「サイレントヒル」
「ウルトラヴァイオレット」
「トランスポーター2」
「ブギーマン」
「サウンド・オブ・サンダー」
:「サイレントヒル」
 いや、最近はゲームの映画化作品も多くなってきましたですね。というわけで今回のお題は、コナミの秀作ホラーゲームの映画化『サイレントヒル』でゴザイマス。でもごめんなさい、ワタシ実はサイレントヒルシリーズやったことないんです…。つまり今回はワタシにしては極めて珍しいことに、「ゲーム未経験のゲーム原作映画を観に行く」というあらあらうふふな状況なのであった。いやだってあれですよ、一昔前だったらゲーム原作映画なんて、ゲームに対する思い入れなしで観に行くなんて考えられなかったでございますですよ?リスキーすぎて。ワタシを含む好事家みたいに斜め上視点から楽しむならともかく、まっとうな感性で普通に映画を楽しもうとする限り、例えば『スーパー マリオ 魔界帝国の女神』が面白いなんて口が裂けても言えない。まあそうでなくても、B級映画になるのがせいぜいだったのですよ今までのゲーム映画化作品は。そうした風潮を打破してくれたのが、あの映画版『バイオハザード』だったわけですが、それでもちょっと油断してるとまだまだどうなるか分からないのがゲーム映画化。いやん。
 だがそれでも観てみようと思ったのは、一つに、Appleのトレイラーサイトで見た予告が、予備知識なしでもホラーとして単純に良かったのと、

 監督がクリストフ・ガンズ。

 クリストフ・ガンズ。そうクリストフ・ガンズ。なぜかおフランセ人と行動を共にしているネイティブアメリカンが華麗なるケルナグールで衆人を叩きのめし、そのネイティブアメリカンがリタイアするや、今までそんなそぶりも見せなかった主人公の学者先生が、いきなりセガールもかくやの超無敵モード発動&華麗にも程があるショートソード捌きでガリアンソード使いの変態兄貴と対決…などというある意味ショッキングなシーンが頻発したため、本来のウリであるはずの謎の獣が比較的どうでもよくなってしまった俺的大傑作『ジェヴォーダンの獣』のクリストフ・ガンズだ。だがワタシはガンズの、美術セットもちゃんと生かすしダイナミックなカットワークもお手の物の映像センスや、何気にリリカルなシーンも大丈夫(『ジェヴォーダンの獣』のエンディング好きなんよわし)な手腕も評価しているぞ!と今更とってつけた風に言ってみる。不安の残るゲーム映画化ではあるけれど…ガンズなら…ガンズならきっと何とかしてくれる…!

