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火星転移(上巻) 火星転移(下巻)
 
グレッグ・ベア
『火星転移』(上・下)
小野田和子 訳
ハヤカワ文庫SF1187, 1188
ISBN4-15-011187-1, ISBN4-15-011188-X
上巻760円, 下巻760円

グレッグ・ベア
の作品

『ブラッド・ミュージック』
『天界の殺戮』
『女王天使』
『火星転移』
『凍月』
『斜線都市』


『火星転移』

 (いい意味で)ベアらしくない作品。雰囲気が今までの作品と違う。何というか、明るい。それに、はっきり面白いといえる。
 物語は主人公、キャシーア・マジュムダーの一人称で進んでいくが、まず、この主人公が親しみやすい。今まで読んだ限りでは、ベアの登場人物は、たまに「ほんとにこんな奴おるんかい」というのもいたが、今回のキャシーアは実に自然。自然に感情移入できる。また、話の流れも、今までで一番筋が通って分かりやすいと思う。ナノテクを始めとするガジェットも、これでもかというくらい多数が登場するが、非常に自然に物語りに溶け込んでいる。そして、これらが描き出す火星の環境は生き生きとしていて、それだけでも楽しい。あらすじに限って言うのなら、本の裏のそれがかなり全般的(笑)にまとめてしまっているが、本編に秘められた内容の濃さは想像以上だ。あとは、もう少しけれん味がほしい(特に終盤、火星がタイトルどおりのことを起こすときに)かな、とも思うが、これは好き好きか。今でも僕にとってベアのベストは「ブラッド・ミュージック」だが、この「火星転移」はそれに次ぐ。万人向けという点では、間違いなく一番だろう。お勧め!

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