ScanSnapでジャック・ザ・リッパー

<前回までのあらすじ>
 iPhoneを日々便利に使っていたわたくしは、遂にiPhoneでの文書閲覧を目標に据え、文書の電子化に乗り出したのであった。まる。

 お前つい最近「本を破壊することなんてできない」とか言ってたじゃないか!

 ......ふっ、人は変わるものさ......ほふふ~(←煙草の煙を吐く音)

 と、いうわけで。

misc_20100322_1.jpg 気がついたら手元にScanSnap S1500登場。最近給料下がったとも言ってなかったかわし。しかし昔も今も趣味と興味のあるものには遠慮会釈なく資金を投下するぞわし。あとはこれで書籍をがしょんがしょんと取り込んでPDF化すれば、夢のペーパーレス生活に一歩近づくわけですね!まあその前には、乗り越えるべき例の問題があるわけですが......。
 ところで余談ですが、ScanSnap、市井の電気屋での販売価格と、Amazonでの販売価格とのあの値段の開きは一体何なのでしょう......。Amazonでの価格をチェックした後、すぐ手に入ればそれに越したことはないし、少しくらい高くったって......とか思いながら近所の家電量販店とか京都のビッグカメラとかチェックしたら、どこもかしこもAmazonより1万円以上高いとか何事ですか。そりゃ確かにAmazonの方が人件費とか色々削減できるだろうけど、それにしたって1万以上......。さしものワタシも、今回は大人しくAmazonで購入しましたですよ。それにしたって37,000円オーバーですけど。ギニャー!

 閑話休題。いろいろ下調べした結果、書籍を電子化するための準備はこんな感じでよさそうだと当たりをつけたわたくし。

misc_20100322_2.jpg アイロン台とアイロンがあるのは、別に洗濯のついでだからという訳ではない。これは本の解体作業の時に使用するのだ。詳細は後ほど。あと、アイロン台の上に載っているのは、CARL製DC-200ディスクカッター。複数枚の紙をすっぱりと裁断するために使用しますです。今回の用途のためには、理想を言えばもっと本格的な裁断機が欲しいところではあるけど、収納場所とかコストとかの関係で今回は見送り。いえ嘘です。本当は裁断手段を全く考えてなかったところに、ふらりと入った文具店でこれが売ってたから、これ幸いと買っただけです(笑)。でも安くて(3,000円くらい)軽くて(1kg強)十分に用が足りるのであった。あと画像にはないですが、手作業用の普通のカッター、樹脂製の下敷き、ステンレス製の定規も用意しています。なお、前回作ったMGユニコーンガンダムさんは、結局MGVガンと一緒に、上記の場所に定着いたしました。もしプラズマテレビ手放したら、新しい置き場所どうしようね......というか、プラズマテレビがただの物置台になっている現状を憂えるべきではないのかわし。

 さて、ここまでやった以上、本棚の本のどれかに犠牲になってもらわねばならぬ。こちらとしても慚愧に堪えぬことではあるが。まあなんて白々しい。さてどうしたものか......読んだ本読んだ本、それぞれに愛着があって、こんなことに使うのは......うん、君に決めた『超人類カウル』。発売当時に買ってはいたものの、その後一切手をつけてない、いわゆる「積ん読本」である。これはあれだ、知らない人間なら良心の呵責も少なくて済むとか何とかそういう理屈。ワタシにはシリアルキラーになれる素質があるかもだ。いやそういうコワいことをさらりと言うなよわし。まあ、これで、形は変わるとはいえ、積ん読から再び読まれる機会を得たと思えば無駄にはならんとか何とかそういう理屈で自分を納得させるわたくし。

