい我慢しなさい、とツッコむ脳内の小人さんAを、小人さんB&Cが即座に撲殺した後、しばし考えるわたくし。そういえば、何か公式サイトの音楽だけは蝶カッコイイゲームがあったなぁ...。というわけで、急遽『プロジェクト・シルフィード』購入と相成ったのでありました。どっとはらい。

 そんなこんなでいつも通り壮絶に長い前フリを経て、今回のお題は、スクエニ製3Dシューティング in XBOX360な『プロジェクト・シルフィード』にゴザイマス。前印象は上記の通りスクエニの すごい 原作レイプだったわけですが、プレイしてみれば何かが変わるやもしれぬ。ぬぬぬぬぬ。
 だがメカスキーとして、とりあえず機体の話からさせてもらいますが、誰が何と言おうとデルタセイバーのデザインのダサさはガチ。嘘みたいだろ...メカデザ筆頭は米村孝一郎な んだぜ、それ...。メガCDからXBOX360の間に米村孝一郎に何があったのかと思わずにはいられません(涙)。いや、今回のゲームでは、機体に色々武装 をマウントしなきゃいけないから、旧来のSA-77では後方から機体を見た際のボリュームに欠けるとか、ゲームデザイン的に支障が出るというのは理解でき るんだ...。でも...これはいくら何でもあんまりだと思うんだ...。つうか、SA-77J Block60くらいでいいとおもうんだ...。くすん。すんすん。何と言うか、過剰に面を増やしたフォルムとか、ゲーム後半になればなるほど、機体が武装を装備しているというより、機体が武装に埋もれてると言った方が適切な過剰武装搭載っぷりとか、もうデルタセイバーの全身から漂う「ぼくのかんがえたさいきょうのせんとうき」臭は異常。つうか、何のための伝説の妖精再臨ですか。ギニャースッ!

 などと自分で自分を追い込んでションボリなどしつつゲーム本編なぞ始めてみたわけですが、これがなんと、

 ゲーム部分はガチ良作。

 なんと...これは嬉しい誤算。現状、コンシューマオリジナルで望める限り最高レベルの単純爽快宇宙戦闘が楽しめるス テッキー仕様なのであった。痩せても枯れても次世代機のXBOX360なので画質に関しては文句なしだし、シチュエーションもドッグファイトから、軌道エ レベータの宇宙港から離脱する民間船の護衛、敵味方入り乱れての艦隊戦等々、押さえるべきところはきっちり押さえたラインナップ。そんな中、一昔前だった らスターブレード風に、単なるライド形式で決まった飛行ルートに沿って飛びながら撃つだけだったところを、仲間とフォーメーションを組みながら、サイド ロールしたりリバーシブルマニューバしたりと自分で自由に飛びまわりつつガンガン攻撃できるだけでも次世代機パワーに戦慄を禁じ得ません。最初のうちは、敵味方のレーザーだの爆発だの飛行痕だので、戦場は極彩色のカオスと化して何が何だか訳わかめでしょうが大丈夫、じき慣れます。敵艦と平行な飛行コースをとりつつ、おもむろにブーストをカットして、慣性飛行しながら敵艦の横っ腹にすれ違いざまにボコボコ攻撃を叩き込むとかマジ男の子の夢。最高です。まぁワタシの場合、ブレイブハートのメルギブソンよろしく「フリィィィダァァァム!」とか叫びながらアフターバーナーで敵艦のどてっぱらに突っ込んでって激突して死ぬわけですが。あと、敵艦から攻撃喰らってボロボロになって、補給艦に一刻も早く合流してリペアしてもらおうと戦場から全速離脱した結果、「フリィィィダァァァム!」とか叫びながらアフターバーナーで味方補給艦のどてっぱらに突っ込んでって激突して死ぬとかいう場合も多々。駄目じゃないか...。
 ちなみにこのゲームの醍醐味は、1周クリアした後、強くてニューゲームな2周目でいきなりコルドロン50ロケット砲を装備して、敵の駆逐艦を鎧袖一触でがつがつ撃墜していくオーバーキルプレイにあると信じて疑わないわたくし。味方さえ平気で巻き込んで撃墜していくコルドロン50ロケット砲の威力に恐怖するがいい!あと、頑張って金貯めてロングスピアHBP買うと世界が変わります。具体的に言うとゲームがアヌビスZ.O.E化します。60発フルロックで多数の誘導レーザーが敵一個中隊くらいを平気で殲滅します。何そのジェフティ。さらにこのゲームには必殺技という概念があり、必殺技というネーミングセンスはアレですが、必殺技Lv1がメックだったら発熱過多で即作動停止手順な全武装フルバーストでステキです。まあ必殺技Lv2はシールド全開で敵に体当たり、Lv3は種割れて世界の時間の流れがスローモーに...とだんだんアレになっていくのですが。ギャース。

