「ステルス」
「アイランド」
「宇宙戦争」
「バットマン・ビギンズ」
「フォーガットン」
「コンスタンティン」
「ナショナル・トレジャー」
「黒の怨」
「カンフーハッスル」
:「ステルス」
 ステルスがとぶー、ステルスがたたかうー。ステルスー、ステルスー、かへんよくー。いや、可変翼はステルスとは関係ないだろうっていうかむしろステルスの邪魔になるだろ…。

 というわけで、超・待望!(ワタシ内で)の戦闘機映画『ステルス』の先行上映を見てきたですよ。かつては『トップガン』等で確実に1ジャンルを築いていた戦闘機映画も、冷戦の終わりとともに敵がいなくなってしまってぷう。最近じゃ『エネミーライン』の、AC04のQAAM並みにしつこいSAMから逃げ回るスーパーホーネットとかありましたが、ドッグファイトとかもうさすがに過去の遺物。さらに架空戦闘機映画まで行くと、未だにロシア語で考える戦闘機が幅を利かせている有様。もう駄目だ!戦闘機映画に未来はない!
 …と思ってたところに『ステルス』ですよ。ほとんど『トップガン』以来のハリウッド超一線級戦闘機映画ですよ!しかも架空機万歳映画ですよ!主人公たちの乗るのがF/A-37タロン!畜生、俺の心の架空機の一角を成すF/A-37ストレガと同じナンバーつけやがって(笑)!しかもA.I.無人戦闘機まで!これはどこのマクロスプラスですか。とにもかくにもこれだけ揃ったベタな道具立てがワタシの心を掴まないわけがなく、一日千秋の思いで待ち続けて今日やっと観てきた次第。明日はどっちだ。

 で、結論ですが、やっぱりというか超想定の範囲内というか、

 戦闘機シーンだけでいいやコレ。

 流石は『バトルランナー』『ドラゴンハート』『トリプルX』等々、観終わった後で微妙な気分になるポップコーン映画を撮らせたら右に出るものはいない監督、ロブ・コーエン。映像は最高ですよ。オトコノコの夢の具現化ですよ。つうか映像だけなら実写版AC04ですよ!微妙に対地攻撃が多いからな!なのになのにああなのに、ロブ・コーエンってばもう。人間ドラマパートはもう仕方がないので流す!まあCG予算が1分間に8000万円という阿呆なカネをかけてるらしいので、そりゃ全編ドッグファイトなんてした日には年間国防予算級ですよ。だからよくないけど(笑)まあいい。でも、なんか戦闘機が出てくるたびに任務のテンションが下がってくよ…。今になってトレイラーを見ると、その絶妙極まりない編集技術に涙が出てきますですね。このトレイラーのラストで出てくる、繁華街の中を飛びぬけるタロンなんて、ベタベタながらいかにクライマックス!てな雰囲気なのに、実はコレ、映画の中でも前半部分のシーンなのよね…。ミッション的にもここが一番の燃えどころで、後はだんだんロブ・コーエンお得意の微妙な空気が…。3機いるタロンの末路はもう涙なくしては見られません。タロン3はパイロットの面白黒人(アカデミー俳優のジェイミー・フォックスだよ…)もろとも、ろくな見せ場もないうちからZガンダムのカツな末路を辿り、タロン2はろくな見せ場もないうちから0083のバニング大尉な末路を辿るのであった。上映時間残ってるのにタロン1が墜落すれすれの不時着した時点でワタシのテンションも不時着状態。ああ…もう飛ばないのねタロン1…。でもまだ時間残ってるよ!どうすんの!と思ったら、残りの時間はエネミーラインでお茶を濁されたのであった。ガッデム!ボ、ボクの戦闘機映画はドコ?もうワタシは、今後ハリウッド映画で二度と映像化されることはないと思われるSu-37と、タロンのドッグファイトシーンだけを胸に抱いて生きていきます…。くすん。

