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『インセプション』

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 というわけで、予告ではどんな映画だったかサッパリな、クリストファー・ノーラン新作『インセプション』の先行上映を観に行ってまいりました。つうかこの映画、予告だと、レオナルド・ディカプリオ(以下ディカプー)が椅子に縛られたまま風呂に背中から突き落とされてたり、街がうにょーんと持ち上がってたり、通りのショーウィンドウが爆発してたりと、何か普通でないことは分かるんだけどどんな内容なのかはさっぱり、という困ったちゃん。しかしクリストファー・ノーランだしなぁ。『ダークナイト』で歴代興収塗り替えるレベルにヒットさせちゃった監督だしなぁ。『ダークナイト』大好きだしなぁ。でもノーランって、元々はもっと癖のある映画撮ってたらしいしなぁ。どうしよう。
 ......とか思いつつも、何だかんだで楽しみにして先行上映観に行ったら、これが大当たりなのだった。

 産業スパイのコブは、他人の夢に侵入し、対象の潜在意識下からアイデアを盗む(エクストラクション)という特殊な手口のスペシャリスト。ある時、彼と彼のチームは、大物実業家サイトーに対してエクストラクトを仕掛けるが、今一歩のところで失敗。だが実は、そのエクストラクト自体が、サイトーによるコブたちのテストだった。サイトーはコブに対してある取引を持ちかける。コブのエクストラクションの才能を生かし、対立企業グループのトップ・フィッシャーに対して、エクストラクションではなく、逆に、企業グループを崩壊に導くようなアイデアを植えつけろ(インセプション)というのだ。報酬はコブの犯罪記録の抹消。コブは故郷に残した家族との再会のために、サイトーとの取引に応じる。コブは夢に侵入するためのスペシャリストたちを集め、首尾よくフィッシャーの夢の中へと侵入するが......。

 観終わって大満足だったけど、最初に思ったのは「こんな映画よく作らせてもらえたな」。趣味的すぎるよノーラン(笑)!夢にダイブとか、それだけでも結構見せ方が難しいのに、この映画の場合、夢の中の人物の夢にさらにダイブしたりするので、普通にやったら発狂もののややこしさになりそうなのは想像に難くない。つうか、普通だったらこの時点で企画にストップがかかると思う。ムリムリムリムリ。こんな脚本分かりやすく映像化なんて絶対ムリムリムリムリ。
 ところがどっこい我らがノーランさんは、それをあっさりやってのけた上に、娯楽作としても普通に面白い作品にしてしまってるから困る。おかしいですよノーランさん!夢の多重構造やルールは前半でさりげなーく全部解説してるし、夢の階層を降りるごとに舞台が変わるので(フィッシャーの夢だと、第1階層でカーチェイス、第2階層でホテル内バトル、第3階層で雪山の要塞)、アクションもバリエーション豊富でよきかなよきかな。特に第2階層のホテルでは、上位層のカーチェイスで車が横転したりコースアウトするたびに、三半規管の影響でマトリックスバトルに強制突入するというボンクラぶり。大好きだ!しかもコブさんがトラウマ持ち状態でインセプションに挑んでしまったために、何故か並行してサイコホラーまで展開するという始末。なにこのお祭り騒ぎ。だのに、本質的には、単純なスタイリッシュ強盗アクションなので安心して楽しめるというこの上手さ。夢のルールまで完全に展開に活かしきっている構成の妙。なんでこんな闇鍋みたいな内容がきちんとまとまってるんだ(笑)!すげえよノーラン。
 登場人物の中では、コブの相棒的な立ち位置の、常に冷静沈着な紳士のポイントマンことアーサーさんがMVPすぎ。つうか、第2階層でこの人が残留してなかったら、第3階層に降りたメンバー全員が<虚無>に落ちてたよね......。自由落下状態でどうやって全員キックするんだよ!とか思ってたら、まさかの相対速度利用で全員キック。当初の予定だと、たぶん天井崩落か床ぶち抜きでキックするつもりだったよねあの人......あの機転はすごすぎる。ホテルがぐりんぐりん動いているときにも慌てず騒がず対応してるのにシビれる。あと最後にまさかのマイケル・ケイン。アルフレッドさんこんなところでなにやってるんスか!
 あ、SFな人には、メンバーがどうやって夢を共有するのかというシステムに興味があるかと思いますが、その点は「とりあえず鎮静剤打って横で寝てれば夢なんて簡単に共有できるべ」というオープンチャンネルの無線LANみたいな世界観なので気にしてはいけません。アランドラのまどろみの一族も真っ青である。

 ともあれ、ノーランさんすごいというのを再確認させられた逸品でございました。一般向けじゃないような気もするけど、好きものなら見逃すなかれ。

『2012』&『フォース・カインド』

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■『2012』

 絶対に映画館で観ろ!

