『ACE COMBAT 6 解放への戦火』

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 というわけで今回のお題は、Xbox360にプラットフォームを移して送る次世代エースコンバット『ACE COMBAT 6 解放への戦火』…のはずなんですが、イケてる架空機がいたらとりあえずその話をするという伝統に基づき(どこのだよ)、とりあえず架空機の話をします。当然ながら激ネタバレなので知りたくないヒトは即刻退避推奨。いやそんなもんトップページに書くなよ。だがワタシは謝らない。

 …というわけで、今回もちゃんとありました恒例の架空機。まあ今回のプレイヤー架空機は、トレイラーとかも全部チェックしてる熱心なファンなら既に目にしてるはず。つまるところ、ファーストトレイラーから話題になってたシュトリゴン隊のリーダー機ですよ。残念ながら(笑)、あれが今回のご褒美架空機です。正式名称は「CFA-44 Nosferatu(ノスフェラト)」。シュトリゴンも吸血鬼由来だし、あえて忌み名を付けて厄を落とす習慣でもあるのかエストバキア。つうか、「ノスフェラト」というカタカナ表記はゲーム中のそれにならいましたが、Nosferatuっつったら普通はノスフェラトゥと表記しはしまいか。まあノスフェラトゥと言われてワタシが真っ先に連想するのは、ラスボスがケンカキックしてくるSFCのプリンス・オブ・ペルシャ系アクションゲームなんですが。『ノスフェラトゥ』はどマイナーだが超名作だぞ!発売元がケムコか何かだったせいで悲しいほどにどマイナーだったけど、当時としてもアニメーション(ムービーじゃなくてキャラクターモーション的な意味で)やグラフィックの凄さは際立ってたし、スパルタンだがやり応えのあるゲーム内容もかなりのもの。ぬるぬる動くプレイヤーキャラに当時驚いたものでした。何度頑張ってもホーリータッチが出せなくてのう!つうか難易度はホントスパルタンでのう!最終面は何度泣きそうになったことか。今でもあれを自分がクリアできたことが信じられません。それだけに、ラスボスのドラキュラ伯爵のケンカキックには腹筋崩壊。あれだけ苦労してたどり着いた悪の親玉が、まさか主人公を蹴り倒してくるなんて…!しかも優雅さのかけらも無いケンカキックで…!途中で変化もするんですが、その姿がまるきりFC版ウィザードリィのワーバットで、その姿のショボさがまた涙を誘います。当時、悪魔城の方のドラキュラは、パズスになってみたりよく分からない怪獣になったりしてたのに。だがそのかけらも華の無い実利主義がまた良いのであった。……ってあれ、ワタシ今何のハナシしてたんだっけ?ああ、エースコンバットでしたね。

 というわけで今回のCFA-44ですが、トレイラーでは一瞬しか姿を拝むことができませんでしたが、プレイヤー機になってしまえば、ハンガーでじっくり視姦することが可能デス。特に今回のハンガーのディスプレイでは、スティックなどを動かすと、ゲーム中の操作に従って各種動翼やノズルがへこへこ動くというステキ仕様(視点移動は十字キーで行う)。さあ存分に眺めるのだ。胡乱な目で。
 そして眺めた結果、真っ先に気が付くこと。トレイラーではシュトリゴンカラーだったので気が付かなかったけど、

 これって思った以上にX-02の兄弟機? 

 エメリアカラーになったおかげでよく分かるようになったけど、機首からキャノピー周り、胴体上面にかけては、フォルムがまるっきりX-02と同一。違いはキャノピーのフレーム形状、IRST(キャノピー前に追加されてるカプセルみたいなもの)の追加、ストレーキとの接続部(X-02はストレーキとの接続部に角度が付いてるけど、CFA-44は滑らかになっている)くらい。逆に明らかにX-02と違うのは、可変機構の無い(笑)デルタ翼と垂直尾翼から始まって、細身になったカナード、偏向パドルの付いたノズル、大型化したインテークなど。全体としては、デルタ翼化したX-02と言ってほぼ差し支えないでしょう。まあステキ。あ、でも、よくよく考えてみたら、X-02ではフライングブーム方式だった空中給油が、CFA-44ではコクピット脇のプローブを用いるプローブアンドドローグ方式に変わってます。あと、X-02ではF/A-22ラプターみたいに片側のみだった機関砲が、CFA-44ではコクピットの両サイド、計2門ついてます。あれ、実は意外と別物…?
 ちなみにX-02とのフォルムの類似については、アサルトレコードに一応の示唆があり。今作に登場する重巡航管制機アイガイオンの技術は、元はベルカ戦争・ベルカ事変でエストバキアに亡命してきた技術者からもたらされたことになっており、アサルトレコードに記載された人物の中には、ベルカ戦争後も当地の軍需産業(恐らくはノースオーシア・グランダーIG)とのパイプ役となったという人物もいる。グランダーIG経由でエストバキアにX-02の技術が流れても不思議ではない環境ではあるのだった。むむー。