 というわけで、ストーリーはかなりしょんぼりですが、映像面ではかなり本気で頑張ってるので、ビジュアル面だけに割り切って観たらかなり面白い映画ではありますです。エースコンバットシリーズで散々調教されたわたくしときたら、とにかくタロンが頑張ってるシーンだけでハァハァできるので結局結構楽しんだかもだ。それにしても、映画の最後の悪者は北朝鮮だけど、今回に限って言えば、北朝鮮何にも悪くないよな…。つうか、むしろアメリカがテロってるよな…(笑)。

 あ、そうそう、もしかしたら上映前に「この映画はスタッフロール後にも続きがありますので最後まで観てね(はぁと)」的なテロップが流れるかもしれませんが、実際のところ、件のスタッフロール後の続きは心底しょうもないので別に観なくてもいいです(笑)。

:「アイランド」
 なーつなつなつなつここなっつ、あーいあいあいあいあいらんど〜♪……いや、その歌もうわしの世代でも古いから…。

 というわけで今回のお題は、キング・オブ・シワなし超大作監督(命名:俺様)ことマイケル・ベイの最新SF映画『アイランド』にゴザイマス。マイケル・ベイといえば、もうとりあえずどっかんどっかん派手に爆発してドンパチングしてればエニシンオッケー、という歴史にはビタイチ残らないアクション超大作を撮らせれば天下一品のステキ監督。でも同時に彼はかのワタシ内超傑作『ザ・ロック』の監督でもあるわけで誰か上手く使ってやれよベイ。『ザ・ロック』はワタシ内部でもう脳内上映会が開けるくらい何度も見てるんだ…。エド・ハリス扮するハメル准将が憂国の敵将でステキ過ぎなんだ…ハメル准将は人格者なんだよシンクレア君!『リーグ・オブ・レジェンド』ではもう老体にムチ打って、てな具合のヨボヨボっぷりに涙したショーン・コネリーも、この映画ではカッコ良過ぎにも程があるじじいスネークなんだ…。ニコラス・ケイジもハマり役過ぎなんだ…。若山弦蔵と大塚明夫の吹き替えも絶品なんだ…。この映画のマイケル・ベイはいいマイケル・ベイだ!でもこの映画が面白いのは、マイケル・ベイはもちろん、緩急のついた展開にしっかりドラマも絡めてる脚本の力もあると思うんだ…。
 毎回恒例の話題のランドスライドが発生したのでそろそろ元に戻すと、そんなマイケル・ベイも、普通に代表作と言われれば『アルマゲドン』『パール・ハーバー』になるわけで、今回の映画はどうかと言われれば、これがまた見事なシワなし超大作。「臓器培養のために、専用の施設で事実を隠して育てられたクローン人間たちが、真実を知って脱走する」とストーリーを要約してみると、もうストーリーの8割は語ってしまいましたごめんなさい、と言わざるを得ないわけで、昔懐かしのディストピアSF映画の香りがする序盤を抜けると、あとはベイテイスト満載・ぼかんぼかんと周辺地域を必要以上に損壊させながらの派手な逃避行で見事にシワなし超大作成立。これでアクションがつまんなかったら目も当てられないが、困ったことにマイケル・ベイ、そこら辺は手馴れたもので、見てる間は十分観客を楽しませることを心得たベイテイスト。つまりはいつものハリウッド超大作ですよ。からっと楽しみたいヒト向きかもだ。

 …ところで、この映画のクローンたちは、管理上「余計な手間を増やさないため」性知識も教えられてないらしいんだけど、クローン人間たちの中にはちゃんと妊婦もいるんだよなぁ(実際は代理母。子供を取り上げた後でポイ)。性知識もないクローン人間たちに、どうやって妊婦の存在を納得させたんだマイケル・ベイ。あれか?コウノトリか?コウノトリなのか!?

