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ジェイムズ・P・ホーガン の作品 『星を継ぐもの』 『ガニメデの優しい巨人』 『巨人たちの星』 『創世紀機械』 『未来の二つの顔』 『断絶への航海』 『未来からのホットライン』 『造物主の掟』 『プロテウス・オペレーション』 『終局のエニグマ』 『内なる宇宙』 『マルチプレックス・マン』 『時間泥棒』 『インフィニティ・リミテッド』 『量子宇宙干渉機』 『造物主の選択』 『仮想空間計画』 『ミクロ・パーク』 『揺籃の星』 |
『揺籃の星』 土星の各衛星に移住し、科学の理想郷を作り上げた、クロニア人と呼ばれる地球人たち。彼らは今、クロニア人科学者が構築した革新的な惑星理論を主張するために地球を訪れている。曰く、金星は大昔に木星から分離した惑星の一部だというのだ。地球人家学者には到底受け入れがたい主張だが、おりしも、木星からは彗星アテナが分離し地球へと向かっていた。その現実を見てもなお、クロニア人の主張を受け入れない地球人科学者たち。だが、地球の近傍をかすめるだけのはずだったアテナの軌道は、誰もが予想もしない方向へと変化していたのだ…。 あとがきでやたらと「元ネタはヴェリコフスキー理論っちゅうトンデモ疑似科学なんだから内容を盲信しちゃ駄目!」的なことが強調されていて、なんだか只事ではない雰囲気を漂わせる本作。ワタシはそもそも「ヴェリコフスキー理論って何?」というレベルでしたが、あとがき読んでぼんやり思い出しました。ああ、地球をフライバイした惑星からまき散らされた物が、マナになって荒野のイスラエル人の上に降ってきたとかいうハナシね。ヴェリコフスキーの名前は完全に忘れてたけど、このマナの話を聞いたときには、「小麦粉とイーストを水で練って軌道上から投げ落としたら、地面に着くころにはパンになってるんだろか」とか思ったのを覚えてますですよ。つうか、なんでそんないかがわしいネタを下敷きにしますかホーガン。最近ただですら微妙なのに、読む前から妙な色眼鏡が付いちゃうじゃないか…(涙)。 で、肝心の中身ですが、トンデモ云々を除けば、良くも悪くも最近のホーガンですね。最初の方こそ、主人公達の主張の論法とかが、昔読んだグラハム・ハンコック『神々の指紋』とかを強烈に想起させてくれて悲しくなってきましたが(ホーガン作品の登場人物の口から「世界中の神話には大昔の天変地異の記録が隠されているのデス!」みたいは台詞は聞きたくなかった…聞きたくなかったよう…)、その辺はしばらく読むうちに気にならなくなってきました。というか、話が進むにしたがって、ホーガンがだんだんアクションシーンに夢中になってきてるので、そっち方面のネタは総ほったらかし状態になっている…と言った方が正しいかも(笑)。下巻なんて、ほとんどカタストロフィ状況下でのサバイバルだけだもんなぁ。おかげで物語後半は、仮に「妖星ゴラスが地球に衝突しようとしているので脱出だ!」と読み替えてもほとんど差し支えの無い内容になってます。いやさしつかえろよ。 最近のホーガンの傾向として、「最初はおいしそうなネタをちらつかせるのに、後半は単なるエンターテイメント描写だけになっていて、冒頭のネタが事実上無駄に」てな展開が多いわけですが、今回もご多分に漏れなかったわけで。まあおかげで、途中からはトンデモに怯えることなく読めるようになるので、そういう意味では功罪相半ば、てな具合でしょうか。うーむ。ちなみに、娯楽作家としてのホーガンの力量は…言わぬが花か…。 前半『神々の指紋』で後半『地球最後の日』な作品。これでも3部作の第1部とのことなので、今後に期待…してるよホーガン。いやホント頼むからホントに。 |
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上巻を |
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