 ......というのは、この映画が超大傑作だから、というわけでは全然なく、単に音と映像が全ての映画なので、映画館以外で観ることにビタイチ価値がないからデス。Death。行き着くところまで行っちまったなエメリッヒ。今後DVDで発売されても、たぶん買うだけ無駄。BDでも、本格ホームシアターか何かない限りたぶん無駄。ずいぶん前から散々世界崩壊の危機!的に予告を小出しにして煽ってたような気がするけど、実際観てみると、脳みそを一切使わないぱーぷーな超大作が大好きなワタシですら擁護が困難なレベルのシワなし超大作っぷり。ワタシ『デイ・アフター・トゥモロー』とかはかなり好きなのにこの感想。どーすんのよコレ。
 あ、ストーリーは、太陽からのニュートリノ異常で地球のコアがメルトダウンして超地殻変動が起きるから箱船計画発動!みたいな。あと、そこに家族の危機とかダメ父さんがんばる、とかがアドイン。火山弾がばんばん降りしきる中、飛行機を追いかけて疾走するジョン・キューザック扮するダメ父さんはほとんどギャグのレベルだとおもいます。あと、割といい人だったダメ父さんの恋敵が、この人が生き残ってたらダメ父さん家族が元鞘に収まらなくね?という大人の都合で、終盤あっさりと物語からリストラされるのに落涙を禁じ得ません。ヒドい。というか、あんたらいなかった方がいろいろ丸く収まってるんじゃね?と思えるほどのダメ父さんパーティの超迷惑っぷりが終盤の最大のハイライトです。いやもうどうしようコレ。ただ、箱船デザインはシド・ミード御大らしいのでそこだけは超OK!いやもうどうしようコレ。

movie_THE_4TH_KIND.png■『フォース・カインド』

 アラスカ州ノームで患者の不眠治療に当たっていた心理学者のタイラー博士の、65時間にも及ぶ記録映像を元に再現した再現映像による、ぶっちゃけるとアブダクションネタの実録もの作品。再現ドラマと並べて、実際の記録映像を流してみたり、監督がタイラー博士本人にインタビューするシーンを挿入したりと、半分ドキュメンタリーチック。

 ......なんだけど、はっきり言って、映画の『BASED ON TRUE STORY』ほど当てにならないものはないので、その点は話半分で。つうか実録ものなので記録映像には妙な迫力があるんですが、催眠療法受けた患者が、いきなり器械体操の平行棒演技中の選手みたく、足を横に伸ばしたまま上半身だけ起こして空中浮遊とかしながらシュメール語でわめくとか出来すぎだろう。終いにはタイラー博士の娘がアーブダークショーンされてしまい、警察のビデオがそのときのUFO飛来をノイズ混じりで捉えているのに、そのとき「オーマイガー、人が何かに釣り上げられていく!応援を!」とかばっちりビデオの音声記録にテンパってた様子が残ってる目撃警官の存在は映画の中でも華麗にスルー。最後はタイラー博士自身が催眠療法で空中浮遊&英語とシュメール語で華麗に自問自答。「娘を返して!」「駄目、絶対(シュメール語)」。そしてその場にいた他の二人もろとも即アブダクション。本当だったら超のつく大事件だと思うんだけれど、そこは「半日後に帰ってこれました、その間の記憶はありません」の一言でやっぱり華麗にスルー。絶対コレ真に受けたらイカン類の冗談だろ。まあその点を除けば、実録的な雰囲気はなかなか迫力があってヨイです。怖いし。ところで誰か、映画の中でキーワードっぽく出てきたのにやっぱり華麗にスルーされた「ズンアブー・イーター」のシュメール語訳教えてください......。

『サマーウォーズ』

movie_SUMMER_WARS.png  遠い富山へとやってきてはや幾年、富山にいても、映画を見たくなったら、やっぱり頑張って映画館へと出張っているわたくし。『スター・トレック』面白うございました。『ターミネーター4』微妙でございました。『トランスフォーマー2』は傑作(わし的に)でございました。トランスフォーマー2の後半は米軍PVだがそれがいい。実は調子に乗ってニコラス・ケイジ主演の『ノウイング』とかも観てるぞ!SF映画だと思って観てみたら実は聖書翼賛映画だったでござるの巻。つうか、いわゆるズバコーン系映画でございましたですよ。つうか、この映画の黒幕はやってることが回りくどすぎるよ!わざわざ地球くんだりまでやってきたのに、やってることは幼女に未来の予言させたり、坊やの寝室に忍び込んで黒い石をプレゼントしたりとか、ミステリアスさを重視するあまり手段と目的が完全に逆転している展開に涙が止まりません。あれか、ショタ好きってやつか!?やめるんだ!白人の子供は異常に劣化が早いんだぞ!『ホーム・アローン』のマコーレ・カルキンとか、今じゃ金髪のスティーブ・ブシェミみたいなツラになってるんだぞ!考え直せ!いやまずお前が落ち着け。