 で、期待半分不安半分で観に行ったわたくし。で、観た感想。

 コレ
 マジ
 傑作。

 いやゲームがどうだか知らんのでゲームと比べてどうこうは一切言えないんだけど、単純に洋モノホラー映画として見た場合、近年では出色の出来。まあ前回見たのがなにせ『ブギーマン』なのでアレではあるがワタシはあやまらない。近年のホラー映画って、よく考えると後半アクションだった、てのが意外と多いのよね。いやそういうのも嫌いじゃない…というより大好きなんですが、アクションとまでは言わないにせよ、モンスターがヒャラーッと大暴れするおかげで、ホラー的な暗い情緒も雲散霧消、というのが多かったり。もしくは、精神攻撃を重視してるおかげで、凄くいやーんな気分にはなるけど映画としては地味さが拭えない、とか。
 しかるに今回の『サイレントヒル』と来たら、静のシーンではゴーストタウンで一人孤独に廃墟エクスプローラーとかでじわじわ精神的に追い詰めてくるのに、動のシーンが徹底的に視覚的なので始末に負えません。静も動も鮮烈なビジュアルで、ビジュアルの元自体はゲームの功績だとしても、クリストフ・ガンズがそれを偏執的に再現したのは想像に難くないです。とりあえずこの映画、廃墟好きにはたまらないものがあると思いますが、だだっ広い朽ち果てた建物の中には何か潜んでるんじゃなかろか…などと妄想してしまうようなヒト(ワタシだ)にはもっとたまらないんじゃなかろか。いやー主人公のローズさんが廃墟の学校を探索してるー、そこで絶対物陰から何か飛び出してくるからぎゃー!いやー絶対出てくるってきゃー!でも出てこない…けど怖い。だがサイレンと共に闇サイレントヒルに移行すると、今度はいろんな意味でグロテスク過ぎな地獄絵図発動。焼けたように赤錆びた世界の中で闇の住人が跳梁跋扈。とりあえずこの映画(というか元ゲームか)のクリーチャーは生理的に嫌過ぎDeath…。しかもどのクリーチャーも、サイレントヒルの悲惨な歴史に由来した姿をしているというのがキモくも哀れなり。唯一、レッドピラミッド(通称三角頭)だけがゲスト出演的な扱いらしいけど、登場シーンがどれも存在感ありすぎで困ります(皮剥ぎシーンは絶品!)。凡百のホラー映画なら、この三角頭だけで映画一本作りかねないな…。
 だがさらに後半になると、前半でもアレだったグロさが、視覚的な意味でも生理的な意味でも加速度的に強烈になっていくので色々泣きそうに。他のホラー映画でもよく題材として扱われる「集団の狂気」「母の子への愛」だけど、この映画ほどそれが有効に機能しているのも珍しい。ただのスプラッタ描写なら下手したら笑って楽しめるけど、この映画の後半の残虐シーンは、過去いろんな映画のグロシーンを見て慣れてきたワタシですらマジキツい。厳密に言うと、残虐シーンというより、虐待シーンだからだろうなぁ。犬と子供は殺さないハリウッドですらクリストフ・ガンズ容赦無し。というかこの映画、PG-12なのかよ!? 個人的にはR-15でも生ぬるいと思うぞ。もし小中学生の頃にこの映画を見たら、ワタシならほぼ確実にトラウマになるですよ(涙)。そしてラストまで容赦も救いもナッシング。クリストフ・ガンズマジ容赦無し…。
 …だがそんな中にも、全体的に何故だか叙情的な雰囲気が漂ってるのはなぜなのかしら。クリストフ・ガンズは何故かそういう雰囲気が出せるみたいだなぁ…『ジェヴォーダンの獣』の時も、やってることだけ見たらバカ映画そのものなのに、映画の時代に即した貴族的な気品はどこかちゃんと保ってたのよね…。

 とにもかくにも、ワタシにはドツボもいいところのホラー映画。合わないヒトにはいろんなレベルで合わない映画ではあるだろうけど、ワタシはDVD出たら絶対買う(笑)。少なくとも、「ゲームが元の映画だから」という理由で避けるのは損ですぜ。

:「ウルトラヴァイオレット」
 というわけで観てきました『ウルトラヴァイオレット』。ガン=カタでボンクラ映画好きの心をがっつりゲッツしたカート・ウィマーの新作です。前回の『リベリオン』から予算もがっつりアップし(たぶん)、主演もよりメジャーなミラ・ジョヴォヴィッチをがっつりゲッツ。いわば、ミラジョボさんの すごい ヴァイオレットです。いやクリスチャン・ベール好きですが!好きだけど、『リベリオン』→『バットマン・ビギンズ』で好きになったワタシはぶっちゃけミーハーだと思うんだ!いやとりあえず言うことをちゃんとまとめてから喋ろうよわし。

