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岩本隆雄 の作品 『星虫』 『鵺姫真話』 『イーシャの舟』 『ミドリノツキ』 |
『イーシャの舟』 宮脇年輝は不幸な青年だった。人並み以上の体格と力を持ってはいても、貧乏、多額の借金、廃品回収所脇のあばら屋住まいと不幸尽くめ。だが、そんな境遇にもめげずに働く人間の大きい青年でもあった。そんな年輝はある晩、車を脱輪させた女性の頼みで産業廃棄物処理場の建設予定地に赴く。だが、そこで年輝が見たのは、山に伝わる伝説の「天邪鬼」!? 結果、年輝はその天邪鬼にとり憑かれてしまうハメに…。 という話ではございますが、ぶっちゃけこのお話は「ボーイ・ミーツ・ガール」の一言でまとめることができてしまいますですね(笑)。だがそこに惹かれる!あこがれるッ!いやべつにあこがれなくても。 いやほんと、本筋はとってもストレートな話なんだ、これ。不幸だが気のいい青年がいて、その元に不思議な妖怪(?)が転がり込んできて、奇妙な共同生活が始まって、青年の親友や横恋慕する美女や利発な小学生の女の子がからんできて、様々な障害も立ちはだかって離れ離れになったりもするけれど、最後はぜんぶめでたしめでたし。それだけなんだけど、少年少女のためのジュブナイル的な岩本隆雄テイストが存分に生きてるので、なんだかどのエピソードも甘酸っぱくて良いぞ。不幸だけど親切で人に尽くす心を忘れない年輝、素直でかわいい天邪鬼のイーシャ。殺伐とした話や情感こもりすぎのじめじめした作品とかが多い中、こういう作品を読むとかえってすっきりするような気分ナリ。 そんなわけでワタシはこの作品の純粋まっすぐな雰囲気や山あり谷ありで二人がゴールインというベタだが素敵な展開を誉めているのであって、間違ってもラストのイーシャが可愛すぎてメロメロになってしまったという理由だけで誉めてるんじゃないぞ。信じろ。信じろようっ。 あと、『星虫』、『鵺姫真話』と読んできた熱心な読者さん(ワタシもだ)は、過去2作をもう一度読み返してみると、ホントに色々再発見があって楽しいですよ。曖昧な描写だったあの人物は実はあの人だったのだなとか、この人はこんなになってたのかとか。岩本隆雄、隅から隅まで考え尽くした上でリメイクしたんだなぁ…。 |
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