:「宇宙戦争」
 やあ、ダコタ・ファニングはかわいいなあ。

 …いや、前々からダコたん(ダコたん言うな)の噂はかねがね聞いてたんだけど、実際見てみると、子役なのにトム・クルーズとかと普通にタメ張る演技力と存在感。なるほど最近出ずっぱりなのも頷けるわい。つうかキュートだ…ぽわわ〜。思わず映画観終わった後で、それまで全然買う気なかった『マイ・ボディガード』のDVD買っちまった&観ちまっただよ。やあ、ダコタ・ファニングはかわいいなあ。そりゃデンゼル・ワシントンもダコたん萌えになるっちゅうねん。てか、面白いな『マイ・ボディガード』!前半の交流ドラマと、後半デンゼルの復讐劇がいいアクセント。でもなんか結末は聞いてたのと違うな…。あれ、元のA・J・クィネルの『燃える男』でもこんな話だったんですか?ワタシの聞くところでは、ダコたんは物語の中盤で監禁陵辱虐殺の憂き目に会うはずだったのに…。外道かわし。

 まあいつものように話が横滑りしたので元に戻しますが…で、えーと、何の話だっけ。あ、『宇宙戦争』ですね。

 トライポッド萌え映画。

 さすがは火星人テクノロジー!昔から日本ではポピュラーだった、巨大生物orメカが街を蹂躙する、というビジュアルを、大人気ないハリウッド資本がマジでやったらどうなるか、というよい見本でございますですね。トライポッドがぎゅいーんと起動音を響かせながら立ち上がったところでワタシ脳内の小人さんたちが全員揃ってスタンディングオベーション。メカー!メカー!ビバー!ビバー!そして無意味に人類虐殺しまくりのトライポッド。助けてEDF!
 …まあそんな具合に、トライポッドが出てくるたびにイヤッフーなわたくしでしたが、逆に言ったら、

 それ以外に大して見所が無い

…とも言う(笑)。観終わって席を立った瞬間から、映画内容の記憶がぽろぽろこぼれ落ちていく音が聞こえそうなくらい、何故だか内容が印象に残らなかったぞわし。何故だ。ビジュアル派手だし、流行りの極限状態描写もありーのだけど、ある意味恐ろしいほど起伏に乏しい展開だからなぁ。シーンシーンが妙にあっさり流されていくスピルバーグ風味。特に「あーもう極限状態とかの描写でやりたいことやったから、後はとりあえず原作どおりにオチつけとくべ」というスピルバーグの心の声を聞き取りたくなるくらいのジャベリン・スロー(投げやり)な終わり際は必見だ。つうかこの映画、クライマックス的な盛り上がりが皆無…というか、無だよな。それは映画偏差値30のボクにはキツいよスピルバーグ。終盤の「ランチャー持って来いランチャー!」と叫んでる海兵隊員たちにかこつけて、必死にテンションを高めようとしてる自分に気づいて悲しかったです(笑)。まあ、原作も確かにそんな内容だったような気もするけどさ…映画なんだからさ…何かあるだろスピルバーグ…うっうっうっ。

 …なんというか…よくできた映画なんだけど…期待してたのとはちょっと違ってたよ…うっうっうっ…と涙にくれつつ特にオチもなくおわるのであった。ちーん。

:「バットマン・ビギンズ」
 というわけで今回のお題は、なんだかんだ言って結構ハリウッドに人気だよなこのシリーズ、の最新作『バットマン・ビギンズ』にゴザイマス。とりあえずワタシは、バットマン誕生までのブルース・ウェインを描くというコンセプトと、主演がクリスチャン・”クラリック”ベールだったので鑑賞決定。そこかい。
 しかしよく考えてみると、ワタシバットマン映画を劇場に見に行くのはこれが初めてなんだよなぁ。ティム・バートン監督作品のダークなんだか単なるアホなんだかよくわかんないテイストの1作目と2作目も、ダークさすら抜けて単なるアホになったジョエル・シュマッカー監督作品の3、4作目も全部TVで見てたな、そういえば。まあアホの子の3、4作目もあれはあれで好きですが。しかるに今回のバットマン映画、なんか冬山で修行とかしてるし、なんかちょっとテイスト違うぞ。吉と出るか凶と出るかはまだわかんない。というわけで百聞は一見にしかず、さっそく鑑賞!