 ストーリーはと言えば、ウイルスに感染して短命だけど超強い新人類のファージと人間政府が戦ってる状況下、人間政府がファージを一発で絶滅させる新兵器を開発したと言うので、ファージのすごいヴァイオレットさん適度にガンカタりながらそれを奪取してみたらば、その新兵器とやらは9歳のオトコノコで、いい歳したヴァイオレットさんは一発でショタの魅力にフォーリンラブ。嘘。とにかく逃避行するけど、結局わるい人間政府にオトコノコを奪い返されてしまったヴァイオレットさんは、ブチ切れて人間政府に殴りこみしてオトコノコを再度奪ってめでたしめでたし。まあよくある話ですよ。つうかカート・ウィマー、お前の脳は80年代で止まってるのか(笑)!? 『リベリオン』の時も、いまどき超管理社会の未来だなんてレンタル屋のB級SF映画棚を漁れば一山いくらで出てきそうな設定を!とか思ったものの、まあ温故知新っちゅうか、感情を封じられた世界という設定に何か風刺的な意味合いを込めているのだろう…と思ってその部分は流したんだけど、今回の作品を見て分かった。カート・ウィマー、こいつは真性だ。以後、ワタシの中で、カート・ウィマーは反体制近未来監督として分類されていくことでしょう。なんだその分類は。
 まあ平たい話、今回のストーリーには感情が云々…などという裏テーマを見出すのは苦しすぎるので、今回シナリオは空気ということでひとつ。いやそれいかんだろ。

 …というわけで、映画開始から早々に空気を察したワタシは、ミラジョボさんのキメキメアクションの満喫モードに入るのであった。というか種明かしすると、ワタシはこの映画が、アメリカの興行収入ランキングで、初登場にして既になんとかベストテン入り…といった苦しすぎる状況だった上、速攻でランク外に消えていったという事実を知っていたりするのだ。「俺はモンスターが暴れていれば後は何もいらない!」とか「俺はガンがカタっていればそれが全てだ!」とかいうニッチ過ぎる鑑賞姿勢がデフォでない限り、ことメジャータイトルな映画に関して、アメリカの興行収入ランキングの推移というのは、ぶっちゃけどんな映画評よりもアテになる。ワタシはかつて、レイフ・ファインズ、ユマ・サーマン、ショーン・コネリー出演の映画『アベンジャース』でそれを学んだ。予告とかはすごく面白そうだったんだよ…だからランキングから速攻落ちたときも「アメリカ人見る目NEEEEEEE!」とか思ってたんだよ…ゴメン、見る目なかったのはワタシの方だったよ…グゴゴゴゴゴゴ!!(←過去のトラウマが開く音)
 だがカート・ウィマーのキメキメ演出は健在のようでそこは安心。とりあえずスタイリッシュにケルナグールor銃乱射して、最後に無意味にキメポーズしてればワタシ的にはエニシンオッケーだったのだが全くもってそんな感じだったのでエニシンオッケー。重力レベラーでビルの側面を縦横無尽に走りまくったり、手首の実体化装置でうぃんうぃんと銃弾装填してたりするのがよかったですよー。いや後者はアクションじゃない。そこ以外は見てあげないで下さい!この子はやればできる子なんです!時々シーン間のつながりすら掴めなくなることがあったりしましたがやればできる子なんです!……正直、映画監督としてのカート・ウィマーの実力にも本格的に疑問符が付き始めたり始めなかったりする今日このごろ。はうあう。

 キメキメアクション見るだけならよい映画。だが、アクションには資金投入されたものの、その他の要素はいろんな意味で全くブローアップされてないので、観るときはその点を重々わきまえるように。でないと泣いちゃうぞ!だれがだ。なににだ。

:「トランスポーター2」
 …というわけで、『ブギーマン』がっつりヘコんだ後はスカッと爽やか単純明快アクションで口直しだ。てな具合に『トランスポーター2』を観に行くわたくし。前作『トランスポーター』もしっかり劇場に観に行ってはいるんですが、予告編にあった「ミサイルランチャーから発射された弾を台所のお盆で打ち返す」という傑作シーンが本編からがっつりカットされていることに大変なショックを受け、その衝撃から抜けきらないうちに映画が終わってしまったという過去が…。だがアクション映画としては小粒だがピリリとなんとか、てな具合だったと記憶しておる。さて今回はどんなあんばいでございますでしょうか…。

 どんな荷物でも必ず運んで届ける凄腕の運び屋=トランスポーター、フランク・マーシャル。だが彼は危険な仕事から足を洗い、今は金持ち夫婦の子供の送迎運転手として第二の人生を送る日々。ゴツくて寡黙でハゲだが意外と人間味のあるフランクは、その子供・ジャックにも慕われ、雇われ運転手家業は刺激こそないが順風満帆かと思われた…が、そうは問屋が卸さない。金持ち夫がらみで陰謀発生、ジャックが狙われ、フランクの奮闘空しく、ジャックは悪漢たちに人質に取られてしまうのだった。自分を慕ってくれた少年のため、フランク・マーシャルが今、大爆発!