 あと、これだけいろいろできるのに、非常に良くまとまった操作系は特筆しておいても良いとおもうわたくし。ロックオンボタン一つとっても、長押しで最至近の敵に自動ロック、ダブルクリックで無条件に真正面の敵をロックと、少し操作すればすぐ慣れる割には非常に便利。特殊操作の割にビタイチ使えなかった『ACE COMBAT ZERO』のボアサイトには是非見習っていただきたい機能である。あと、視点スティックのクリックで、通常視点と、ロックオン敵を中央に置いた視点(『ス カイガンナー』のデフォ視点ですな)を交互に切り替えられるパドロック機能も、是非ともエースコンバットあたりに導入していただきたいと思うわたくし。プ ロジェクトシルフの場合は視点追従の後方ロックオンに多用するけど、エーコンでこの機能があったらドッグファイトが兆倍やりやすくなる。是非。是非。

 ...と、ここで話が終わりなら、このゲームはワタシ的神ゲー!でさくっと話はまとまるのだけれどそうは問屋が卸さない。つうか卸したかった...。皆さんに残念なお知らせです。ゲーム部分はかように楽しく面白いこの作品ですが、スクエニ成分により加味されたドラマムービーパートは終わってます。悪い意味で。
 いや、CGの美麗さとかの技術的な部分は何の問題もないでございますですよ?問題はシナリオ。ワタシがもっともいや~んと感じるシナリオは駄目なシナリオではない。毒にも薬にもならない無個性なシナリオなのだ。このゲームはその意味で凄いですぜ旦那。隅から隅まで、ここまでオリジナリティ皆無...というか、無な設定&シナリオにはそうそうお目にかかれるものではない。狙ってやってるのでなければ悲しすぎるぞこの没個性っぷりは。空疎な奇麗事をさえずるお人形のような主人公、どっかで見たようなニヒルなライバル、戦闘中はかしましいだけなのに、終盤いきなり主人公に「このままどこかへ逃げよう」とか言い出した挙句おもむろにちゅーするのと、最後主人公と抱き合ってみるのだけが存在意義のヒロイン、存在自体が死亡フラグな黒人軍曹キャラ、何か裏がありそうだけど実は単に既知外だった悪の親玉...。捻りも深みもナッシングなキャラクターが織り成す、捻りも深みもナッシングなドラマに、君は時の涙を見る。方向性こそ違えど、シナリオ面で心底「これは酷いと思ったのは『フロントミッション3』以来だ。まだ敵の親玉のドリス・イーガンが「私は宇宙の女王ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドリス・イーガンだ」とか言ったらまだ救いもあったのに。あるのかそれは。とりあえず、このドラマパートを監修した人間は...いや、そもそもこのゲームに人物ドラマパートを付けようなどと言い出した人間は、揃って歴史編纂曲のR・J・ディアン=テイラーさんに1万回説教されるといいと思います。いや、これは酷い。後味いいとか悪いとか以前に、後味がちっともさっぱり全く残らないという意味で酷い。このシナリオ考えた人間、客を楽しませようとか驚かせようとかいう物書きとしての矜持は無いんだろか。うーむむむむむ。

 などと、かような(スゲェ大きな)問題点はあるにせよ、宇宙戦闘シューティングとしてはかなりの出来なのでそっち系好きならば十分推奨。つうかムービー全部ぶっ飛ばしてブリーフィングだけ見ても、ゲーム進行上は全く問題ないしな!だが、次があるならば、組む先は選べよゲームアーツ...というか、選んでください...(涙)。

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