 …何この真面目に面白いバットマン。

 ぶふっ!バットマンが、バットマン映画が、バカ方面でなくて、真面目な意味で面白い映画になってる(笑)!つうか戯画的な要素を必要最小限にとどめ、主人公がらみのドラマ部分を丁寧に描くだけでこんなに普通に観られる映画になるのかバットマン。映画の冒頭、井戸に落ちたブルース・ウェイン少年を助け出したウェイン父の、息子を励ますための軽口「何のために落ちるのかって?這い上がるためさ」にワタシもういきなりメロメロです。カ、カッコイイ!億万長者のくせしてなんですかその甘いも辛いも噛み分けたような人生の含蓄に溢れまくった台詞は!絶対この台詞映画の後半で効果的に使われるよ!とか思ってたらやっぱりその通りで泣きそうになるわたくし。ブルース・ウェインとアルフレッドの主従愛でも泣きそうになるわたくし。
 ともかく、若くして両親を強盗で亡くし、やさぐれて諸国を放浪してきたブルース・ウェインがバットマンに至るまでのドラマをきちんと描いているのが、その時点で既に他のバットマン映画と一線を画している本作。かなり企画の勝利だけど、それをちゃんと描き切ってるホンと役者も見逃せないですね。監督クリストファー・ノーランGJ。クリスチャン・ベールはまりすぎ。さすが『リベリオン』ですら全力投球の演技派は格が違う。何気に…いや全然何気どころではなくモーガン・フリーマンとか出てるし、ハリウッド一線級の映画でルドガー・ハウアーなんて見るの何年ぶりだ。そしてゲイリー・オールドマンがコードン巡査長(後のゴードン署長)。ゲイリー・オールドマンが善人警官。一体これは何の冗談だ。

 まあ他にも色々ありますが、つまるところワタシが言いたいのは以下の1点でありまして。

 バットモービル最高!

 何このステキすぎる装甲車!バットモービルっつったら、バットな形をしたスポーツカー的なのだったじゃん!だのに本作のバットモービルときたら、すがすがしいくらい今までのデザインにリスペクトがない。何というか、前作まではメタルギアレイだったのに今作ではシャゴホッド、みたいな。ちなみに暴れっぷりもシャゴホッド的で、ターボ・ブーストで宙を舞うわミサイル撃つわ体当たりで壁はぶち抜くわでワタシの琴線を雷電激震。最高だウェイン・エンタープライズの応用科学部!

 ともかく、個人的には今までのバットマン映画とはダンチのお気に入り。今までのやつが苦手でも観に行く価値はあると思いますですよ。

:「フォーガットン」
 というわけで今回のお題は、サスペンススリラー風なのに終いにゃお空にバイバイキーン、の待望の微妙スリラー『フォーガットン』にゴザイマス。いやー最初にAppleのサイトのトレイラー見てからずいぶん待ったなぁ。掲示板の記録を漁ったら、最初に『フォーガットン』に言及してるの去年の8月だよ。当時のトレイラーから読み取った情報に曰く、「ある日、息子がえいえんのせかいに旅立ってしまったので母親は必死になって息子を探すが、今度は自分がえいえんのせかいに旅立ちそうになってしまい、終いにゃ目の前で轟音と共に他人様がえいえんのせかいにフライハイ!さあどうする!?」という映画だと解釈していたのですが、実際の映画もまあだいたいそんな感じ。で、問題はあのアイキャンフラーイなシーンが本編の中でどう生かされてるか、なのだが…。そりゃあもう期待したさ。思わず久々に朝一の回の上映に行ってしまったさ。
 で、結果。