 …結論からいきなり入ると、今回の2、ぶっちゃけ前作よりも面白いデス。前作は腰にスー・チーがぶら下がってて色々身重だったフランクさん(ジェイスン・ステイサム)ですが、今回の護衛対象のジャック坊やは前半であっさりと敵にとっ捕まってしまってぷう。ために、フランクさんが孤軍奮闘で頑張った結果、フランクさんのキャラとしての魅力が一人歩きで大爆発してしまったのが今回の『トランスポーター2』なのだ。ゴツくて寡黙でハゲで黒服のおっさんなのに。あれか、クレイトスさんといいフランクさんといい、今年はマッチョハゲの当たり年か。

 このシリーズの主人公・フランクさんを他の有象無象と別する個性といえば、「車の運転がメチャ上手い」「白人のおっさんにしては異常な身体能力とバイタリティ」。車の運転が上手いのはトランスポーターなので当然にしても、フランクさん&愛車アウディA8のコンビの場合は時々度が過ぎる。久々にこういう直球アクション映画で見ごたえのあるカーチェイスを見たけど、マイアミの市街地を縦横無尽に走るだけでは飽き足らず、壁を突き破り、ビルとビルの合間をターボブーストよろしく飛び越え、建物の屋根の上を疾走し、しかもボディにキズ一つ付かないアウディA8と、それらの動作を顔色一つ変えずにさくっとこなすフランクさんの潜在能力に戦慄の念を禁じ得ないのであった。そしてトランクには各種重火器と換えの黒スーツ一式が常備。いたれりつくせりアウディA8。だが警察にアウディを押さえられるや、そんなアウディを躊躇なく乗り捨てるフランクさん。だがそれがいい。
 だがフランクさん&アウディA8の白眉と言えば、ジャックを人質にとられ、辛くも敵アジトからアウディで逃げ出したときのシーケンス。アウディに乗り込む直前、車体の下にリモコン爆弾が取り付けられていることを察知したフランクさん!だが敵の目の前でそれを外すわけにもいかない。猛ダッシュで敵から離れるアウディ、リモコンのスイッチに手をかける悪人、さあ、フランクさんはどうこの窮地を乗り切るのか!ってもうこれアウディ乗り捨てるしか手がないだろ……ってえーっ!? 何この神業炸裂。フランクさん&アウディA8の底知れぬ潜在能力に身震いが止まりません。自重してくださいフランクさん!

 だが我らのフランクさんは車から降りてもすごいんです。黙々と敵を追撃し、パンフで言うところの「適度なよっこらしょ、どっこらしょ感」とともに八面六臂なフットワークで敵をコキャッとなぎ倒すその姿は、敵とのカラミこそあれ、威圧感という観点から言うと「合気道を使わないセガール」に近くて通じるものがある。つうか、何か見てて思うんですが、時々銃弾を目で見て避けてませんかフランクさん…。しかもこのフランクさん、前作もそうだったけど、戦闘時における咄嗟の創意工夫っぷりには目を見張るものがある。そこいらにある何気ないオブジェをあっという間に戦闘用に転用するフランクさん。消火器のホースであっという間に複数の敵を絡め取った上、そこに水を流して拘束したシーンには思わず惚れそうに。まるで『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のジェット・リーのようだ!まあアクション監督が同じヒト(コーリー・ユン)なんですが。
 だがフランクさんはそれだけにとどまらない。敵の親玉とのラストバトルの舞台は、はっきり言って常人だったら絶対に何もできずに死亡確定、なシチュエーション。そんなこれはもうだめかもわからんねな状況下、敵の親玉をあっさりのした上、いやそれ普通に死ぬから、というツッコミをもろともせずに、ピンピンしたまま生還するフランクさん。フランクさんの底知れぬ生命力に恐怖を覚えます。フランク自重せよ(涙)!

