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破滅の使徒
 
トマス・F・モンテルオーニ
『破滅の使徒』
本間 有 訳
扶桑社ミステリー0876
ISBN4-594-03263-X
876円

トマス・F・モンテルオーニ
の作品

『聖なる血』
『破滅の使徒』


『破滅の使徒』

 聖骸布の血痕から、キリストのクローンとして生まれたピーターは、その奇蹟の力を発揮し、ローマ教皇の座についていた。ピーターは自分の支配の座を確固たるものとすべく、ヴァチカンの秘密警察を使って対立者の排除に動き出す。が、ピーターを悩ます謎があった。カトリック史上最大の謎<七の秘密>とはなんなのか?一方、ピーターを阻止せんと動き出す勢力もまた…。

 前作『聖なる血』は、キリストをクローニングするという、誰かがやってそうだけど実は誰もやってなかったらしい灯台下暗しなネタが逆に新鮮な上に、最後はキリストになるはずのピーターがアンチキリストになってしまうというぶっ飛んだラストで、ワタシ的評価がかなり高かった一品。唯一の欠点といえば、まさにこれから始まるぞ、といういよいよな盛り上がり方を見せた瞬間に物語が終わってしまうというギャフンENDのみ(笑)。こりゃ続編出なきゃ嘘だろう、と思って長い間楽しみにしてたんだけど…。

 駄目じゃんこれ(笑)。

 冒頭、ピーターが婚約者のマリオンを衝動的な怒りで墜死させた後、こりゃイカンと復活の奇蹟で生き返らせるという展開を見たときは(いや、本当にそういう展開なんスよ)よっしゃ!と思ったさ。でもそこまで。いろいろ手を汚して成り上がったはずのピーターくん、なんかこの本じゃ未だに「俺は神か悪魔かどっちなんだろう」的にふらついてるし、だいたい、アンチキリストの威厳の欠片もない、ただの威張るだけの俗物になってるじゃないか(涙)。<七の秘密>も最後の最後でないがしろにされてるしなぁ。なんだか展開の行き当たりばったりさだけがやけに目に付きますですよ…。前作の恐怖の最大のキモだった「キリスト級の奇蹟能力者のタガが外れて次第に暴走を始める」という点も、もう、きれいさっぱり。あうー。

 単品としてみたらもしかして面白いのかもしれないが、『聖なる血』の続編としてみた場合、個人的には到底承服しかねる一品。あれだ、ほれ、MGS2と同じ。「出来は悪くないけど個人的にはなかったことにしたい」(笑)。

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