 それはさておき、割と近所にシネコンがあるので、富山でのムービーライフも基本的には問題ないんですが、困ったことに、エヴァ新劇場版:破と、今回のお題であるところの『サマーウォーズ』は、ワタシの足の届く範囲で遠くに2カ所しか公開してなくて泣けるのです。破はセラエノ再起動のために大阪帰ったときについでに観てきましたが、破上映前の予告でワタシのムービーセンサーの針が振り切れて俄然観たくなった『サマーウォーズ』にしたら、そのためだけに大阪戻るわけにもいかないし、仕方がないので、ユナイテッド・シネマ金沢に遠征開始。無駄に高くつく交通費と1時間に1,2本というJRの超ゆったりダイヤに涙が止まりません。しかしこれも映画のためだ。ワタシのダメセンサーに出た「これは『天空の城ラピュタ』以来の正統派娯楽活劇(ボーイミーツガールもあるでよ)に違いない!」の高レベル反応を信じて!『時をかける少女』観ていないけど!いいのかそれ。

 で、田舎の大家族+ネット大混乱で人類の危機、みたいな本作を観たわけですが、とりあえず。

 あざとい、あざといよサマーウォーズ!

 お前絶対映画の中で3回は俺を泣かせようとしてるだろうサマーウォーズ!ひいばあちゃんの独白シーンで劇場内から鼻をすする音が......畜生、貴様ら簡単に涙腺直撃されてんじゃねえよひっくえぐえぐ。ラストバトルの元気玉展開とかありふれてるじゃんよ......ぶわっ(滂沱)。一般的にはアレな出来扱いの『ロボコップ3』ですら、警官たちが一人一人バッジを投げ捨てて市民レジスタンスに合流するシーンで決壊するワタシの涙腺に死角はなかった。あと、初恋のおじさんが現れた瞬間にヒロインに放置喰らう主人公の妙にリアルな描写別の意味で涙が止まりません。ヲヲヲ~!
 ちなみにちゃんと言っておくと、『サマーウォーズ』は感動(だけの)大作でもお涙ちょうだいの物語でもないです。本質はちゃーんと、

 素晴らしい娯楽活劇。

 つまりはわしの大好物だ!とにかく展開の緩急と演出がしっかりしてて片時たりとも飽きずに観れますです。涙を誘うシーンだって、それまでの話の内容の積み重ねとコントラストあってのものだしね。つうか、陣内家の大家族の皆様がみんないい意味で個性的すぎて困る。最初に公式サイトで登場人物確認したときには「これ全員描写するの無理だろ、つうか半分くらいは空気になるだろ」とか思ってたのに、実際の映画ではみんないい感じに存在感を放っててびっくり。反撃開始のシーケンスなんて、冷静に考えると無茶苦茶なんだけど陣内家の皆さんだと許せる不思議。あと、ビジュアルでは超ヒネた子に見えたゲームキングのカズマくんが、実際には意外と素直な子でお父さんは安心しました。
 そしてその陣内家のあおりを喰らって空気化寸前の主人公とヒロイン!特にヒロインの夏希は、途中で本当にフェードアウトするんじゃないかとドキドキでした。まあ最後は花札パワーメイクアップ!で鉄火場突入なんですが。主人公の健二さんは、序盤で面白顔芸を披露した後、要所要所を締めるもののこれといった見せ場もなく、数学に特異な才能を示すという設定が死んだまま本当に傍観者で終わるのでは......と思っていたら、ラストの陣内家最大の危機で遂に確変突入。ログイン妨害を筆算で片っ端からコードブレイクしていく健二さんマジパネぇッス。最後は絶望で筆が折れたと思いきや、実は逆に限界突破していたという必見のシーン。健二さん......立派になって......。栄おばあさま......貴方の目は確かでした......!ぶわっ。

 とにもかくにも、万人にお勧めできて、かつ質も保証できる娯楽活劇としてオススメでございますですよ。ワタシは何だか知らんがツボに入ってしまって困ってます(笑)。とりあえず下に、エヴァ新劇版前に観てフォーリンラブマシーン状態になった予告編張っときますね。これを見て惹かれるものがあればGOだ!でも公開劇場限られてるから、公開してる映画館が近くになるといいね......ぶわっ。



『ハンコック』&『ウォンテッド』

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 雨にも負けず風にも負けず、元職場から横浜にすっ飛んで、毎月誰も住んでない関西の部屋に家賃を払い続けていても(泣いてなんかない!)、暇を見つけてはきちんきちんと映画は観ているわたくし。しかし気がつけば、ページに書かないまま、観た映画が結構たまってしまっていたのだった。これはイカン!というわけで、今回は掟破りの2本立て。まあ、今年度ナンバーワンは『ダークナイト』で鉄板...というか、今後数年においてすらその座が破られるかどうか怪しいけど、すべての映画があんな濃縮っぷりだったら、ワタシの脳みそが緊張のあまり白鳥座コラプサーになってしまいますですよ。あれはあれこれはこれ、何も考えずに観られるシワなし超大作は絶対に必要だ。というわけで、ワタシは今日も映画館に通って有名どころばかり見続ける(笑)。