■手順その1:カバーと表紙を外す
 カバーはまあ普通に外すとして、今回必要なのは中身なので、表紙部分は取り外す必要がある。カッターでジャック・ザ・リッパーしてもいいかもしれないけど、ここで活躍するのが、冒頭で触れたアイロン&アイロン台。なんでも、本の紙束は、基本的に背表紙部の強力糊で固定されており、アイロンで十分熱すれば、その糊が溶け出して、表紙部だけを割と簡単に取り外すことができるらしいのだ。というわけで早速、アイロンをドライ・高温にセットして、文庫の背表紙をアイロンでぐりぐりぐり~。ぐりぐり~、ぐりぐりぐり~......うーん、なかなか糊が溶けないなあ......ぐりぐり......そろそろいいかな......ぐりぐり......ここでおもむろに表表紙裏表紙をつかんで、一気に引き剥がす!糊が溶けているから簡単に外れるハズ!ふんぬっ!びりっ!......びりっ?

misc_20100322_3.jpg ............。まあ本体は無事に外れたから良しとするよ!

 それにしても、一応手順を明らかにするために、過程をこうして画像入りで記してますが、まるで猫の虐待画像をアップしているような気分になるのは何故でしょうか(涙)。

■手順その2:本体を数十ページごとに切り分ける

 ハヤカワ文庫『超人類カウル』の場合、総ページ数600ページオーバー、紙の枚数にして300枚以上あるわけなので、そのままだと数十枚が限度のディスクカッターに突っ込めない。というわけで、いくつかの塊に小分けします。

misc_20100322_4.jpg ここは手作業。数十ページごとに、画像のようにすっぱり背表紙で切り離します。それにしても、ワタシのお手手のなんと寸づまりなことよ。着てる服と相まって、なんか子供の手かファッティーな方の手みたいに見えるなぁ。どっちでもないんですけど。
 で、終わってみればこんな具合。

misc_20100322_5.jpg 上の画像は100ページ単位で分割した場合のもの。実際には、これでも分厚くて、結局それぞれをさらに2分割、50ページ単位まで分割してやっとディスクカッターにセット可能になりました。めんどくさそうな作業に思えますが、実際やってみるとそれほどでもないです。まあ、いい裁断機があれば、最小限の分割で済むんですが、それでも、裁断機の枚数制限上、どんな裁断機でも、この分割作業からは完全には逃れられないっぽい。何事も楽はできんということで。それにしても、なんか猫の虐待画像を(以下略)

■手順その3:背表紙部を切り落とす
 手順その2で、それなりに切り分けが進んだわけですが、それぞれのクラスターはまだ綴じられたままなので、その部分を切り離して、個々のページを完全に分離しないとScanSnapにかけられません。というわけで今度こそディスクカッターの出番。糊の付いた背表紙部をカットします。

misc_20100322_6.jpg 各ページが繋がっている状態が残っていると、最後のScanSnapでのスキャン時に重送(複数枚を一度に吸い込んでしまうこと)の原因になるので、ここでは、背表紙を5mmくらい割と盛大に切り落としています。まあ小説だし、本文が残ってれば全く問題はないわけで。これがコミックとかになると、見開きページという存在の関係上、切り落とし幅はかなり気を使わなければならなくなるはずですが......。ちなみに、この辺りまで来ると、当初の、本を破壊することによる良心の呵責はだいぶ麻痺してきます。たわば!

■手順その4:ScanSnapでスキャン
 後は特に言うこともありません。個々のページはここの紙切れと化しているので、普通にScanSnapでスキャンスキャン!ただし、ScanSnap自体も、あまり1度に多数の紙を処理はできないので、何度かに分けてスキャンさせることになりますです。用紙の入れ替えの時に、順番や方向を間違えたりすると泣きます。

misc_20100322_7.jpg それにしても、ScanSnapは確かに優秀だなぁ。重送が発生しても即検出して一時停止するし、今回みたいな文字文書なら、スキャン後に自動的にOCRを走らせて、文字検索可能な文書にしてくれたりするし。もちろん読み込み速度も(スキャンという処理のことを考えると)かなり高速だし。