 この映画、予告が全て(涙)。

 うわっ、捻りがねぇ!超捻りがねぇ!つうかホントにあれでほとんど全部かよ(涙)!? とりあえず、上のリンクからトレイラームービーを見て、後は感想としてそこに魔法のキーワード「国家安全保障局」「Xファイル」を足しておけば、ワタシからはもう何も言うことはございません。いやー、ここまでストレートだといっそすがすがしいくらいだ。でも主演のジュリアン・ムーアは全力投球なので、頭カラッポにして母と子の絆モノとして観れば、口あんぐりな普通のアナタも普通に楽しめること請け合い。いやごめんなさい請け合うのは勘弁してください。ホント期待通りだ。期待通りのビミョー作品だ(笑)。これで『White Noise』とかも先が見えてきたな…たぶんE.V.P.とは全然カンケーないあばれんぼう幽霊の映画なんだぜウワァァァン!

 いやまあ、これはこれで結構面白くはあったんですけどね(笑)。

:「コンスタンティン」
 というわけで、週末にTOHOシネマズ高槻で、キアヌ・リーブス最新作『コンスタンティン』を観てまいりました。どうでもいいハナシですが、AM10:00の回を狙って行ったら、チケット売り場のおねいさんが、その時間はプレミアスクリーンの上映で2400円であるとかのたまう。うそーんいつもより600円も高いじゃーん、とか思いつつも、なんでも一度は試してみる主義のワタシはあえてプレミアスクリーン価格を払ったのであった。で、どんな王侯貴族なサービスがなされるのかと思ったら…ポップコーンSサイズがサービスでつくのと、シートがリクライニングシートになってるだけ。ハ、ハメられた…正直、マクドナルドで初めてマックグランを喰ったとき以来のがっかり感だ…。畜生、高けぇポップコーンだな…ぼりぼりぼり。

 で、肝心の『コンスタンティン』ですが、この映画は主役のジョン・コンスタンティンのキャラクターが出色ですね。生まれつき天国や地獄の使者=ハーフブリードを見分けることができる能力を持ち、ために絶望して自殺したものの、2分間で蘇生してしまい、しかも自殺は大罪、のカトリックの教義のおかげで天国行きの扉が閉ざされてしまった我らがコンスタンちん。というわけで、コンスタンティンが悪魔祓いをする動機は、別に奉仕精神でもなんでもなく、単に自分が地獄行きを免れるため(「自分がムショにぶち込んだ連中と一緒の刑務所に行きたいか?」)。悪魔祓いするたびに、天国の使者のところに行って「俺がんばってるよー、だから天国連れてけよー」とせがみまくる。なまなかな善人よりよっぽど好感が持てる(笑)。
 おまけにタバコ吸う。とにかく吸う。めちゃくちゃ吸う。シーンが切り替わるごとに、とりあえずタバコの封切って吸う。末期の肺がんだと宣告された次の瞬間に、その医者の目の前でタバコ吸う。棺桶に片足突っ込んでるような末期の状態でもとりあえずタバコ吸う。映画の中でこんな端的にヘビースモーカーな奴初めて見た(笑)。不健康極まりないっつうか映画開始時で既に末期がん患者なので本当に不健康なのだが、そこはキアヌなので見た目色男。神様は不公平だ(笑)。でも生粋のホモだがなキアヌ。
 ところがそんなコンスタンちんも、実はエクソシストとしては結構優秀。ハーフブリードではなく、下級悪魔そのものが襲ってきても、何気にラテン語刻んだライターの火であわてず騒がず怨霊退散。ヒロインの死んだ妹が地獄にいるかを確かめるために、「くそっ、しょうがねえな」とか言いながら(言ってない)さっくりと地獄とチャネリングしたりする。挙句の果てに、地獄のハーフブリードに追い詰められても、冗談みたいな聖遺物で逆にボコボコに殴り倒す(爆笑!)。信仰心はかけらもないのに臨終の秘蹟で悪魔退散もできます。やるじゃん末期がん患者(笑)!