で、最初はウィル・スミス主演の『ハンコック』。やさぐれて世間から爪弾きもののヒーロー・ハンコックが、売れない広告マンとの出会いを機に、徐々に変わろうとしていく様をコミカルに描く...というSFヒューマンコメディかと思ったら、途中でヒューマン系のネタが尽きたのか、はたまたギアス的はったり至上主義に目覚めたのか、いきなり明後日の方向に暴走していくハンコックワールド。中盤の家庭内ドリフとかはつい笑っちゃったけど、後半ネタの無茶振りっぷりは正直笑えないよハンコック。作劇上の都合で無理矢理弱くなったよハンコック...つか無理矢理にも程があるだろ(笑)!見終わってみると壮絶なまでの話のまとまりの無さだけが印象的だったよハンコック...。ウィル・スミスはいい役者だと思うけど、前の『アイ・アム・レジェンド』といいこれといい、ワタシの守備範囲の映画では、ここ最近後半の展開に恵まれない映画に出すぎだよウィル・スミス...。誰かスミスにいい脚本斡旋してあげて(涙)!

movie_WANTED.png そんな心の傷はお馬鹿ガンアクションで癒す!と次に見たのは『ウォンテッド』。冴えないサラリーマン青年が、実はあなたはアサシンの申し子なのデス!とかアンジェリーナ・ジョリー姐さんにスカウトされて、気がつけば二丁拳銃でドンドンパチパチピーヒャララー。とりあえず、演出がすごくヘン(笑)。いい意味で。キーボードで憎いあんちくしょうをぶん殴ったら、飛び散ったキーの並びが「FUCK YOU」。素晴らしい。ロバート・ロドリゲス以来の、素人目にもヘンな演出の数々が光ります。あとガンアクションはガンカタ以来の大爆笑。腕を振りながら銃を撃つだけで弾丸がうにょーんとカーブ!多段型弾丸とかステキアイテムも登場。どんなにひどい怪我を負っても、ウクライナ式風呂に入れば全部解決さ!どんなやねん。
 それにしても、この主人公青年の、潜在能力は高いけどすぐ増長して失敗、そして終始状況に流されまくり、見た目情けない...なんか...どこかで強烈な既視感が...あ。

 ルーク・スカイウォーカーだ。

 スターウォーズ自体、最後に観て久しいけど、なんかワタシの中のルーク像はそんな感じ。ああすっきりした。そういえばあいむゆあふぁーざー!ノーッ!とかも完備してるわ(笑)。ジョリー姐さんもっときっちり調教してやってください!

 というわけで、どっちもいい感じの頭ぬるぽな映画でございましたですよ。よきかなよきかな...でも、DVDは買わなくてもいいかなぁ。オイ(笑)!

『ダークナイト』

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 いや確かにわたしゃ『バットマン・ビギンズ』大好き人間ですよ。でもさすがに、今回の『ダークナイト』が、本土アメリカでは各種興行成績記録を片っ端から塗り替え中で歴代トップの『タイタニック』にすら迫る勢い、しかも批評家筋からも大絶賛、とか聞くと、いやそれは本当なのか、と疑いたくもなるもの。だって、アメリカだよ?シワなし超大作が大好きなお国柄だよ?全米第1位、なんつったら、観客のウケはともかく、批評家からの評価は、だいたいが「批評家からの評判も上々で...」くらいじゃないのさ。だのに『ダークナイト』では大絶賛とかあり得ないデスよ。お前ら急にアメコミスキーになったのか。しかも上映時間超長い(2時間半以上)ですよ?ワタシ内最高アクション超大作で、何度見ても超最高!な『ザ・ロック』ですら、上映時間は自重しろとかねがね思ってましたが、その『ザ・ロック』でさえ上映時間は2時間16分。それよりさらに長いとか、一体何があったのかと。つか、だれるよ、それ絶対!大丈夫なのかクリストファー・ノーラン!既に大丈夫じゃなくなっちゃったよヒース・レジャー(涙)!
 ...とはいえ、前作『バットマン・ビギンズ』は、コウモリコスチュームに身を包んだ一見頭のアレな人、の誕生秘話を、きっちり丁寧に描いていくというリアリズム重視に惹かれたわけで、もしかしたら海の向こうの驀進ぶりも、ただの話題先行だけじゃないのかもにゃあ...と思っていたら、月日は流れて、いよいよ日本でも先行上映ですよ。もちろん朝イチで劇場に突貫ですよ。好きだからな!

 で、結局どうだったかというと。

 これは、本当に、すごい。

 152分が全く長く感じられない圧倒的な密度の濃さ。エンターテイメントとしても一級品なだけでなく、見終わった後で、映画偏差値40のワタシですら、作品のテーマについていろいろ考えさせられる、という希有な経験をすることに。善と悪、正義と邪悪とか、最近では境目がどんどん曖昧になっている概念について、真っ向から取り組んだあげく、それが裏テーマになるどころか、映画のエンターテイメント性に直結しているという、結構とんでもない映画だったのだ、これは。見終わると興行収入バカ売れ中とか、批評家大絶賛とか、完全に腑に落ちてしまったですよ。これはすごい。

