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ロバート・J・ソウヤー の作品 『ターミナル・エクスペリメント』 『さよならダイノサウルス』 『スタープレックス』 『フレームシフト』 『ゴールデン・フリース』 『フラッシュフォワード』 |
『スタープレックス』 宇宙探査船スタープレックス号の苦労性の艦長、キース・ランシングさんは、会議に出席するために、瞬間移動を可能とするショートカットを通過するが、なぜか見知らぬ宙域に飛び出してしまった挙げ句、謎の宇宙船にとっ捕まってしまう。彼はそこで、夫婦間の中年の危機に関するセラピーを受け、晴れ晴れとした気分で帰路につくのだった…。 うそです。 詳しいあらすじは本の後ろのそれを参照しましょう。今回のあらすじは、ハヤカワ文庫SFのあらすじにしてはよくまとまってます。って、じゃあ普段のハヤカワのあらすじの立場は一体…。 いやー、なんだかすごくありがちっぽい展開に見えたから、本の実物を見るまでは「ま、余裕があったら買おうかね…」などと思っちゃったりしていたのだけど、いざ表紙絵を見たらば、なんだ、この往年のナムコを彷彿とさせるようなスターラスターな表紙絵は(笑)。思わず購入即決してしまいましたよわたしゃ。表紙絵ってえらいんだねぇ。やはり加藤直之画伯には手書きで頑張ってもらいたいっす。タイトルロゴに騙されたという意見もなくはないが(笑)。 さて、肝心の中身ですが、これが極めてまっとうな宇宙冒険記だったりします。雰囲気は、スタートレックとか、ブリンの知性化シリーズとか、おのおの思い付くものを思い付いていただければ、多分それで当たりです。だって、すごく王道っぽくないか、これ。瞬間移動を可能とする謎のジャンプポイント、ショートカットを利用して未踏宙域を探索する大型宇宙船、スタープレックス号が遭遇する宇宙の驚異の数々!で内容の要約は終了してしまうという(笑)。さりとて、結構いいんだこれがまた。暗黒物質の正体とか、銀河創生の秘密とか、次から次へと、なかなか壮大なアイデアがぽこぽこ出てくるのが楽しいです。遭遇した局面に対処するブリッジのクルーのやり取りとか、そういう雰囲気は好きだし。 だから、個人的には、もっとそっち方面に的を絞って、キースの中年の危機だの「ウォルダフード族は豚だぁ」(笑)だので、わくわく感に水を差すのはもうちょっと控えめにしてほしかったな、とも思うわたくし。これを取り除いたら、ソウヤーを特徴づけているものの何分の一かはなくなってしまうような気がしないでもないが、それでも、なんだか…。ウォルダフード族のジャグなんか、ホーガンのガニメアン3部作のダンチェッカーみたいでいい感じなのだが…少々度が過ぎすぎだし、キースはキースでくよくよ悩みすぎ(笑)。それに、ガラスマン。こいつ、何のために出てきたんだろう…。うーん。ここらへんは個人の好き好きだから、気にならなければそれでいいんだけどね。 ともかく、大立ち回りあり、ハードSFな部分もありで、いままでのソウヤーの作品の中では、一番単純に面白かったかもしれないっす。この手の話が好きならば読んで損なし。うむ。 |
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