2008年6月アーカイブ

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 人類がコロニー連合として宇宙に進出し、宇宙の他種族との衝突状態に突入してから幾年月。現在、人類は水面下で危機的状況にあった。人類に敵対的な三種族が連合を組み、密かに人類に対する総攻撃を計画しているという情報をキャッチしたのだ。三種族の同時攻撃を防衛する能力は、今の人類にはないのだ。だが、人類にとって不可解だったのは、そのうちの二種族は、最近まで敵対関係にあったという事実だった。しかも、その裏には、意識研究のリーダーであり、三種族側に寝返った天才科学者チャールズ・ブーティンが噛んでいるらしい。対策に窮したコロニー防衛軍は、意識研究の過程で偶然残されていたブーティン自身の意識記録と、ブーティンの遺伝子情報を元に、ブーティンの意識を再現したと思われるクローン、ジェレド・ディラックを作り出した。表向きは、ゴースト部隊――防衛軍に志願したものの、軍務に就く前に死亡した地球人のクローンから構成される部隊――の隊員として。だが、期待とは異なり、ディラックはブーティン本人としては蘇らなかったため、やがてブーティンの記憶が蘇ることを期待されたまま、ディラックはそのままゴースト部隊として配属された。ディラックはゴースト部隊員として様々な経験を積んでいくが、やがて...。

 というわけで、ヨボヨボな爺さん婆さんが超身体機能を有した美男美女にリサイクルされて宇宙の戦士、という、斬新すぎるんだかベタすぎて誰も手をつけてなかったのか判断つきかねる設定だが面白すぎたのでまあよし、な前作『老人と宇宙』で、一躍メインストリームに躍り出てしまったジョン・スコルジーの新作が出てきたので速攻ゲット。前作の老人リサイクル前後は本当に笑わせてもらったからなぁ。ただ、その後の展開も水準以上ではあったものの、何せ前半のじじいリサイクル(だんだん呼び方が雑になってるぞわし!)が面白すぎたのでインパクトに欠ける感はあったりなかったりしたのもまた事実。早い話が、スコルジーは一発屋じゃないかと疑っていたのですよわし。

 などと思いつつ買ってみた続編のこれ『遠すぎた星 老人と宇宙2』ですが...面白いじゃないかスコルジー!前作のじじいリサイクルのような新味のある設定描写、というと、今回はゴースト部隊員の速成教育課程がそれに相当するです。肉体を急速に成人相当まで育てたクローン兵士、という意味では割とよく見る設定ではあるけど、この作品のように、育成過程に説得力ある描写をした作品は意外とあんまりないイメージ。前作の時点でゴースト部隊の異様さ(年齢的な意味で)は既に描写されていたんだけど、今作でちゃんとその点に描写的な裏付けが成されました。ブレインパル万歳!
 ストーリー的にも、ちゃんとディラックの中に潜むブーティンの意識は目覚めるのか、オリジナルのブーティンは何故人類を裏切ったのか、人類はどのように三種族連合の攻撃を凌ぐのか...といった要素や、前作で活躍したジェーン・セーガンが今作でも重要な役回りだったりと、前作読者へのサービスも怠らない(でも前作読んでなくても別に問題なしの)描写で、読み手の興味を惹きつつ、人物描写ありアクションありと実にしっかりしたもの。いや、ミリタリーSFって、酷いものはホントに酷いのよ...。未来でただ戦ってりゃいいんだろ的なのが結構あってですね...ひっくえぐえぐ。でもこれだけしっかり描けてれば全く問題ナッシング。前作は、もしかしたらスコルジー自身も、ストーリー的な観点では、じじいリサイクルのインパクトを持てあまし気味だったのかも知れんのう。わたくしとしては、これでスコルジーは一発屋では無かったと判断いたしますです。そりゃ歴史に残る傑作じゃないけど、昨今、当たり前の娯楽作品を当たり前に供給できる作家ってのはそれだけで貴重なのよ...。

 というわけで、安心して楽しめる作家さんがまた一人。面白いよ!あと、ガメランの名前の中にちゃんとストロスが入っている...やはり君とは仲良くなれそうだッ!ガシイッ(握手の音)!

