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ポセイドン・ランナウェイ
 
久保田弥代
『ポセイドン・ランナウェイ』
ソノラマ文庫918
ISBN4-257-76918-1
571円

久保田弥代
の作品

『アーバン・ヘラクレス』
『ポセイドン・ランナウェイ』


『ポセイドン・ランナウェイ』

 それはタイタン・リゾート社に届けられた手紙から始まった。文面はただ一言…「カメレオンは誰を狙っているのかな?」

 ≪TOKYO I.E.C.≫の治安協力士…九条隼人が選んだ、今度の獲物は大物だった。カメレオン・ザイオン。誰一人素顔を知らぬ謎の殺し屋だ。カメレオン・ザイオンの足取りを追って、オープンしたばかりの最新高級海底リゾート「ポセイドン海殿」へと、恋人の劉美花と共に(美花のコネで)やってきた九条。しかし、カメレオンの足跡は杳として掴めない。しかもそこに発生する異常事態。突如として海底の牢獄と化すポセイドン海殿。全てはある人間の陰謀だったのだ。逆境に追い込まれるほど燃える、ヘラクレスの活躍が再び始まった!

 待望の、爆炎は巻き起こるわ車は空飛ぶわ泣くわわめくわ呪われるわの度肝抜くノンストップ大活劇『アーバン・ヘラクレス』の続編。九条隼人カムバック。裏表紙のあらすじじゃ「これからが俺の本領発揮だ。ヘラクレスの血が燃える!」とまで書かれて、まるで『暴走特急』のセガール並みのノリノリっぷり(「テロか。俺の出番だな!」)。中身はあんまり反映してませんが雰囲気は伝わりまくってますですね(笑)。イラスト担当が、前回の新川洋司から若菜等なるヒトにバトンタッチしたと聞いたときには、大丈夫か?と思ったけれど、現物を見てみたらばきちんとイラストも雰囲気を踏襲しているようで一安心。前回の新川版九条隼人は年齢と比してやや老け気味でしたが、今回の若菜版九条隼人はまるでヒロミ・ゴーのようです。でも確かにこっちの方がマッチしてるかも。

 さて、前作が鼻血の出るほど燃えまくるアクション映画だとするなら、今回の作品は緊迫感あふれるパニック映画。まぁポセイドンでアドベンチャーだからな!まるで「九条隼人vs無茶シチュエーション・百番勝負」のようだった前作と比べてしまうとやや大人しめですが、今回ノンストップなのは九条隼人ではなく舞台の方なのでワタシ的には差し引きゼロ(笑)。九条隼人だけでなく、今回は懐かしの前作メンバー、ジョセフィン・狩野や峰岸警部補の視点でも物語が進むのもなかなかグゥ。
 でもまぁ読んでる最中は難しいこと考えずに、九条隼人のヘラクレスな活躍に胸躍らせてればいいわけで(笑)。相変わらず無茶すべきところでは無茶しまくってます。今回の九条隼人は危機に陥るごとに「こんなこともあろうかと」とか言いながら(言ってない)次々と秘密道具(笑)を取り出してピンチを切り抜けるので、それを見ているだけでも飽きないです。ラストはえらいことになったポセイドン海殿を、さらにえらい方法で切り抜けようとするし。そしてもはや高いところから落ちるのはお約束。でも恋人の危機には取り乱しまくる九条。っていうか取り乱しすぎ(笑)。
 あ、あと今回は、謎の殺し屋カメレオン・ザイオンがいい味出してますね。でこぼこコンビっぷりがたまりません。ラストのザイオンvs九条の銃突きつけあいもGOOD。九条の賞金稼ぎとしての意地があればこそ、このシーンも引き立つってもんですね。このシーンに限らず、ラストの九条は男前だなぁ。治安協力士IDをぴっと見せて「ヘラクレスさ」。かっちょええ〜。

 というわけで、ワタシの一押しシリーズとなりつつあるアーバン・ヘラクレスシリーズの2作目も、ばっちり楽しい作品でしたとさ。前作と比べるとやっぱり勢いに差が見えてしまうかもしれないけど、これは好みによるでしょう。こういう話が好きならオススメ!

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