 超大作ほど金もかかってなければ別に傑作というわけでもないけど、ワタシのある種の琴線にはビンビンくるアクション映画であったのことよ。もちお気に入り。ところで、この映画のコンピュータとウイルスについては突っ込んであげないで下さい。分かってるんですみんなツッコミ入れたいことは!畜生お前ら全員フランクさんだけ見てろ(涙)!なぜキレるわし。

:「ブギーマン」
 さて今年に入ってからは大して映画を観に行くこともなく、日々のんべんだらりと暮らしていたわたくし。だが、「そろそろ『トランスポーター2』が公開するんだよなぁ、観に行こうかなぁ」とか思いながら、行きつけのシネコンの上映予定を眺めていたらば、見慣れない題名の作品が一つ。ホラー映画『ブギーマン』?し、知らねぇ!全然知らなかった!『THE CAVE』『WHITE NOISE』Appleのトレイラーサイトで捕捉しまくってから未だに今か今かと日本公開を待ち望んでいるのに(もう無理です)、そんなワタシが存在自体を見逃すなんて!不覚!不覚過ぎる(笑)!畜生、もう観に行ってやる。絶対観に行ってやる。『ダヴィンチコード』?『ポセイドン』?知るかバカ、そんなことよりB級だ(笑)!
 …というわけで、ワタシとしてはもう十何年かぶりに、映画を全くの予備知識ナッシングで観に行く、という事態に相成ったのでありました。しかも上映規模と映画の内容からすぐ分かる、この映画は間違いなく2週間で上映打ち切られる。今を逃したらもう劇場のスクリーンで観ることはできまい。いざ、いざいざいざ!

 …と言いつつ、上映前の映画のパンフで予備調査は怠らないわたくし。単に好奇心に負けたとも言う(笑)。どれどれ、ストーリーはどんなあんばいなのかいな…。

 仕事にも恋人にも恵まれた(畜生!)主人公ティムは普通の青年。だが彼には、15年前のある晩、父親がクローゼットの暗闇から出現した謎の怪物ブギーマンに連れ去られてしまうのを目撃したという凄惨な過去があった。そのトラウマから暗闇恐怖症を煩うティムは、母親の死をきっかけとして、故郷に帰り、ブギーマンと対決することになる…。

 …あの、とりあえず一つ言わせていただいてよろしいでしょうか。

 それなんて『黒の怨』

 幼き日に自宅に現れた怪物に親を殺されて暗闇恐怖症となった主人公が、ふとしたきっかけから故郷に帰って、トラウマの源泉となった怪物と対峙することになる…、って、何だその『黒の怨』との設定まるカブりっぷりは。それはあれか、『黒の怨』を『トレマーズ』や『ザ・グリード』に匹敵するほどこよなく愛するワタシに対する挑戦か。そのストーリー、宣戦布告と判断する!当方に迎撃の用意有り!何を迎撃するんだ何を。ああ、何もよりにもよってこのストーリーラインでなくてもよかろうに。ああああ、これで必要以上に先入観が…。つうか、よっぽどワタシ的に新機軸がないと『ブギーマン』苦しいぞ『ブギーマン』。
 ちなみに『黒の怨』の詳細になってない詳細は上の拙文を見ていただくとして…いや、ホントみんな『黒の怨』見ようよ。見てボクと一緒にトゥースフェアリーでヒャラーッとしようよ。『トレマーズ』とか『ザ・グリード』はテレビで放映されてるから割と一般にも膾炙してるけど、『黒の怨』はホラーだしテレビでも放映されてないだろうからちっともさっぱりだよなぁ。くすん。