 実際のところこの映画、天国と地獄の覇権がどうこうとか考えるよりも、ジョン・サイレンス博士とかカーナッキとかの古く懐かしいゴーストハンターの映画として観るほうがずっと楽しめます。途中の味方のやられっぷりとかオーメンっぽいし。監督フランシス・ローレンス、MPV出身なのに、本人も言ってるけど本当に程よく抑えめのビジュアルで、勢いだけの映画にはなってないし。予告だと派手目の映像が目立つけど、実際結構(いい意味でだけど)地味な映画なんよ。だがそこがいい(笑)。『エンド・オブ・デイズ』みたいに、オカルト路線狙ってるのに、最後よくわからない怪獣風がどばーんとか出てきても萎えるんですが、この映画は地味なりにそのあたりのバランスが実によろしい。よきかなよきかな。

 ワタシは結構気に入ってしまったですよコレ。このセンスだと、監督の今後の作品も期待が持てそうだし。うむうむ。ところでこの映画、スタッフロール後にもちょっとだけ続きがありますです。別に見ても見なくてもどっちでもいいようなモンですが(笑)。

:「ナショナル・トレジャー」
 アカデミー賞も終り、『アビエイター』だの何だのと賞レースを競った作品もそろそろ本格的に日本に紹介されようかという昨今、そんなものにちっともさっぱり興味のないわたくしは、ニコラス・ケイジ主演のアクション・アドベンチャー『ナショナル・トレジャー』を観に行っていたのであった。だいたい、アカデミー賞は視覚効果賞しか興味ないし。

 というわけで、アメリカ独立宣言書に隠されたお宝の謎を追ってニコラス・ケイジががんばる本作、ポスターは燦然と後光をまとい、なんかいかにもアドベンチャーなナリで屹立するニコラス・ケイジと、足元は秘境然とした道具立てと、ポスト『インディー・ジョーンズ』狙ってます!と言わんばかり。が、ワタシは映画の開始時にどでーんと映し出されたディズニー配給マークを見た瞬間に全てを諦めたのであった(笑)。しまった…これディズニー配給だったのか…。ジェリー・ブラッカイマーがプロデュースしようが何しようが、ディズニー配給ということは、暴力的なシーンは最小限、銃を撃つのも最小限で、撃っても絶対血の出るシーンなんかないし、だいたい人が死ぬかどうかすらも怪しいくらいのステキにアクの抜けたファミリームービーであることは必定。よごれつちまった大人であるところのワタシにこのお行儀の良さはキツいんだよ…ううう…。
 で、映画本編ときたら、まさにテンポのいい展開でぽんぽんと楽しませつつ、暴力的なシーンはさりげなく最小限、というキミやボクにも安心のアクション大作でありましたとさ。いや、面白かったんだけど、なんか中盤以降の展開は「ニコラス・ケイジと行くアメリカの歴史的名所・旧跡巡り」みたいな感じなので、インディー・ジョーンズみたいな危機また危機のアップテンションを期待するとアテが外れます(笑)。スケールが壮大なんだかせせこましいんだか判断に困るな…。ただ、音楽のトレヴァー・ラビンだけが、ミョーにワタシのツボに入るスコアを鳴らしていてグッジョブでありました。

 ところで、パンフでローリング内沢が、なんかゲームを題材にとって的を得てるのか外れてるのか微妙な文章を寄せてましたが、これ新庄が「全編鳥肌立ちっぱなし!ゲームに例えるなら、まるで『ドラゴン・クエスト』のようだ!」とか発言したせいらしいですね。ドラクエで鳥肌が立つのか。変わってるな新庄…。

