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アーバン・ヘラクレス
 
久保田弥代
『アーバン・ヘラクレス』
ソノラマ文庫905
ISBN4-257-76905-X
533円

久保田弥代
の作品

『アーバン・ヘラクレス』
『ポセイドン・ランナウェイ』


『アーバン・ヘラクレス』

 21世紀の初頭の国際経済都市計画の産物として生まれた、新たな世界経済の中心地、東京湾内国際特別自治人口島区、通称≪TOKYO I.E.C.≫。その街で情報屋を営む九条隼人は、警察公認の治安協力士…賞金稼ぎでもある。そんな九条を突如として見舞った災厄。かつて九条が警察に引き渡したテロリスト、キルバート・笠井が、彼への復讐のために、I.E.C.の各所での無差別爆弾テロを予告してきたのだ。奔走する九条。諦めることは俺の血が許さない。降りかかった火の粉は払うだけじゃない、俺が火の元をぶちのめす…!

 ぶふぅ、コレ、もろツボ!
 手垢のついた舞台設定だ、とか、ストーリー設定が『スピード』と『ダイハード3』を足して2で割ったようなもんじゃん、とかいうところはこの際横に置いておこう。映画的。映画的である。映画的な作品である。「映画的な作品」っちゅうフレーズにはもう随分と手垢がついてしまったけれど、その映画的の内容が、ハリウッド資本がげしげしと投入されたような内容と、香港テイストがげしげしと投入されたような展開のドッキングだとしたらどうだ。しかもそれが映像ではなく、文字の上で完全に再現されてしまっているとしたらどうだ。この『アーバン・ヘラクレス』がまさにそれ。ああっ、ハリウッドアクション大好きな偏差値の低い映画ファンの血が騒ぐッ(笑)!
 白黒モノクロームの落ち着いたハードボイルド調の表紙から、中身もそんなもんだろうと思っていたらとんでもない、テンションの高さは『ダイハード』以上、息もつがせぬ展開の早さは『スピード』以上、主人公の根性はジョン・マクレーン刑事以上、アクションの無茶さはレニー・ハーリン監督作品以上というぶっとんだ快作だったのだった。いやはや、エンターテイメントだよ、こりゃあ。文字で読む映画。それも興行収入全米1位の(笑)。しかも近未来だから、暗視機能付きサングラスとか、携帯情報機器のウェアラブル・ネットワークとか、妙にリアルなAI執事のギャルソンとか、ヤバいヤク(笑)とか、ワタシの好きな類のガジェットも完備。しかもハードボイルド調の主人公が爆弾予告に西へ東へと連れ回され、そのたびにハードボイルド調の悪態をつきながらとんでもない目にあう姿には(主人公には悪いけど)笑いをこらえられません。転落最高。ターボブースト最高。そして展開はまさにハリウッドなアクション映画。痺れますですね。なお付け加えるならば、よくぞイラストに新川洋司(メタルギア・ソリッドのヒト)を引っ張り出してきた朝日ソノラマ!ハマりすぎ。ドラゴンロアーのイラストのせいでオビが捨てられそうにありません(笑)。
 つまりはこんな内容なので、普通の本好きさんには薦めていいものかどうか迷いますが、「ハリウッドの映画?あんなの金かかってるだけじゃん」とか言いながらも、週末になると、ついふらふらと「全米興行収入1位!」とか銘打たれた話題作ばかり見てしまうようなアナタには絶対のオススメ。っていうか、読みなさい(笑)!

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