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量子宇宙干渉機
 
ジェイムズ・P・ホーガン
『量子宇宙干渉機』
内田昌之 訳
創元SF文庫・663-19
ISBN4-488-66319-2
920円

ジェイムズ・P・ホーガン
の作品

『星を継ぐもの』
『ガニメデの優しい巨人』
『巨人たちの星』
『創世紀機械』
『未来の二つの顔』
『断絶への航海』
『未来からのホットライン』
『造物主の掟』
『プロテウス・オペレーション』
『終局のエニグマ』
『内なる宇宙』
『マルチプレックス・マン』
『時間泥棒』
『インフィニティ・リミテッド』
『量子宇宙干渉機』
『造物主の選択』
『仮想空間計画』
『ミクロ・パーク』
『揺籃の星』


『量子宇宙干渉機』

 世界情勢の不安定化の末、再び世界的な全面戦争が起きようかという情勢にある21世紀、物理学者のヒュー・ブレナーは、量子力学に基づいて作動する量子コンピュータを作り上げた。だが、その成果に目をつけた国防総省によって、彼は半ば強制的に国防総省の極秘プロジェクトに組み込まれてしまう。国防総省は、多世界解釈の量子力学に基づく未来予測装置を作ろうとしていたのだ。政府の監督下で開発を強いられるヒューらだが、やがて装置の真価が明らかになるにつれて…。

 待って待って早幾年。遂にホーガンが帰ってきた!しかも、久しぶりの、かつてのホーガンを思い起こさせる話だぁ!ぐおお!
 などと、とりあえず吠えるだけ吠えておいて本題に入ると、今回の話は、ミもフタもない言い方をすると、「創世記機械」と「マルチプレックス・マン」を足したような話(笑)。が、この作品では、久しぶりに、かつての「ホーガンらしさ」が戻ってきてる。あの、一つの理論でゴリゴリゴリと話を構築していってしまうという力強いホーガンが。ああホーガンよ、俺はいつかそういう君が戻ってきてくれると信じてたぜ!一つのネタから、次から次へと話を展開させていくのは、やはりホーガンの真骨頂ですな。序盤の量子コンピュータを語る語り口も分かりやすいイメージで生き生きしてる。26章のテオじいさんは可愛いし。最近はホント政治力学な話が多かったからねぇ、ホーガン。って、今回も、政治な話とは無縁、とはとても言えないのだが(笑)。
 ただ、後半の展開には、実はちょっち複雑な気分になったのも事実。ホーガンにしては珍しく、少し後ろ向きっぽい気が…。それに、「マルチプレックス・マン」の解説で、福本直美氏がなかなかうまい言い方をしていたけど(全面的に賛同はせんが)、ホーガンって、登場人物の意識を、物の部品みたいに扱うから、時々怖くなることがあるのね。初めてヒューが「別天地」の事を口にしたとき、「おいおい、相手の立場はどうなるんじゃーッ!」って思わずツッコんでしまいましたよ、わたしゃ(笑)。
 しかし、近年のホーガンの作品としては、「ホーガンらしい」という点でとても評価できるし面白い作品。それに、とりあえずホーガン中毒者のわたくしとしては、久方ぶりにホーガン節に浸れて幸せな時を過ごしたのでした(笑)。ホーガン好きならオススメッ!
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