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秋山完 の作品 『リバティ・ランドの鐘』 『ペリペティアの福音』 『ラストリーフの伝説』 『ファイアストーム −火の星の花嫁−』 『天象儀の星』 |
『ファイアストーム・火の星の花嫁』 そのロケットはやってきた。大昔に、夜空の中の、青い小さな点の星から、この赤の星へと、魔女を乗せてやってきた…。 大規模な飛行船団を組み、二酸化炭素の大気の中を、道中の人々と交易を行いながら、北から南、南から北へと渡る太陽族。カズマ・ケイマフリはそんな太陽族の連絡機の少年パイロットだ。ところが、フライト中に敵対するセーガニア帝国の戦闘機群に遭遇したカズマは、渓谷の底に墜落してしまう。負傷し、酸素マスクも奪われ、死を覚悟するカズマ。しかしその時、彼の前に現れたのは、なんと伝説の魔女だった…。 これは勇ましい戦いの物語でも、分厚い感動の大長編でもない。ここにあるのは、魔女と出会った少年の話と、かつて、赤の星にきれいな花とおいしい実をもたらすために生きた、一人の少女と一人の庭師の話。ささやかな善意と優しさを持った人たちの、静かだが心に残る物語である。 と同時に、この話は、驚異的な能力を持った植物ヴィシュニアを軸とした、まぎれもないSF的な面白さを持った作品でもある。ちょっとしたハードSF風の味付けもあるし、クライマックスで明らかになるあのイメージの壮大さや、魔女の洞窟の水中でカズマが見る幻想的な光景などは、ストーリーと相まって強く印象に残る。 そしてなによりこの本では、登場人物たちの、未来に希望を持ち続ける姿勢が胸に染み入る。赤の星の未来のためにわが身を捧げる少女マーシャ。未来の人々に生きろと告げる庭師タジミの碑文。特にタジミの碑文は胸を打つ。 もしも未来に夢を描くのがSFならば、この本は良質のSF。僕の大のオススメだ! …以上が、bk1の識者書評に寄稿した文章。いつもに増して誉めてるような気もするけど(笑)、この本に関しては本当に嘘偽らざる気持ち。本の裏のあらすじから想像できるのとは違って、過去のできごとがメインの話である…などの構成上の問題もなくはないけど、読み終えたときにはそんなことはどうでもよくなるくらいの良い作品。売れてほしい。皆に読んでもらいたい。ほんとに。 |
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