 …などと比較的どうでもいいハナシで文章を潰しているのは、この映画が単純につまんなかったからに他ならない(笑)。割と後半まで、主人公がトラウマで自分で自分を追い詰めて幻見てるん?な精神系ホラーをやってるんですが、運転中の車にカラスが突っ込んできたとか、行方不明の子供の霊に取り囲まれるとか、ジングルはやたら仰々しいけど意図がいまいち掴めないショッキングシーンで間を繋ぎまくるので寝落ちしかけるわたくし。で、もうこれ主人公の精神病オチの方がしっくりくるよそれでいいよ、とか思い始めたころにやっとブギーマン登場。そして速攻退治されるブギーマン。そして速攻スタッフロール。早いよ(涙)!ダレた…いやもうダレた…。『ヒューマン・キャッチャー』くらいはっちゃけるのはまた違うような気もするけど、それくらいの個性がないとキツいよコレ…。うぐるくどるう。

 ホラー映画に慣れていないならいいかもだ。でも、やっぱこれ、2週間で上映終了だろなぁ…(笑)。

:「サウンド・オブ・サンダー」
 映画の公開終わってから感想書く俺マジ外道!

 …いや、実のところ、映画を観に行ったのは公開初日だったンですよ。だがその公開初日は、こともあろうに『ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR』の発売後初の週末。映画?馬鹿野郎!そんなことよりエーコンだ!……だけど、この映画の原作はあの巨匠レイ・ブラッドベリだし、そんな作品があの原作クラッシャーのハリウッドにどう血祭りに上げられているかと思うと居ても立ってもいられない…!というわけで、意志力を振り絞って観に行った次第。でも感想は今。まさに外道!いいじゃん、DVD借りるときの参考にでもしてくれよう…(涙)。

 というわけで今回のお題は、旬を過ぎるにも程があるブラッドベリ原作のB級SF映画(←既にB級呼ばわり確定)『サウンド・オブ・サンダー』にございます。原作の『いかづちの音』or『雷のとどろくような声』or『雷のような音』(全部同じ短編の邦題。統一しろよ!)は古典的ながらタイムパラドックスの基本を押さえた小品なんだけど、だいたい何でこれを元に映画作ろうなんて思ったんだろな誰が…。しかも作ったら作ったで、プロダクションは倒産するわセットは洪水で水没しておじゃんだわ監督変わりまくるわで無駄に予算喰いまくられてまあたいへん。ブラッドベリの怨霊か何かですか。

 ストーリーはというと、タイムトラベルで白亜紀に飛んでアロサウルスをハンティングしようツアーを主宰していたタイム・サファリ社が、ある日トチって過去から1.3グラムの何かを持ち帰ってしまったために、現代の21世紀には段階的にタイム・ウェーブなる因果律改変津波が押し寄せてきて、そのたびに世界はワタシ好みのモンスターが跳梁跋扈するステキ世界に!最後のタイム・ウェーブが押し寄せてきたら、何の根拠があるのかは知らんけどとにかく人類は絶滅するのでその前に1.3グラムの何かの謎を解いて対策とらないとうきゃ〜っ!というハナシ。まあ原作読んでしまうと1.3グラムが何かは明白なのだがそれはそれ、とりあえず観始めるわたくし。
 …白亜紀の熱帯原生林にみょいーんと不思議廊下が形成されて、時間旅行者たちが歩いてくる。ほうほう、過去に痕跡を残すと歴史改変が発生してしまうから、歩くときは絶対に不思議廊下の上だけだとか、ハンティング用の銃も固体窒素を打ち出す痕跡ナッシングタイプとか、それなりに考えてるじゃないか…おお、そして遂にアロサウルスが登場…って、