 この映画の最大の勝因は、ひとえにジョーカーのキャラクター造形に尽きる。前のバートン版バットマン映画の、ジャック・ニコルソンのジョーカーは、ワタシのあやふやな記憶の中では、派手なメイクのガイキチさん、という印象だけだったんだけど、今回のヒースジョーカーは、やっぱりガイキチさん(いまから手品でこの鉛筆を消すぞ~、ほら消えた~!)ではあるけど、それに加えて、映画全編を通して、常に周囲の登場人物たちに対して、究極の選択を突きつけ続けるという最悪の敵なのだ。バットマンですらその影響からは逃れられていないし、完全に飲まれて堕落してしまう人物すらいるこの怖さ。図らずも、ジョーカーを通して、バットマンの正義の在り方自体が問われてしまうというこの展開の妙。「俺はお前を殺さない。お前がいなけりゃ、俺はちんけな強盗に逆戻りだ」という、バットマンの存在が、逆に自分の存在を際だたせていることに自覚的な台詞が怖すぎます。バットマンにとっては絶望的な台詞だろうなぁ...。このジョーカーの素晴らしさは、ヒース・レジャーの鬼気迫る演技もさることながら、脚本そのものの勝利でもあると思うわたくし。
 では全編そんな『セブン』みたいな病んだキリキリ感ばっかりなのか、というと全然そんなことはなく、ちゃんと要所要所では超大作エンターテイメントしてるのがまた素晴らしい。バットマンin香港とか意外すぎるシーケンスもあったり...というか、スカイフックでの離脱が超人過ぎですウェイン産業の会長さン(笑)!普通の映画だったらクライマックスの、ジョーカーとのカーチェイスもまだ映画的には中盤という全編クライマックスっぷり。もちろん前作で大活躍のタンブラーさんも大活躍だ!だが今回は新メカもちゃんと登場!

 バットポッド!パットポッド!

 とりあえず初お披露目シーンで笑い死にそうに。お前はナイトストライカーSステージか(笑)!だが走りそうにない姿のバイクがちゃんと走ってる上に、驚異の180度ターンをかましたりして超カッコいいので許します。最高!っていうか、これ、タンブラーに引き続き、ちゃんと走行するモデルを作ったというのが凄すぎます。どこにエンジン入ってるんだコレ。でもちゃんと乗りこなせるのが専属のスタントマンだけというピーキーぶり。素晴らしい。
 そしてもうひとつ、バットらしいギミックが登場するんだけど内緒。バットマン的にも、ジョーカーに追い詰められた末の最後の手段だった、とだけ。

 それにしても、面白い映画というだけでなく、いい映画だったなぁ...。最後にバットマンが下す決断から、タイトルの「ダークナイト」につながるラストの流れもこれまたいい。バットマン好きであろうとなかろうとオススメ!
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 というわけで観に行ってきましたよ先行上映で『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を!小学生の時分、生まれて初めて映画館に観に行った作品が、よりにもよって『イウォーク・アドベンチャー』で、次に観た映画が『ダイ・ハード』という時点で色々駄目な方向に運命付けられたワタシのムービーライフですが、そんな中でも、やっぱりインディ・ジョーンズシリーズはひときわお気に入りのシリーズでしたですよ。初めてTVで『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』を観たときには、「こんなに面白い映画があるのか!」と子供心に強烈にインプリティングされ、それから1年ほど後に『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』が公開されたときには、母親に連れてけ連れてけとうるさくせがんだものですよ。時は流れて大人になっても、きっちりDVDトリロジーボックスは購入済みですよ。やはり幼少期の刷り込みか、『魔宮の伝説』が一番お気に入りだけど、これ世間的には評価低いのね...。テンポ良くて最高なのに。うう。でもどれも「これぞ冒険娯楽活劇!」といった案配で、今観ても色あせないと思うわたくし。当然フォロワーも色々出てきたけど、やっぱりパイオニアの出来が出色ですな。今度の新作は中国のジェット・リーミイラで「もうハムナプトラ関係ないやん」と言いたくなる『ハムナプトラ3』とかモロその系統だけど、やりすぎてマンガチックになってたりするところがあるからなぁ。本家のインディ・ジョーンズもマンガチックっちゃあマンガチックなんだけど、一線越えない辺りのさじ加減がまた絶妙でそこがまたよし。あの「て~てれって~てれれ~」というテーマが流れてくるだけでもノリノリです。ところで、インディ・ジョーンズのテーマとスターウォーズのテーマとスーパーマンのテーマを脳内で連続して流せますか?この3曲を連続して脳内で演奏しようとすると、どれか1曲は絶対に脳内再生できなくなるですよ。ワタシの場合、そこに『ハイドライドスペシャル』のBGMとかが混ざってきてさらにカオスな状況に。どうでもいい話ですね。