■本番:iPhoneでPDF閲覧
 その前に。総ページ600ページ強の『超人類カウル』の場合、スキャン後のPDFサイズが122MBとかなり大きい(スーパーファインで取り込んだ場合)ので、Acrobatの「文書→ファイルサイズを縮小」でサイズを抑えておく。Acrobat4.0以上互換に設定した時で、122MB→47MBまでサイズが縮小して吹きました。もちろん画質も劣化するけど、PC画面で見るならともかく、iPhoneの解像度で見るのならば問題にならない程度の劣化なのでエニシンオッケー。
 ちなみにiPhoneでのPDF閲覧は、Dropboxの共有スペースにPDFをおいた上で、GoodReaderでDropbox上のPDF取り込み&閲覧、という鉄板の組み合わせでやってます。GoodReaderは、Wifi環境下ならファイルサーバーになれる機能もあるんだけど、まあDropboxの方が、今後とも色々汎用性があるかな~とか思って。
 で、肝心のiPhoneでの小説PDF閲覧の具合ですが、かなり具合はよろしいです。普通に文庫本読みの代わりにできるわコレ。ただし、ワタシは「液晶画面ですごく小さい文字を読まされても何とも思わない」という特殊パッシブスキル持ち。いや正直なところ、普通の人だったら、この文字の小ささはかなり抵抗を覚えるレベルだと思う(笑)。まあ俺得ではあるので全く問題ナッシング。
 ......そして冷静になって思う。こういう用途だったら、それこそKindle(Amazonのブックリーダー)使った方が、色んな意味で閲覧性は良好なのでは......。

 ......そんなわけで、電子化は(多少の良心の痛みを覚えつつ)無事に終了し、結果もワタシ的にはかなり良好であったわけですが、こうなると、今度は、PDF化コミックの閲覧性を確かみてみろしたくなるのが人の性。お前絶対良心の痛みなんか憶えてないだろ。
 というわけで。

misc_20100322_8.jpg たもりただぢは犠牲になったのだ......ScanSnapの犠牲にな......。

 そんなわけでこれも解体開始。このコミックのページを固定している強力糊は、先の文庫本のそれとは別種らしく、アイロンで簡単に溶けて、表紙も破れずに完全に取り外し可能。そんなわけで、

misc_20100322_9.jpg 表紙を外し、

misc_20100322_10.jpg カバーはフラットヘッドスキャナで別途取り込んでおき、

misc_20100322_11.jpg 文庫と同じ要領でページをバラしてScanSnapで取り込み。

 ただ、文庫と違って、さすがにコミックのPDFは、iPhoneを横倒しして閲覧(=ある程度表示を拡大)しないと、吹き出しがワタシでもちょっと読み辛いわー。そこさえ割り切れれば十分に用が足りるけど。あと、見開きページをPDF上で1ページにしようと思ったら、ディスクカッターでの切り落とし量を限界まで減らし(そうしないと左右のページがつながらない)、当該の見開きページを別途レタッチソフトで直したりとかしなきゃならんですね。今回はそこまでしませんでした(笑)。分解して分かりましたが、コミックはページの綴じ代限界ぎりぎりまで印刷が届いているので、見開きまでケアしようと思ったら、PDFのソースとしては不向きかも。

 それにしても、ひとたび一線を踏み越える(笑)と、今度は片っ端から電子化したくなる衝動に駆られるなぁ。『サターン・デッドヒート』が実家に置いてあるのは幸いだった......。もし手元にあったら、今の変なテンションだったら、貴重な『サターン・デッドヒート』の原本を、勢いで分解&電子化しかねない。今手元にある本の中で、一番再読率の高いお気に入りは、チャールズ・ストロスの『シンギュラリティ・スカイ』と『残虐行為記録保管所』なんですが、今後、これらの本を電子化したという内容がこのページに掲載されたら、ワタシがもう戻れない領域に達したとお考えください。いや、基本的に、常時身につけて、いつでも閲覧したい作品ほど電子化してiPhoneに入れておきたいのよね。しかし、そういう本ほど分解はしたくないジレンマ!電子化手法はほぼ確立したのに!どーすりゃいいんだ!ぐぅおあ!

 あと、分解した後のページの紙束どうしよう......。冷静に考えるともう捨てるしかないんだけど、捨てるのはまたそれはそれで抵抗が......ぐああああ!!

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