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蜂工場
 
イアン・バンクス
『蜂工場』
野村芳夫 訳
集英社文庫ハ-7-1
ISBN4-08-760141-2
552円

イアン・バンクス
の作品

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『ゲーム・プレイヤー』


『蜂工場』

 前々から、結末がギャフンだギャフンだと噂に聞き続けてきたので、復刊されたと聞いたときから、一度そのギャフンさを我が目で確かめてみたい(笑)と思っていた作品。そんな折、東京に行ったときに、八重洲のブックセンターで見つけたので即購入。ちなみに、帰ってきてから、行き付けの書店にも、隅の方にひっそり入荷されていたのを発見(笑)。
 16歳のフランクは、スコットランドの小さな島で、父親のアンガスと二人で暮らしていた。彼の兄のエリックは、犬という犬に火を付けてまわったり、両手や口一杯に蛆虫をたからせて、近所の子供たちを脅えさせて以来、精神病院に収監されている。彼自身は、幼い頃に犬にペニスを噛み切られており、今では学校にも行かず、島の中で小動物を殺したり、奇妙な儀式めいたことをしながら日々を過ごしている。物語は、エリックが精神病院から脱走した、という知らせを受け取るところから始まる…。

 ……メリケン酒鬼薔薇の日記デスカ?

 と言ってしまうと、この話の9割は総括できてしまうと思うのだがどうか(笑)。話の大筋の内容は、つまるところそういう内容。歪んだ形の青春小説と言えなくもない…。淡々と少年の異常な行動を綴っていくさまはなかなか好感が持てますですね。持つなよ。
 が、その9割は極端な話どうでもいいのであって(笑)、この本のキモは、確かに最後のオチにあったのだった。オチが割れた瞬間、思わず「えーっ!?」と呟いてしまったわたくし。表紙には「結末は、誰にも話さないでください」なんて書いてあるけど、このオチを見た日にゃ、ネタバレしたい気分の最後の一片まで萎えますって。緻密に伏線を張られていたような気もするし、なーんにも考えてないただのハッタリのような気もするし。驚く、というよりは、なんか、何ともいえない気分になりましたです…。
 この類の話が好き&なんでもいいから意表を突いてくれるオチが好きな人向け(笑)。妙な味がある話ではある。ぐぅ。

 しっかし、エリックは可哀相な奴だなぁ。あんな目に会ったら、エリックならずともおかしくなるって。その場面を想像して、「死霊たちの宴」以来、久しぶりに読み物で気持ちが悪くなったッス(笑)。

 

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