 で、今回のお題はクリスタル・スカル、いわゆるオーパーツの有名どころの一つ、水晶のドクロでございます。『アサシン・クリード』では「ミッチェル・ホッジスのコミュニケーター」とか言われて念話通信装置扱いされてたアレでゴザイマス。今回のインディは水晶のドクロを探して冒険活劇するわけですが、正直観る前は色々不安だったですよ。最大の懸念は、インディを演じるハリソン・フォードの年齢。かつて、若い時分はジェームズ・ボンドを演じ、じじい化しても『ザ・ロック』ではバリバリ現役で、老齢でもアクションどんと来い!だとばかり思っていたショーン・コネリーが、『リーグ・オブ・レジェンド』では、スクリーンでも隠しきれないくらいヨボヨボだったあのトラウマがががががが(涙)!かたやハリソンさんも、1942年生まれってことは今年で66歳だぞ!あのハンソロがいまや66歳だぞ!? わしの親父よりも年上だっちゅうねん。もう足腰に色々ガタが来てても全然おかしくない歳ですよ?つうかよりにもよってインディ・ジョーンズシリーズでヨボヨボしてたら俺が泣く。全力で。
 とはいえ、寄る年波に抗える人間なんていないし、多少ヨボヨボしてても仕方ないよなぁ...とか思いつつ観ましたが、

 驚いたことにヨボヨボ度皆無。

 いやさすがに顔の皺とか、微妙に伸びてない背筋とかに年波を感じはするけど、アクションとかは(スタントの吹き替えが入っているであろうことを考慮しても)意外なまでに普通に見られるぞ。この辺りはさすがにスピルバーグというか、ハリソン・フォード含めて求められているものをちゃんと分かってる感じがしてステキ。実はよく考えると、一番激しいアクションとかは何気にシャイア・ラブーフの当番になってたりするんだけど、見てる間はそれを気取らせない辺り、やっぱり基本的な見せ場の組み立て方が上手いんだろうなぁ。そもそも、今回の舞台は1951年で、インディ自体もそれなりに歳行ってる設定だから、極端にはっちゃけたアクションしなくても、それはそれで自然だったりします。
 でもインディ先生はやっぱりインディ先生で、ドゥームズ・タウンからの脱出のくだりとかは、インディ先生の底知れぬ耐久性能に恐れを抱かざるを得ません。つうか、あれ普通に被爆してるよね...。数年後には白血病か何かでインディ・ジョーンズ大往生、でも全然おかしくない状況下ですが、幸いなことに『インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険』によると、インディ先生90過ぎまでぴんぴん生きてることは確定事項なので問題ありません。リジェネーターなのかこのヒト。

 で、映画の内容自体はというと、これまた驚いたことに、前作から10ン年のブランクがあるとは思えないくらい、いい意味でインディ・ジョーンズシリーズそのもの。話のテンポからノリから見せ方に至るまで、どこをとっても(無論いい意味で)シリーズの続編としか言いようのない内容で、これならファンから新規層まできっちりカバーしてると言っても差し支えなし。『レイダース』のマリオンが再登場してたり、スピルバーグお気に入りのシャイア・ラブーフがきっちり重要な役割を確保したりしてるけど、それもきっちり押さえつつ、全体としてはシリーズのテイストをきっちり継承してるという、かなり理想的なレベルで仕上がってます。つうか、往年のファンとしては、あのテーマが流れてくるだけで反応しまくってしまって駄目ですが(笑)。唯一賛否両論ありそうなのは、他でもないクリスタル・スカルの正体そのものかもだ。あれ、ジョージ・ルーカスが強力にプッシュしたネタらしいですね。ルーカスめギギギギギ。いや、あれはあれでアリのような気もするけど(笑)。つうか、冷戦に巻き込まれてるインディとか、エリア51で活躍するインディとか見られるとは思わなかったよ...。

 とにもかくにも、しっかり期待には応えてる久しぶりのシリーズ最新作。面白かったよ!

『クローバーフィールド』

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 というわけで観てきました『クローバーフィールド』。例によってAppleのトレイラーサイトで先物買い的にチェックしてからこっち、ずーっと楽しみにしてたのだ。サプライズパーティの真っ最中に遠くのビル街が大爆発、自由の女神の頭部が通りに吹き飛んでくる...とかワクワクすぎです先生!何か吠え声とか聞こえてるし!魚食ってダメだったアメリカンゴジラよりも、もしかして遙かに怪獣映画?でもまだ怪獣映画とは言い切れない?ぬおー!楽しみだ!!だがプロデューサーのJ.J.エイブラムスは「映画のプロモーションで来日したときに見かけたゴジラのフィギュアにインスパイアされた」のがこの映画を作ったきっかけとか言ってるらしいし!いやそれはつまりゴジラだよ!つうか全編一般人のハンディカム撮りとか、ゴジラウィッチプロジェクトだよ!どうなるのか期待半分不安半分。
 で、どうだったのかというと、