 恐竜のCGクオリティマジヤバイ。

 …いや、有機物をCGで描くと、現在の技術をもってしても、どうしても不自然さが出るのはもう仕方が無いんだけど…なにこのやっつけ仕事。極端に崩れてるわけじゃないけど、表面テクスチャのつやつやぷうっぷり、造型の微妙さ、カラーリングの妙な独特さ、モーションのぎこちなさなどが絶妙な不協和音を奏でた結果、閾域下でモーレツな違和感が大沸騰するアニマトロニクスと化しているのであった。これを観た前の週、ワタシはレンタル屋で借りた『ラプター・アイランド』なるダメ映画を大変喜んで鑑賞していたのですが、まさか劇場公開映画で、あのビデヲスルー作品の棒立ちラプターCGを髣髴とさせられてしまうとは…。ワクワクしてくるねえ!お前はどこぞのバルハル族か。ちなみに、ネイビーシールズvsヴェロキラプトルという触れ込みの『ラプター・アイランド』は、89分の上映時間が2倍にも3倍にも感じられる素晴しい作品。アサルトライフルでバリバリ撃たれてるのにへいちゃらで棒立ち…と思ったらおもむろにぱたっと倒れて昇天…というあの違和感どころではないやっつけCGモーションは、ワタシの中で永遠に生き続けることでしょう。忘れた方がしやわせですが。
 ちなみに、CGレベルに関しては、その後の現代の往来シーンで完全に諦めました。すごいよ……車とかのCGの面目躍如なブツですら違和感バリバリだなんて…劇場公開作品なのに合成レベルでなってないよ…どこのプレステゲームのムービーだこれは(滂沱)。『オメガブースト』のOPムービーとか思い出しちゃったぞわしは。そしてこの妙に平面ばった車のデザインには妙になじみがあるぞ…と思ったらやっぱりお前が一枚噛んでいたのかシド・ミード!これはよいシド・ミードの無駄使いですね…(涙)。あ、タイムウェーブの描写だけはなかなかがんばってます。そこは褒める。そこしか褒められないけどな!くわっ!

 だが原作レイ・ブラッドベリとか、超大作めいた売り方などはすっぱり忘れて、単純にモンスターパニックものと思えばあら不思議、意外と面白かったりするのだった。いやだってほら、普通のモンスターパニックっつったら、劇場レベルでもモンスターは一匹、舞台は閉鎖空間なんてのがほとんどじゃないデスか。しかるに『サウンド・オブ・サンダー』と来たら、都市1個がまるごとジャングル化、超コウモリやトカゲヒヒが大挙して襲い掛かってきたり、水没した地下鉄でシーサーペントみたいなのが襲い掛かってきたりして、ショボいどころか我々の業界ではむしろ御褒美です!時間軸がどうとか1.3グラムがどうとかは、全部モンスターパニックのためのお膳立てだと割り切るんだ!そして相変わらず黒人は自己犠牲で死ぬ役。萌えがないとダメとかいうダメなキミは、主人公の姪だか養女だかにハァハァするがよいさ!主人公と同じタイム・サファリ社の同僚かと思ってたら、主人公がその彼女に妙に保護者ぶってたり、「私の裸を見たくせに」「君が8歳のときのことじゃないか」とかいう会話があったりしてそれなんてエロゲ?だが二人の関係は映画の本筋とは全然カンケーがないので、結局まったく明確にされないまま、姪っ子(仮)はパックリやられてしまうのであった。何にだ。
 …そして既に語ることはもうほとんど無くなってしまったのだが(笑)、タイムパラドックスの描写は割と新機軸かもしれん。時間旅行上のトラブルというと、時間旅行者自身が違う時間線に入ってしまって迷子、とか、そもそも歴史改変が発生したこと自体を認識できない(自分ごと歴史改変されるから)、とかが普通なのに、周囲の環境が歴史改変で劇的に変化しつつ、その中にいる人間が意識の連続性を保っているという描写はついぞ見たことがないぞ。SF好きにとっては結構面白い描写でございますですね。それを正当化する理論となるとワタシには皆目検討もつかんけど(笑)。あ、あと全然カンケーないですがベン・キングスレー。仕事選べ。

 DVDレンタルが開始されたときにでも、頭カラッポにして楽しむには良いエンターテイメント作品かと思いますです。買うのはよせ(笑)。




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