リムネットの終焉

 いやリムネット自体は終わってないけど。だが、先月くらいに、2日か3日の間、メールが全くPOPできない状態になった時点で、先のウェブサーバデータ消失と合わせ、遂に完全に愛想が尽きたわたくし。ウェブの本拠をさくらインターネットに移した後も、長年連れ添ってきたメールアドレス、majio@na.rim.or.jpのためだけに使い続けていたけど、この間のウェブデータ消失みたく「データ消えちゃいました~、復旧できないかも、てへっ」ではもう済まされないので、先日、ついに退会届を郵便ポストに投函してきた次第。メールはGmailに移行。フリーのアドレスではあるけれど、今のリムネットよりは信頼性があるだろう...。嗚呼リムネット。大学のサーバから移設するときに、ベッコアメみたいに重くなくて、かつ自作CGIが使える大手ISPは君だけだったよリムネット。いつからこんな駄目になったよリムネット。10年以上は利用したよリムネット。さらばリムネット。
 ...というわけで、退会届が正常に受理されているならば、今月末からリムネットのサーバ上にあるデータは徐々にアクセス不能になっていくはずです。メールアドレスも、従来のmajio@na.rim.or.jpではつながらなくなるのでご注意を。新しいGmailのアドレスは、

misc_mail_adr.pngとなります。上のメールアドレスが画像になっているのはスパム避けのつもり(笑)。ひねりもなく本名+Gmailのドメイン名のメールアドレスなので、前のよりは覚えやすいかと思います。

 おおっ、何気に公開されていたDoGA L3のβ版を当てたら、Vistaでデスクトップコンポジションを無効にしないと表示が崩れるという症状が治った!DoGA立ち上げるたびにAeroが無効になるのが鬱陶しくてたまらなかったんですが、これで通常作業とシームレスに立ち上げられるわい...!
 ...つうかさ、VistaのUltimate買っといて何だけど、そもそもVistaのAeroって、何が嬉しいんだろうね...。せいぜいウインドウのはじっこがちょっと半透明になるだけじゃあないですか...。駄目ー!素に戻っちゃ駄目ー!...Vistaを使い始めてもうそこそこ経ちますが、未だにVistaの嬉しさがいまいち実感できないわたくし。だから素に戻っちゃ駄目ー!!
 ところで、気がついたら、Firefoxのバージョン3が公開になってましたですね。ワタシはFirefox 3 Beta5のあたりから、Firefox Portable環境に移行してます。バックアップと環境持ち運びがすげぇ楽になるのでな!しかも現状使ってる限り、普通のFirefoxとの違いは何もナッシング。つうか、本体の自動更新すら正常に終了します(笑)。使ってるアドオンもあらかた3に対応したし(一部開発版だけど)。
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 というわけで観に行ってきましたよ先行上映で『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を!小学生の時分、生まれて初めて映画館に観に行った作品が、よりにもよって『イウォーク・アドベンチャー』で、次に観た映画が『ダイ・ハード』という時点で色々駄目な方向に運命付けられたワタシのムービーライフですが、そんな中でも、やっぱりインディ・ジョーンズシリーズはひときわお気に入りのシリーズでしたですよ。初めてTVで『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』を観たときには、「こんなに面白い映画があるのか!」と子供心に強烈にインプリティングされ、それから1年ほど後に『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』が公開されたときには、母親に連れてけ連れてけとうるさくせがんだものですよ。時は流れて大人になっても、きっちりDVDトリロジーボックスは購入済みですよ。やはり幼少期の刷り込みか、『魔宮の伝説』が一番お気に入りだけど、これ世間的には評価低いのね...。テンポ良くて最高なのに。うう。でもどれも「これぞ冒険娯楽活劇!」といった案配で、今観ても色あせないと思うわたくし。当然フォロワーも色々出てきたけど、やっぱりパイオニアの出来が出色ですな。今度の新作は中国のジェット・リーミイラで「もうハムナプトラ関係ないやん」と言いたくなる『ハムナプトラ3』とかモロその系統だけど、やりすぎてマンガチックになってたりするところがあるからなぁ。本家のインディ・ジョーンズもマンガチックっちゃあマンガチックなんだけど、一線越えない辺りのさじ加減がまた絶妙でそこがまたよし。あの「て~てれって~てれれ~」というテーマが流れてくるだけでもノリノリです。ところで、インディ・ジョーンズのテーマとスターウォーズのテーマとスーパーマンのテーマを脳内で連続して流せますか?この3曲を連続して脳内で演奏しようとすると、どれか1曲は絶対に脳内再生できなくなるですよ。ワタシの場合、そこに『ハイドライドスペシャル』のBGMとかが混ざってきてさらにカオスな状況に。どうでもいい話ですね。