 つうかこいつの真価は、特殊兵装ADMM(All Direction Multi-purpose Missile)の運用能力を有していることにある。トレイラーでも出てた、三方に放たれていた連発ミサイルですよ。ADMMをアクティブにすると、機体上面に2基、下面に1基のADMMミサイルポッドががしゃこんとセットアップ。発射すると計12発のミサイルが各々のターゲットに向かって射出!最初にADMMでロックオンしたときには、ありえない数のロックオンマーカに吹きました。だが対地対空問わずロックオンして吹き飛ばすその性能は外道の一言。まさにひとり支援要請。まあ正直今回は支援要請の総攻撃と釣り合い取るために地上物多すぎなのでこれくらいの性能がないと正直やってられな……いえ、なんでもないです。それよりADMMの最高のステキポイントは、発射時のコールがADMM専用のコール・ドライブになることかもだ。≪ガルーダ1、ドライブ!≫とか≪ドライブ!ドライブ!≫とかのコールと共に、ぶわっしゃーっとミサイルが飛んでいくのは壮観。ちなみに、僚機のシャムロックをCFA-44に乗せると、時々ちゃんとADMMを使用してくれます。ちゃんと力ちゃんの声≪ガルーダ2、ドライブ≫とコールしてくれます。ACE5のときは、仲間をファルケンに乗せても全くTLS使ってくれなかったのに、世界は進歩するものよのう…。まあ、タイミングよく攻撃指示しないと、シャムロックはろくにロックしないうちにぶっぱなすので、ADMM弾の大半が無駄弾になるわけですが(涙)。さすがは早漏王。いやそれゲーム違う。
 ちなみにもう一つの特殊兵装はEML(ElectroMagnetic Launcher)。いわゆるレールガン。ターゲットをピパーに入れて撃つと、次の瞬間にターゲット死亡。射程長ッ!ポジション的にはファルケンやモルガンのTLSと同じなので、使うのに少々テクニックがいるのも同様ですが、物理攻撃でごいんと殴る感覚がワタシの感性にジャストフィット。あと特殊コールのスラッシュ。≪ガルーダ1、スラッシュ!≫

