ウォーレン・フェイ『フラグメント 超進化生物の島』

book_Fahy_FLAGMENT.png 世界中の海を旅し、知られざる自然や動植物を紹介する人気番組「シーライフ」のスタッフを乗せたトライデント号は、南太平洋上の孤島・ヘンダース島からの救難信号をキャッチした。ヘンダース島は、18世紀にイギリスの軍艦が発見したきり、現在に至るまで全く調査されていない島だった。未踏の地に上陸できる興奮に沸き立つ「シーライフ」のスタッフ。しかし、彼らを待ち受けていたのは、既知の生物とは全く異なる進化を遂げた、奇怪で獰猛な動植物の群れだったのだ!次々と虐殺される上陸メンバーたち。「シーライフ」が放送した衝撃的なライブ映像の内容を重く見たアメリカ政府は、ただちに最新の装備を配した調査隊をヘンダース島に送り込む。しかし、ヘンダース島の過酷な生存競争に適応した生物群の前では、NASA製の最新装備さえ無力だった。この生物たちが本土に上陸してしまったら、既存の生物はたちどころに絶滅させられてしまう......!

 最近はめっきり少なくなった、小説でのモンスターパニック系列もの。しかも、『エイリアン』的な一匹狼モンスターではなく、多数のモンスターがわーっと押し寄せてくるような内容のものを思い出してみると、それこそマイクル・クライトン『ジュラシック・パーク』が真っ先に思い浮かぶし、後は......後は......えーっと、ピエール・ウーレットの『デウス・マシーン』?とにかく、ありそうで意外と無いような気がするわたくし。特に最近は全くお目にかかった覚えがない。わし大好きなのに(笑)。そんなところに彗星のごとく現れた本作『フラグメント 超進化生物の島』。表紙からして既にいろいろ半端無いことになってますが、特に「超進化生物」というセンテンスがワタシの琴線に久々に直撃。超進化生物ですよ。スーパーでエボリューションですよ。これは買わなければ嘘だろう。いやみんなが買わなくても俺は買う。というわけで即購入。

 で、結論ですが、これは面白い。よくできてる。アメリカでは「マイクル・クライトンの衣鉢を継ぐ」とか言われてるらしいけど、ジュラシック・パークを踏まえると、確かにそう言いたくなるし、かといって皮肉ではなく、いい意味でそう言われているのだろうというのも良く分かる。科学的な肉付けで説得力を持たせつつも展開はスピーディで飽きさせないし、奇っ怪な生物はばんばん出てくるし、最後はヒューマニティテイストまで完備。スバラシイ。出てくる生物はそれこそ『デウス・マシーン』のミュータントゾーンもかくや、というぶっ飛びっぷりだけど、ここで一応、そんな奇怪生物を出すにあたって、違法研究の副産物や、放射線やウイルスによる突然変異や、宇宙からの異生物混入といった良くある手法を一切使っていないという点は指摘しておいてもいいかもしれない。ヘンダース島のみなさんは純粋進化の産物。ディスクアントとかヘンダース・ラットとかスパイガーとかもみんな純粋進化の産物Death。嘘だッ(笑)!マジおっかねぇ!フューチャー・イズ・ワイルドっていうか、現代で既に十分ワイルドにも程がある、と、上から下まで上も下もなく喰ったり喰われたりのヘンダース島生態系を見ながら思うのでした。かしこ。

 ともかく、この手の作品に飢えてたアナタにはかなりのオススメ作品。期待には応えてくれるぞ!

コメント(3)

Yuh :

こんばんはー。このレビューはあまりにも面白かった、是非読みたい、と思ったが、何故このレビューは、どこの通販にも繋がっていないのでしょう。是非Amazonに繋げていてほしかったです。

Kulbit :

> 特に最近は全くお目にかかった覚えがない。
> わし大好きなのに(笑)。

ちと前のですがラリイ・ニーヴン&ジュリー・パーネル他の
「アヴァロンの闇」とかどうでしょう。

http://homepage2.nifty.com/Tetsutaro/Writer/N/N032.html

NAL :

こんにちは
アヴァロンの闇は面白いですよー。
こじまさんは、ニーヴンは苦手かもしれませんが。

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