ギレルモ・デル・トロ&チャック・ホーガン『ザ・ストレイン』

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 ニューヨークのJFK国際空港で、着陸直後の旅客機が突如として沈黙した。誘導路の上で停止し、すべての電気系統がダウン、内部の乗務員や乗客からの反応も一切ない。テロ事件を懸念した当局はSWATチームを突入させるが、チームが発見したのは、乗員乗客210名が全員死亡しているという信じがたい光景だった。状況はバイオテロを示しており、急遽CDC(疾病対策センター)の疫学者であるイーフとそのチームが招集された。イーフたちは旅客機の内部に入り、数名の生存者を発見するが、大量突然死の原因は依然として謎のままだった。だが、疾病は予想もしない勢いで蔓延していく。そして崩壊していく社会。この疫病はただの疫病ではなかったのだ......。

 年末に司書の駄弁者さん加藤隆史さんNALさんと飲んだ時に、ギレルモ・デル・トロの書いた小説があるよ、と教えられて以来呼んでみたかった作品。つうかギレルモ・デル・トロが小説て。ギレルモ・デル・トロといえば、ダークファンタジー大好き映画監督ではないですか。『ミミック』とか『ブレイド2』とか映画版『ヘルボーイ』2作とか、なんかアカデミーまで取っちゃった『パンズ・ラビリンス』とか。つうか変態ファンタジークリーチャー万歳監督じゃないか!そのデル・トロが、自作のノベライズでも何でもない普通の小説を?というわけで久々にAmazon.co.jpに頼って取り寄せてしまったのであった。

 で、中身ですが、謎の大量突然死の顛末でイケイケの序盤は、かなりまっとうにテンポの良いホラーサスペンスしていて、逆にあれれとなるわたくし。ギレルモ・デル・トロなのに、なんか普通に面白いじゃないか。デル・トロならバリバリだと思ってたファンタジー要素はどこに行ったの?なんか時々それっぽい幕間が入るけど、本筋はなんかメディカルスリラーみだいだよ?どうしたのよデル・トロ!いや面白いならそれでいいじゃないかわし。
 ......と思ってたら、後半はやっぱりデル・トロだったという(笑)。というか、いつの間にかにブレイドのいない『ブレイド2』みたいな話になっていて吹きました。疫病とかパンデミックとかどこ行ったの?いや確かに疫病でパンデミックではあるんだけど、この後半は完全にデル・トロの趣味全開ですよね......。しかも途中から、老ボウルガードみたいな全てを知る万能じいさんが出てきて、主人公を完全に喰う活躍っぷりというビッグワン現象が発生しているのであった。まとまり悪ッ(笑)!いや最後まで面白かったけど!

 どうやら今後とも続く連作らしいので、今後デル・トロがどうはっちゃけるかを楽しみに待ちたいと思います。つうかこれ、次作以降は普通にただのホラーになりそうな気が......(笑)。

コメント(1)

と言うか、この作品、途中からすでに単なるアクションホラーじゃ……
結局最初に出てきた異常な機内の状況とか、「吸血鬼なんだからそれくらいできるだろ」みたいな雰囲気でぶっちぎって説明もしない辺り、潔すぎると思いましたよ。
関係者全員漏れなくボンクラって辺りも、実にホラーらしいというか……

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