 とはいいつつ、ぶっちゃけAC04のX-02ほどの入れ込みはないのでさくさくっと目をゲーム内容のほうに向けてみたらば、ミッション数がPS2以降では最小・ストーリー演出は割とグダグダ・ミッション対地攻撃多すぎと、なんだかとっても微妙な気分になること山の如し。特にストーリーの微妙さ加減は歴代トップレベルっていうかトレイラー詐欺だろアレ。CMで「マティルダーッ!」と絶叫していたおかーちゃんは、戦火の中のエメリアを一般人の視点から描いていくためのキャラだとばかり思ってたのに。事実序盤は娘を失ったまま国境の難民キャンプまで逃げ延びる、というAC04以来の一般人の目から見た戦争が描かれてたのでオゥケー!とか思ってたのに、「ラジオから娘の声が聞こえた!迎えにいかなきゃ!」と、来た道を引き返し始め、挙句エストバキア女性にヒッチハイクしてもらって田園風景の中をひたすら走り続けるロードムービーに。戦時下の荒んだ庶民の生活がたっぷり拝めると思っていたこのワタシの歪んだリビドーはどうしてくれる!いやそんなこと言われても。井上和彦のすごくいい声で「私は彼に対抗するために送り込まれてきたのですよ」とかおっしゃるパステルナーク少佐も、いかにもガルーダ隊のライバルポジションになりそうなキャラでありながら、実際にはうほっいい男的なつなぎ姿を披露した後、いきなり撤退するシュトリゴン隊を逃がすための囮として登場して即退場とか涙が出てきます。だがこいつらはまだいいよ!最悪なのは戦車兵三人組だよ!トレイラーの出番こそ少なかったものの、不敵な表情で「奴らの下にチャンスアリだ」とか言ってみたり、きっちり戦車砲を撃つシーンとかあったりして、歴代のシリーズでは影の薄かった地上部隊の意地を見せる気満々だったので、かなり期待してたのに、実際にはAWOLして戦車で銀行強盗するぜ!とか酷過ぎます。フロントミッション4といいこれといい、『スリー・キングス』にはミリタリー系ゲームのシナリオ作家を捕らえて離さない何かがあるのでせうか。しかも途中で存在自体がフェードアウトするし。もう泣くデスよ。とりあえず、戦車で走れるほど広くて頑丈なトンネルを掘削できるドニー・ドーチ銀行強盗団の底知れぬ土木能力に震え上がるわたくしなのだった。もう好きにして…。
 そんな中、ワタシの慰めとなったのは、石塚運昇のすごくいい声で独白するヴォイチェク中佐。中佐の出てくるムービーパートだけは余計な突っ込み入れずに安心して観られるよ!やっぱり女子供は戦場にいてはイカン!今時代は渋いナイスミドル!ヴォーイーチェク!ヴォーイーチェク!……そしてヴォイチェク中佐も、ものすごく必然性無く子供と一緒に城の地下に閉じ込められて何だか改心。ストーリー上のご都合時空が止まりません!にゃーッ!

 が、かつてAC04でリプレイをぼーっと眺めることを至上の暇潰しとし、ACE5のリプレイバグでナムコ死ねと呪詛を吐きまくったワタシとしては、とりあえず、

 次世代レベルの超美麗グラフィック
 ちゃんとミッション冒頭から再生されるリプレイ

…というだけでかなり満足してしまっているのであった。いや、これかなり重要よ?発売前のウリの一つであった次世代グラフィックは、これだけは本当に前口上通りで大変よろしく、しかも正直改善を期待していなかったリプレイも、ちゃんとミッション冒頭から完全再生とかしてくれてばんざーい。あとはこれでダウンロードコンテンツでX-02が来てさえくれればもう何も文句はありません。結局それかよ!
 あと、今回の戦場は、味方にもそれぞれ名前と個性があるのがいい味出してますですね。ウインドホバー・アバランチ・スカイキッドの戦闘機仲間や電子支援機スネークピット、地上にはワーロック・ドラゴンバスター等々の戦車隊など、正直、「仲間と飛び、仲間と戦う」というキャッチコピーは本作にこそふさわしいと思えますですよ。支援攻撃頼もしいし。でも、シュトリゴン隊とか、こっちのミサイルは散々超機動で避けるくせに、支援攻撃だとぽこぽこ落ちるのよね…。仲間強いよ…ガルーダが霞むくらい強いよ…。でもみんな「ガルーダは大した奴だ!」とかこっちを持ち上げるよ…。僕強くないよ…みんなが強いんだよ…あうあうあう…。

 そんなこんなのACE6でしたが、総論申し上げますと、グラフィックが超向上した以外は全くもっていつものエースコンバットでございましたですね、良くも悪くも。言いたくはないけどぶっちゃけマンネリだ。だが次回作があるならば、とりあえず、まともなストーリーを描ける人間を連れてきてください。いろんな人物の視点から多角的に世界を描きたいという意図は分かるんだけど、それを実現するための力量が明らかに足りてないデスよ…。壁突き破るためだけ戦車兵銀行強盗とかもうね。そろそろ1回エレクトロスフィア並みにはっちゃけて、AC04の亡霊から逃れるべきだとおもうんだ…。ゲーム本編はまだ調整の余地があると思われるものの(支援攻撃を前提とした地上物の多さはさすがにいただけないし)総じてなかなかの出来だけに惜しい。まあプロジェクトシルフィードよりは兆倍マシだがな!
 でもとりあえず、ダウンロードコンテンツにX-02が来たら全部許してしまいそうなワタシなのでした。やっぱそれか。ちゃんちゃん。

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