ブライアン・ラムレイ『タイタス・クロウの帰還』

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 邪神の眷属の急襲に遭い、霊能力者タイタス・クロウが親友アンリ・ド・マリニーとともに行方不明となってから早10年。既に誰もが生存を諦めていたそのとき、アンリ・ド・マリニーが、不思議にも往事の姿のまま、半死半生で発見された。10年前のあの時、マリニーとクロウは、あの<ド・マリニーの掛け時計>の中の異次元に飛び込み、邪神の眷属の手から逃れたのだ。そして、不明だったクロウも、マリニーの導きで遂に帰還を果たす。クロウの口から語られる真実とは......。

 というわけで、『タイタス・クロウの事件簿』『地を穿つ魔』に続く第3弾のタイタス・クロウ・サーガ。正直なんかもう義務感だけでつきあってるような気もするけどきにしない(笑)。前作『地を穿つ魔』では、ぽっと出のウィンゲイト・ピースリー教授に全部持ってかれてたタイタス・クロウですが、今回はどんな話かというと、だいたいこんな感じ。

「毎回、邪神の眷属に追い立てられるたびに、為す術もなく痛めつけられるばかりだったボク......。でもあの日、遂に意を決して掛け時計の中に入ったんです!するとびっくり!宇宙は自由に飛び回れるし、身体は全身交換でムキムキな上に若返ったし、ついには夢にまで見たあの娘に一目惚れされて彼女まで出来ちゃいました!今のボクはエリシアでとってもハッピーです!さあアンリ、君も掛け時計に入って、一緒に夢の国へ行こうゼ!(キラッ☆)」

 ......嘘は言ってません。

 まあ、話はだいたい(ホントに)そんな感じデス。というかクトゥルー本筋とほとんど関係ねぇ(笑)!つうか普通にタイタス・クロウ版『タイム・マシン』になってて吹きました。ウィルマース財団がクトゥルーの眷属に乾坤一擲の大アタック!とかいうネタもプロローグとエピローグだけで即終了!まるで放送コードの厳しい国のベッドシーン(事前と事後のみ)のごとし!前作ではジャッカー電撃隊のビッグワンのごとく、美味しい役どころを全部持っていったピースリー教授も、序盤に出てきて雰囲気を出すために適当に語った後はハイ、サヨナラ。いいのか!?それでいいのか!?

 ぶっちゃけ、コズミックホラー的な観点から言ったら、それこそチャールズ・ストロスの『残虐行為記録保管所』とかの方がよっぽど本質に近いような気がします......。だがこの作品を気に入っていないかといえばさにあらず、ここまで別物だと、普通に別物として楽しめる(笑)。少なくとも、前作の『地を穿つ魔』よりはずっと気に入ったわたくしなのだった。ちゃん。

コメント(1)

別に引っ張る程のネタバラシでもないんですが、実は、モンブランボールペンとは、モンブラン社(MONT BLANC社)が扱っている高級ボールペンのことで、ボールペンだけではなく、時計や万年筆など、様々な種類があり、その品質は価格に見合う最高級の逸品といわれている代物です。

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