H・P・ラヴクラフト『ラヴクラフト全集 別巻 上』

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 前に出た『ラヴクラフト全集7』でてっきり打ち止めだと思っていた、創元のラヴクラフト全集ですが、なんと別巻とか言って新刊がリリースされていたのであった。とは言っても、今回はラヴクラフト本人の作品ではなく、ラヴクラフトが添削した他作家の作品をまとめて収録するという形。なるほど、だから別巻なのね。とはいえ、ラヴクラフトの鬼添削っぷりはつとに有名なので、実質ラヴクラフト本人の新作と考えても良かろうて。
 ……とは言うものの、ゼリア・ビショップとか、アドルフォ・デ・カストロとかの定番作家の定番作品も入ったりはします。『イグの呪い』や『電気処刑器』なんて読むの何度目だわし(笑)。でもでも、恥ずかしながら、特に『電気処刑器』にラヴクラフトの添削が入っていたとは知らなんだ…。他にも、青心社のクトゥルーシリーズを読みつけてるようなヒトなら、覚えのある作品が他にもちらほら。とはいえ、ラヴクラフト添削シリーズという括りで分類された短編集、というのもまとめ方として面白いのでそれはそれでよし(笑)。

 収録作品を個別に見てみると、C・M・エディ・ジュニアとかいうあんまり聞かない名前の人の作品が4作品も収録。4作品のうち、『灰』と『幽霊を喰らうもの』は割と凡庸な気がするけど、シリアルキラーを題材とした作品をラヴクラフト的に書いたらこうなる、という見本のような『最愛の死者』は、コズミックホラー関係ないけど、全収録作品の中でもトップレベルの出来。オチが投げっぱなしジャーマンの『見えず、聞こえず、語れずとも』も、『闇をさまようもの』の陳述調テイスト作品としては悪くない。アドルフォ・デ・カストロ『最後の検査』は…基本プロットが『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』なんですが…。何か関係あるんだろか…。

コメント(1)

山猫 :

 こんにちは…ラヴクラフトですか。クトゥルーシリーズは読みましたし、TRPG『クトゥルフの呼び声』のプレイ経験もあり、学生時代の何ページかは彼の書籍が刻まれています。
 この記事を拝見したのも何かの機会、また探して呼んでみようかな…。

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