:「黒の怨」
 というわけで今回のお題は、劇場公開はとうの昔に終わってるけど、DVD買って再鑑賞したら、またトゥースフェアリーが愛しくて仕方がなくなってしまい、もうなんつうかこのキモチを誰かに伝えたいので、「来るよ、来るよ。光が消えると「あれ」が来る」なホラー映画『黒の怨(うらみ)』です。つうかこの作品、邦題のせいで絶対損してるよなぁ。「くろの、うらみ」ですよ奥さん。どう考えても『呪怨』的精神系オカルトホラーとしか思えないでございますですよ普通。だがちょっとよく考えよう。お肉の国のアメリカーンがそんなわびさびを解した映画作りをすると思うデスカ?否、断じて否!つうかこの映画、ホラー映画ではない。モンスター映画だ。パッケージまで顔が浮かび上がってて無駄に怖いこの作品、実際には、黒いグロ女がヒャラーッと宙を飛び回って人間を襲いまくる一方、いい年こいた大人が雁首並べて「光から出たら死ぬぞーッ!」とか叫びながら明かりの下でガクブルしてるという狂おしいまでにアッパーな映画なのだ。そのアッパーなテンポは何かにつけて徹底しており、上映時間はたったの86分ぽっきり、しかもそのうち11分は、カイル・クーパー&イマジナリー・フォースの手になるエンドロールだ。正味1時間ちょっとで、物語が始まってトゥースフェアリーがヒャラーッと暴れまわって何だかんだで決着がつくのだから、この展開の早さはただごとではない。さて一体どういうことやら…。

 港町ダークネス・フォールズには、150年前に非業の死を遂げた女性マチルダの怨霊が、「歯の妖精(トゥースフェアリー)」として、闇にまぎれて最後の乳歯が抜けた子供の下を訪れ、その姿を見たものは誰であろうと殺される、という伝説があった。そんな町に住む少年カイル・ウォルシュは、隣人の少女ケイトリンとダンスパーティの約束をした夜、不幸にもトゥースフェアリーを目撃。光に弱いトゥースフェアリーに対して、彼自身は明るいバスルームに逃げて難を逃れたものの、代わりに母親が殺されてしまう。元々問題児と見られていたカイルは、さらに母親殺しの汚名を着せられ、施設に送られてしまうのだった…。
 それから12年、未だ昔の悪夢から逃れられず、夜のない街・ラスベガスで働いていたカイルの元に一本の電話が入る。電話の相手は何とケイトリン。坂本真綾声の美人へと成長していたケイトリンには、両親が年甲斐もなく励んだとしか思えないくらい歳の離れた弟・マイケルがいるのだが、そのマイケルが、入院が必要なほど闇を極端に怖がるため、かつて同様の症状で苦しんでいたカイルに助言を求めてきたのだ。マイケルが闇を怖がる真の理由にすぐ思い至ったカイルは、マイケルに会うべく再びダークネス・フォールズへと戻るが、超粘着気質のトゥースフェアリーもまた、彼が町に戻るのを待ち受けていたのだった…。

 とりあえず、ワタシ「ダークネス・フォールズ」なんて名前の町イヤだ。日本語で言ったら「闇降町」とかそんな感じ?町の名前だけでもグレる理由には十分デスよ。しかも最後の乳歯が抜けるたびにトゥースフェアリーが現れるからには、この町で無事に成長するのは相当にヘヴィな仕事に違いない。この町の少年少女に幸あれ。

 それはともかく、あとはもう、トゥースフェアリーの手になる殺人の犯人として疑われるカイルとか、びっくりどっきり危機一髪のマイケルとか、カイルとケイトリンのちょっといい雰囲気とかの数々のお約束を炸裂させつつ、後半はひたすらトゥースフェアリーが襲う!襲う!襲う!カイル達がひたすら逃げる!逃げる!逃げる!のジェットコースター展開。上映時間はアレだが、意外にも尺の物足りなさを感じさせない密度の濃い展開。やはり、ルールがきっちり定まっていると鬼ごっこもがぜん楽しくなるですね。ルールは極めてシンプル、「トゥースフェアリーは光に弱い。光の中にいれば襲われない。影に入れば殺される」。闇から闇へと神出鬼没のトゥースフェアリーに対して、懐中電灯だの発炎筒だので、必死に光を作って対抗する登場人物たちのがんばりは見所のひとつ。

