ジェイムズ・P・ホーガン『黎明の星』

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 木星から分離した小天体「アテナ」とのニアミスのため、大陸の形すら変貌するほどの大災厄に見舞われた地球。土星で独自の文化を築いた地球人の一派・クロニア人に救出されたのも、ごくわずかな人数のみだった。そして数年後、クロニアは災厄後の地球の調査を決定する。かつて地球から脱出し、今はクロニアに協力している地球人、ランデン・キーンもその調査行に同行する。はたして、地球に、原始状態に退行してはいるものの生存者が発見され沸き立つ一行だが、その裏で、かつての有力者だった地球人たちが、往時の権力を取り戻そうと暗躍を開始していた...。

 で、久々のホーガンなんではありますが、

 いくら何でもマンネリ過ぎだろホーガン(笑)!

 かつてホーガン大好き人間...というか、今でも大好きな作品が何個もあるホーガンスキーとしては慚愧に堪えないが、さすがにこれはもう、ホーガンの才能は枯渇してしまったのではと本気で思わざるを得ないレベル。いや、誤解の無いように言っておくと、作品単品のレベルは決して悪くはない。悪くはないんだけど...今までずっとホーガンを追いかけてきた身からすると、今回は、英知と善意のかたまりなクロニア人といい地球人わるい地球人との対比、文化レベルで劣る相手とのファーストコンタクトと相手の尊重か利用かという方向とか、どんなに贔屓目に見ても今までの作品のセルフパロディとしか思えないよ...。いやそのつもりで書いてるなら大したモンだけど。『造物主の掟』と『黎明の星』との違いは、「造物主の方は地球からタイタンに向かったけれど、黎明の方ではタイタンから地球に向かっている」くらいだし。クライマックスまで全く同じネタだし...『造物主の掟』を読んだヒトで、今作のクライマックスを吹き出さずに読めるヒトはいないのではないだろうか。タロイドならともかく、同じ人間でそれはさすがに無理があるよホーガンさん(笑)!ここまでくると、クロニア人哲学も、ガニメアン三部作(『内なる宇宙』はスピンオフと理解されたし)のガニメアンのそれを連想せずにはいられないしなぁ...。うーむむ。

 まあでも、今までホーガン買ってきた人はたぶん買うと思うので特にコメントはしません(笑)。で、この本で初めてホーガンに触れるというヒトは...あー、まあ、楽しめると思いますよ?何故に疑問系。

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