 ゴジラウィッチプロジェクトだった。

 全編一般人のハンディカム撮りというのは、利点欠点両方ありですな。利点はなんと言っても臨場感抜群すぎ。酔う酔う言われてた画面効果も何ともないぜ!のワタシにとっては、ひたすらに逃げ回る一般人と、一般人の視点から見た、怪獣に蹂躙される街並みや人々の混乱は、まさに見たかったビジュアルの一つでありご褒美です!大抵の映画だときゃーと叫びながら逃げる人々が出てくるだけなんだけど、橋を渡っていた人々が襲われて一瞬でパニックになったりするさまとか、かと思うとビルの谷間からちらりとモンスターが見えても「何か見えたぞ!」とか言いつつ混乱してるだけだったり、そんな状況でも火事場泥棒はしっかりいたりとか、ただ逃げ惑うだけではない、まさにそんな状況下に放り込まれた人間が取りそうな縮図があってステキです。地下鉄のシーンとか泣きそうです。にゃー!
 で、欠点の方はというと、一般人視点という映画のコンセプト上仕方がないんですが、怪獣の姿を十分堪能できるカットがほとんどないこと(涙)。振り回されるハンディカムに一瞬写る怪物の勇姿を見逃すな!日本のゴジラ映画のように、怪獣をねっとり堪能しようと期待しているとアテが外れます。そういう意味ではこの映画は怪獣映画というよりはディザスターパニック映画と言った方がより適切かもしれませぬ。あ、肝心の怪獣ですが、手足の関節が一つずつ増えた暗黒舞踏のヒトみたいなのでした。怖いっていうよりキモい。窓に!窓に!しかもショッキラス持ち。85年ゴジラで巨大フナムシに飛びかかられて泣きそうになったトラウマ今再び(涙)!しかも噛まれると急性エボラで爆死。そしてこの映画はあくまで一般人視点から見た映画なので、それらに対する説明は何もない!我々の業界ではご褒美です!いや実際、こういう風に人知を越えた恐怖を何も説明せずに終わる映画があってもいいとおもうんだ。まあこの映画の場合、それまでプロモーション用の偽企業サイトとか立ち上げて散々煽っていたらしいので、そこを踏まえてしまうと説明不足すぎな感もあったりなかったりしますが。予備知識なしに見た方がいいと思います、この映画。

 ところで、米軍がここまで無力な映画もそうそうないよね...。事件勃発後の軍隊展開の早さは異常だったけど、あとは昭和ゴジラの自衛隊並みの扱いで涙を誘います。つうかあの暗黒舞踏が頑丈すぎなんだよ!F-18のミサイル数発であっけなく天に召されたアメリカンゴジラは、やはり魚を食ってるような奴だったから駄目だった、と言わざるを得ません。ぐう。

『バイオハザードIII』

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 ここんとこ何かと忙しく…というか、年に何回かある無気力期に突入してしまい、せっかくの三連休だというのに、外にも出かけずにぐうすか&ぐうたらしていたわたくし。しかしそれでも、昼過ぎまでぐうぐう寝ていたり、起きたら起きたでACE COMBAT 6のマルチロール機縛り勲章狙いでひたすら箱○、などという休日を延々続けていれば、三連休最終日の夕方くらいになってやっとおでかけする気力も回復してくるわけで。というわけで、ぐうたらするだけの連休にしてはイカン!と遅すぎる一念発起をしたわたくしは、とりあえず映画でも観に行こう、と、隣の駅の映画館に足を運んだのであった。いや、別に観たいモンないんだけど…と思ったら、何だか『バイオハザードIII』とかやっておる。いや、これも別にそれほど観たい訳ではないんだけど…。だって、どんなシリーズものでも大抵ダレるシリーズ3作目な上に、監督ラッセル・マルケイですよ?面白くなるなんて考えるほうがどうかしてるとおもいます。まあコートにポン刀という新機軸を打ち立てた功績は認めるにやぶさかではないので、とりあえず観てみることに。『ハイランダー 悪魔の戦士』を最初に見たのは小学生のころだったけど、当時は首ちょんぱだけでも結構ショッキングだったよなぁ…。今見ると、「刀をそんな風にふらふら振り回すんじゃねぇ!」とか突っ込んでしまったりして悲しくなりますが。ビュウ…大人になるって悲しいことなの…。

 前作から5年後、T-ウイルスの蔓延により、世界は砂漠と化していた(なんで!?)。生き残った人々は、徘徊するゾンビから身を守るために旅団を組んで、かつての文明の残骸から食料やガソリンを調達しながら、当て所ない旅を続けていた。一方、アンブレラの追跡から仲間を巻き込むまいと単独行動を取っていたアリスは、ふとしたことから「アラスカはウイルス感染していない」という内容が記された手帳を手に入れる。行く当てなければどこ行っても同じ、というわけで、旅団と合流したアリスは共にアラスカを目指すが、アンブレラ社のハイパーゾンビ部隊に急襲されて旅団は壊滅状態。生き残った旅団の人々はアンブレラのヘリを奪ってアラスカに旅立ち、アリスはその場に残ってアンブレラとの最後の戦いに挑むのであった…って、アラスカは?ねえアラスカは?