 だがやっぱり、この映画の最大の主役はトゥースフェアリー。冒頭、煌々と明かりのついたバスルームへと逃れたカイルを、すぐ外の暗い廊下の天井に張り付いて、恨めしげに唸りまくるその姿を見たときに、ワタシはキミにゾッコンLOVE!醜く焼け爛れた顔を陶磁器のマスクで隠し、黒い死衣をなびかせて宙を飛び交い、人々を闇へと引きずり込んで殺すトゥースフェアリーの姿は最高にラブリー。声も思いっきりエコーがかかった状態で「んうひゃーっ!」とか「ふぉうおおおぉぉぉ…」とか「んびゅらぅおおぅうおびぅひゃおーー!」とかばっかりでステキすぎです。しかも闇の中では超強い。警察署に出現したトゥースフェアリーが、1分経たずに警察官全員を瞬殺したときには、ワタシの中の小人さんたちが全員スタンディングオベーション。つ、強え。でも懐中電灯向けられると即逃げるトゥースフェアリー。ラブリーだ…。
 そんなトゥースフェアリーの造形を手がけたのは、名匠スタン・ウィンストン。グッジョブ!でも仕事は選ぼうよ!

 というわけで『黒の怨』でした。何でカイルとかマイケルとかの特定の子供しか教われないんだ、とか、なんでケイトリンは最後無意味にタンクトップになってるんだ、とか細かいことをすぽーんと割り切ると大変ステキに楽しい娯楽作です。そしてもちろん、ワタシが『ジーパーズ・クリーパーズ』は後半がスキ、とか、『ヒューマン・キャッチャー』は紛うかたなき傑作だと思ってる、かなりのいやーんな嗜好の持ち主であることも忘れてはならない(笑)。いやーん。

:「カンフーハッスル」
 今年は故あって正月の親戚回りがなかったので、正月1日からいきなり映画なぞ観に行ってしまいましたですよ。『カンフーハッスル』なんぞが正月1日から公開してるから悪いんです。ええそうですとも。……「一年の計は元旦にあり」と言いますが、すると今年のワタシものんべんだらりと映画観たりして人生を費やしたりしていくのか(涙)?うううううー。

 それはともかく、お題は『少林サッカー』で一躍人気者のチャウ・シンチー監督・主演の新作『カンフーハッスル』。でもチャウ・シンチーほとんど出番ありません(笑)!「ありえねー!!」とかいうウリ文句で、少林サッカー風のコメディ作品っぽい広告効果が狙われたりしてるけど、実のところそういう作品とはちょっと違うよなぁコレ。もちろん、笑えるシーンもたくさんあるけど、基本的には、「普通のカンフー映画のバトル部分に、極限まで特殊効果バイアスをかけたらこうなった」っちゅうオハナシですね。だから、アクションシーンが普通だったらワイヤーアクションとかで済むところを、リローテッドのスミス百人組手とか、ザ・ハウラーよろしく声で衝撃波がばふーんとか、如来神掌がぼふーんとかいうはっちゃけた状態になってる一方で、ストーリー自体は実は結構オーソドックスだったり。正直、『少林サッカー』を期待して観に行くとやや当てが外れます。コツはそのあたりの事情をちゃんと踏まえておくことと、チャウ・シンチーの活躍には期待しないことデス(笑)。奴、終盤までチンピラ状態なのに、最後の最後に壮絶な主人公補正で局所的に大活躍だからなぁ。一方、チャウ・シンチーお得意の珍妙なおっさんおばさん大活躍は健在なのでそれは期待してよし。家主夫婦がステキ。揃いも揃って外見のうだつが上がらないにも程がある3達人もイカス。そして主人公は活躍しません!
 …とりあえず、コメディ入った普通のカンフー映画を観に行くつもりでいるのが一番いいかもだ。バカ映画だけど根っこはバカでなし。その辺りは好みですねん。ぴろりん。




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