 で、今回のお題はクリスタル・スカル、いわゆるオーパーツの有名どころの一つ、水晶のドクロでございます。『アサシン・クリード』では「ミッチェル・ホッジスのコミュニケーター」とか言われて念話通信装置扱いされてたアレでゴザイマス。今回のインディは水晶のドクロを探して冒険活劇するわけですが、正直観る前は色々不安だったですよ。最大の懸念は、インディを演じるハリソン・フォードの年齢。かつて、若い時分はジェームズ・ボンドを演じ、じじい化しても『ザ・ロック』ではバリバリ現役で、老齢でもアクションどんと来い!だとばかり思っていたショーン・コネリーが、『リーグ・オブ・レジェンド』では、スクリーンでも隠しきれないくらいヨボヨボだったあのトラウマがががががが(涙)!かたやハリソンさんも、1942年生まれってことは今年で66歳だぞ!あのハンソロがいまや66歳だぞ!? わしの親父よりも年上だっちゅうねん。もう足腰に色々ガタが来てても全然おかしくない歳ですよ?つうかよりにもよってインディ・ジョーンズシリーズでヨボヨボしてたら俺が泣く。全力で。
 とはいえ、寄る年波に抗える人間なんていないし、多少ヨボヨボしてても仕方ないよなぁ...とか思いつつ観ましたが、

 驚いたことにヨボヨボ度皆無。

 いやさすがに顔の皺とか、微妙に伸びてない背筋とかに年波を感じはするけど、アクションとかは(スタントの吹き替えが入っているであろうことを考慮しても)意外なまでに普通に見られるぞ。この辺りはさすがにスピルバーグというか、ハリソン・フォード含めて求められているものをちゃんと分かってる感じがしてステキ。実はよく考えると、一番激しいアクションとかは何気にシャイア・ラブーフの当番になってたりするんだけど、見てる間はそれを気取らせない辺り、やっぱり基本的な見せ場の組み立て方が上手いんだろうなぁ。そもそも、今回の舞台は1951年で、インディ自体もそれなりに歳行ってる設定だから、極端にはっちゃけたアクションしなくても、それはそれで自然だったりします。
 でもインディ先生はやっぱりインディ先生で、ドゥームズ・タウンからの脱出のくだりとかは、インディ先生の底知れぬ耐久性能に恐れを抱かざるを得ません。つうか、あれ普通に被爆してるよね...。数年後には白血病か何かでインディ・ジョーンズ大往生、でも全然おかしくない状況下ですが、幸いなことに『インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険』によると、インディ先生90過ぎまでぴんぴん生きてることは確定事項なので問題ありません。リジェネーターなのかこのヒト。

 で、映画の内容自体はというと、これまた驚いたことに、前作から10ン年のブランクがあるとは思えないくらい、いい意味でインディ・ジョーンズシリーズそのもの。話のテンポからノリから見せ方に至るまで、どこをとっても(無論いい意味で)シリーズの続編としか言いようのない内容で、これならファンから新規層まできっちりカバーしてると言っても差し支えなし。『レイダース』のマリオンが再登場してたり、スピルバーグお気に入りのシャイア・ラブーフがきっちり重要な役割を確保したりしてるけど、それもきっちり押さえつつ、全体としてはシリーズのテイストをきっちり継承してるという、かなり理想的なレベルで仕上がってます。つうか、往年のファンとしては、あのテーマが流れてくるだけで反応しまくってしまって駄目ですが(笑)。唯一賛否両論ありそうなのは、他でもないクリスタル・スカルの正体そのものかもだ。あれ、ジョージ・ルーカスが強力にプッシュしたネタらしいですね。ルーカスめギギギギギ。いや、あれはあれでアリのような気もするけど(笑)。つうか、冷戦に巻き込まれてるインディとか、エリア51で活躍するインディとか見られるとは思わなかったよ...。

 とにもかくにも、しっかり期待には応えてる久しぶりのシリーズ最新作。面白かったよ!

ジェイムズ・P・ホーガン『黎明の星』

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 木星から分離した小天体「アテナ」とのニアミスのため、大陸の形すら変貌するほどの大災厄に見舞われた地球。土星で独自の文化を築いた地球人の一派・クロニア人に救出されたのも、ごくわずかな人数のみだった。そして数年後、クロニアは災厄後の地球の調査を決定する。かつて地球から脱出し、今はクロニアに協力している地球人、ランデン・キーンもその調査行に同行する。はたして、地球に、原始状態に退行してはいるものの生存者が発見され沸き立つ一行だが、その裏で、かつての有力者だった地球人たちが、往時の権力を取り戻そうと暗躍を開始していた...。

 で、久々のホーガンなんではありますが、

 いくら何でもマンネリ過ぎだろホーガン(笑)!