 いやー、久しぶりに、映画が終わって席を立った瞬間にもうストーリーが思い出せないシワなし超大作を観たわい。というか、ラスボスのタイラントがどうやって退治されたのかすら思い出すのに一瞬間をおかねばならない始末。決してつまらない映画というわけではないのに、この印象に残らなさっぷりはどうしたことか。まあ、最近もうすっかり馴染んだワイヤーワークのケルナグールとか除けば、全体的には恐ろしいまでに80年代B級SFホラー映画そのものだからなぁ。つか今更直球マッドマックスて。全力で走るゾンビももう真新しくはないし、今作のタイラントに至っては、素体が50過ぎの油の抜けたじじいだぞ。だがアリスもタイラントも何故か念動力に目覚めており、ラストバトルでは唐突に「金田ァァァァァァァ」「鉄雄ォォォォォ」的な念動力バトルが勃発。だが別に何かの伏線というわけではない。もうどうしろと。ただ、普通のB級映画と違って、ラストに量産されてるのがゾンビではなく主人公という点のみ新しいかもしれない。なんで女主人公のSFホラーは、シリーズを追うごとに主人公の人外度合いがインフレしてくんでしょうね…。

 それにしても、ゲームの要素に比較的忠実に従うことで、従来のゲーム原作映画とは一線を画していたはずのシリーズが、こうしてゲームの内容とはビタイチ関係ない内容に到達するというのは、ある意味感慨深いものがありますですね。ダメ映画が比較的好きな身としては、尾羽打ち枯らしたと表現すべきか、明後日の方向にロケットで突き抜けたと表現すべきかは迷うところではありますが。とっぺんぱらりのぷう。

『300』

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 というわけで、クレイトスさん以降すっかり半裸のマッチョバトルにメロリンキューなわたくしは、 半裸のマッチョバトル分が存分に配合されてそうな『300』の先行上映に行ってきたのでありました。映画畑でも最近よく名前を聞く、アメコミ界の名匠らし いフランク・ミラーのグラフィックノベルを、リメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』の監督ザック・スナイダーが映像化。ストーリーはと言うと、紀元前 480年、ペルシア軍100万に対して、300人のスパルタ軍精鋭(+有象無象のアルカディア民兵)が絶望的な戦力差に立ち向かう壮絶バトル、とだけ覚え ておけばOKのステキっぷり。スパルタと言えば、もちろんクレイトスさんの出身国として有名ですが、予告で見る限り、スパルタのヒトタチは、全員ふんどしにマントのみという公然猥褻レベルのいでたちのご様子。そんな私のこの映画の前印象は、「ムキムキの半裸のおっさん達300人が、ペルシア兵100万と肉と肉の熱いぶつかり合いを演じる」てな具合だったんですがよろしいか。いやよろしいか言われても。アッー!

 で、観てみたわけですが。

 何たる暑苦しさ!
 何たるカッコ良さ!

 軍事国家スパルタの300人のあまりの格好良さに失神しそうだったわたくし。基本的に、半裸のおっさんたちがひたすらスタイリッシュに戦い続けるという超単純なハナシながら、その肝心の格好良さのレベルがただごとではない。半裸のおっさんなのに。ス パルタ戦士の育成を見せる序盤から、戦えなさそうな子供は生まれたときに即廃棄・7歳で過酷な軍事教練・最後は森で狼と一騎打ちとかの文字通りの超スパル タンで鼻血出そう。戦闘民族サイヤ人もかくやな存在が地球上にもいたとは(笑)。そんなスパルタ戦士なので、戦う前から魅力全開。援軍のアルカディア民兵 軍団と合流したときのエピソードがステキすぎます。300人というスパルタの兵の少なさに驚くアルカディア民兵たちに対して、兵を率いるスパルタ王レオニ ダスが、アルカディア民兵の平時の職業を聞いていく。答えは陶芸家・鍛冶屋・パン屋等さまざま。で、一通り答えを聞いたレオニダスが、今度は自分の兵を振 り返って「スパルタの兵よ!お前達の職業は何だ!」それに答えて300人のスパルタ兵、全員がいっせいに槍を振り上げて短く鬨の声「Woo!」。何たるウォーモンガー。このシーンで一気に魂ぶっこ抜かれたわたくし。カッコよすぎる。半裸のおっさんなのに。
 だが戦いになるとそれがさらに格好良くなってしまうから困り者。スパルタと言えば長槍密集隊形、いわゆるファランクスが有名ですが、この映画でワタシはファランクスの何たるかを理解しました。スパルタじん最高。一人一人殺すたびにいちいちスローモーションがかかったりして最高です。その後もペルシア軍が手を変え品を変え波状攻撃をかけてくるので、事態はだんだん「スパルタ戦士vsペルシア軍10番勝負」みたいな状況に。だんだん人間の遺伝子から生まれたとは思えないヒトタチが襲い掛かってきますが気にしてはいけません。スパルタ戦士も気にしてません。

  あと、予告でも見ればすぐ分かるけど、全編に渡って画面にCG処理かましまくりで、絵ヅラがそれだけで一つの絵画調になってるのもポイント。元がグラ フィック・ノベルだからある意味適切な処理な気はするけど、パンフで比較画像見たら、シーンの一つ一つが原作そのまますぎて吹きました。でもこの映画には 合ってるんだよなぁ...。

 ともあれ、首ちょんぱ腕ちょんぱがふんだんに取り入れられた半裸おっさんガチバトルが好きならば是非。この映画に溢れるオトコノコ汁は異常!見れ!

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