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フューチャーマチック
 
ウィリアム・ギブスン
『フューチャーマチック』
朝倉久志 訳
角川書店
ISBN4-04-791345-6
1500円

ウィリアム・ギブスン
の作品

『ニューロマンサー』
『カウント・ゼロ』
『モナリザ・オーヴァドライヴ』
『ヴァーチャル・ライト』
『あいどる』
『フューチャーマチック』


『フューチャーマチック』

 ネットワークの洪水の中で、データの特異点、歴史の大変革点である「結節点」を見る能力を持ったレイニー。彼はあるとき、ネットワークの中に、1911年以来の巨大結節点の発生を見る。歴史の大変革が、サンフランシスコを中心にして起きつつあるようなのだ。何か新しいものが生まれようとしている!いまや東京の地下でダンボール暮らしのレイニーは、知り合いの山崎を介して、友人のライデルに調査を依頼するが、ライデルは何者かに命を狙われ始め…。

 …などというダイナミックな話では全然なくて。

 『ヴァーチャル・ライト』『あいどる』で出てきた主な登場人物揃い踏みのこの『フューチャーマチック』。オビには確か「『ニューロマンサー』以来の最高傑作!」みたいな文句が書いてあったと思うけど、実際に読んでみたらば何のことはない、いつもの90年代ギブスンでした(笑)。すっかり、まったく。住んでる人々の息づかいや街の猥雑さが感じ取れそうな描写に与太話風の小粋な展開。おかげで、わたしゃ「なあんだ」と油断しまくって読んだ挙句、オチがさっぱりわからずに首を捻りまくり、巻末の巽孝之氏の解説を読んでやっと「なるほど、そういうことだったのか!」と腑に落ちる始末(笑)。だめじゃん。

 そんなわけなので、今までのギブスン好きな人ならきっといつものギブスン節で楽しめるだろうし、そうでない人はたぶんダメでしょう(笑)。ギブスン好きな人なら。

 なんでもいいけど、最後まで名前のわからなかった謎の殺し屋、だれもかれもが人間臭くどこか抜けてるギブスン世界で一人だけすげぇカッコいいんですが。でも正体不明。むむぅ。

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