 かつてホーガン大好き人間...というか、今でも大好きな作品が何個もあるホーガンスキーとしては慚愧に堪えないが、さすがにこれはもう、ホーガンの才能は枯渇してしまったのではと本気で思わざるを得ないレベル。いや、誤解の無いように言っておくと、作品単品のレベルは決して悪くはない。悪くはないんだけど...今までずっとホーガンを追いかけてきた身からすると、今回は、英知と善意のかたまりなクロニア人といい地球人わるい地球人との対比、文化レベルで劣る相手とのファーストコンタクトと相手の尊重か利用かという方向とか、どんなに贔屓目に見ても今までの作品のセルフパロディとしか思えないよ...。いやそのつもりで書いてるなら大したモンだけど。『造物主の掟』と『黎明の星』との違いは、「造物主の方は地球からタイタンに向かったけれど、黎明の方ではタイタンから地球に向かっている」くらいだし。クライマックスまで全く同じネタだし...『造物主の掟』を読んだヒトで、今作のクライマックスを吹き出さずに読めるヒトはいないのではないだろうか。タロイドならともかく、同じ人間でそれはさすがに無理があるよホーガンさん(笑)!ここまでくると、クロニア人哲学も、ガニメアン三部作(『内なる宇宙』はスピンオフと理解されたし)のガニメアンのそれを連想せずにはいられないしなぁ...。うーむむ。

 まあでも、今までホーガン買ってきた人はたぶん買うと思うので特にコメントはしません(笑)。で、この本で初めてホーガンに触れるというヒトは...あー、まあ、楽しめると思いますよ?何故に疑問系。

おぶりびょん

 ええもうすっかりWeb的にもひきこもりが板に付いてしまったわたくしですが、長いインターバルの間に何やってたかというと、半分は平日の疲れを癒すだけで過ごしてたんですが、残りは全部『オブリビオン』に突っ込んでいたという(笑)。購入自体はほとんど発売日だったんですが、一回挫折してるのよコレ。下水道から出て、とりあえず近くの街へ...と思ったらそこは帝都。広すぎて何していいのかわからねー!と、とりあえず帝都から出たら、おじいさんが「魚の鱗を集めないとおまんまの食い上げなんですぅ」と泣きついてきたので、仕方なく近くの湖で魚を捕っていたら、鱗が規定枚数集まる前に魚が絶滅。やってらんねー!と放り出してそれっきりだったのだ。
 でも最近掲示板とかチャットとかで何だか時季外れに楽しんでるヒトがちらほら出現してきたので、影響されてついついやり直し。また挫折するのも何なので、「最初は帝都に近寄らない」「鱗集めはしない」を信条に(笑)。しかも挫折時プレイはいきなりメジャースキルのカスタマイズとかから始めてしまって訳わかめになってしまった反省を生かし、今回は種族ノルド・戦士座生まれの戦士という超脳筋プレイで進めたところ、これがおもしれーおもしれー。ボクにもやっとオブリビョンの楽しさが理解できたよ!あ、あと初回時に挫折したのは、マップで高速移動ができることを気づいてなかった、というのもデカいです。メインクエストで、ジョフリーさんが「クヴァッチに皇帝の隠し子を探しに行け」とか言い出したときに、マップを見て、死ぬほど遠いじゃねぇか何さらりと抜かしてんだこのおっさんは!とか思ってげんなりしていた挫折時プレイ。そんなワタシですが、今や道行く人から「Heil! Sir Knight!」とか声をかけられる神聖騎士に。声をかければ俺のためにナイツオブナインが命を張るぜ!まあ、それよりも「いい身体してるね!」とケツの心配をしたくなるような言葉をかけられることの方が多いんですが。しかも全身デイドラ装備で見た目が禍々しいことこの上なし。それでいいのか神聖騎士。

 ホーガンの新作『黎明の星』出てましたね...。今までワタシと来たら、ホーガンとあらば、『ミラー・メイズ』だろうが『インフィニティ・リミテッド』だろうがほいほいと即時購入だったんですが、今回は初めて買うのを躊躇したデスよ...。どうなのよホーガン...どう考えても及第点以上の作品になるビジョンが見えないんだけどどうなのよ...。
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