
『インフィニティ』
対応機種:プレイステーション
ジャンル:恋愛アドベンチャー
発売元:KID
標準価格:6800円
関連リンク:
株式会社KID
インフィニティ公式ホームページ
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- …皆さん、準備はいいですね?容赦はしませんよ(笑)?
- このゲームは発売日のその日に買ったけど(でなきゃあのバッタもんバグ入り初回版なんて掴んでません・爆)、その時点で既に楽しみにしている事項はただ1点、
- 『メモリーズオフ』の唯笑シナリオやみなもシナリオに匹敵するトンデモ展開
- だけだったり。マトモに楽しむ気なんかありゃしないのだった(爆)。友人には「KIDのゲームをこれだけ勇んで買う人はいないと思う」などと言われてしまったりもしたが、何を言う、これはKIDがギャルゲー界のロバート・ロドリゲスになれるかどうかの重要な試金石なのだぞ(笑)!? ああ、間違ってる間違ってる(笑)。
- 始めはまだ割と抑え目…合宿初日、悪夢と共に宿舎のロッジで目覚めた主人公の前に、ヒロインの一人、川島優夏が飛び込んできて…などと思わせぶりなネタを振られつつ、リビングに降りる主人公…で、合宿仲間の一人、樋口遥が登場…って、
- …いったいこの人は、なんなのでしょう…。
- 設定では「飛び級するほどの超優等生」とか「無口」とかそれらしいことが書いてあったりしますが、とにかくこやつの浮世離れっぷりはメーター振り切るものがある。なんと言えばいいか、
- 綾波レイの真似をしている里村茜
- とでも言えばいいのか。「私には…ないから…」…はぁ、そうですか…。
- ちなみにもう一人のゼミ仲間は男で、財閥の御曹司でプレイボーイ、というあんまりといえばあんまりな設定。ベタだ(笑)。
- で、なんだかんだあって、お昼を食べようと近くの喫茶店に入る主人公たち。店に入るなり井上喜久子の声が「いらっしゃ〜い」。井上喜久子の声が。ワタシの脳内ではシナプスが即座にファージ変換を起こして画面上のいずみ姉さんを別の誰かで上書きしているが、それはどうでもいい話である。ここで守野いずみ(22歳)、および高校が春休みで姉のところに遊びにきている妹の守野くるみ(17歳)、及びピザの配達が遅れたとかで激怒して駆け込んできた山の手のお嬢様・朝倉沙紀が出てきて登場人物揃い踏み。「私がいいって言うまで喋らないで!」…とりあえず、朝倉沙紀は梅原克文の作品の登場人物並みに血中カルシウム濃度が皆無、ということだけは良く分かる(笑)。と思ったら、沙紀の話を聞いてるんだか聞いてないんだか良く分からない応対のいずみ姉さん。「こういう客は、言いたいだけ言ったら帰るんだから、それまでは我慢、我慢…ね?」…物腰は(声も)やわらかいのに、言うことはえらくキッツイいずみ姉さんである。
- が、それらの出来事は3日目に比べたら、吹けば飛ぶようなものなのだった。
- 事の発端はやっぱり遥(笑)。前日の夜、遥の色香にほだされて(違)遥と2人で釣りに行く約束をしてしまった主人公。釣りの最中も「私には心がないから」とかなんとか、どこかで聞いたような台詞を連発する遥。あげく、夕方になって、帰ろうとする主人公にこんなことをのたまう遥。
- 「キスして…キス」
- …はい?
- 唐突…というかもはや理解不能の域に達する遥の浮世離れっぷり。ほれたもはれたもあったもんじゃないです。それなりに見目麗しい遥だからまだ許容できますが、そこらのブスだったらきっと一発ぶん殴ってお終いだと思います(笑)。ワタシ内部遥、レイもどき茜からもののけ姫に格下げ(笑)。でもとりあえず、据え膳食わずば男の恥、主人公は遥の額にチュ。ちなみに「キスしない」という選択肢はないです。
- が、ここまではただの前フリ。
- ロッジに帰ってきた主人公たちに、遥に惚れてる財閥御曹司がからむからむ。だのに、こともあろうに主人公に対して「キスしてくれたのに」とか余計なことをのたまう、実世界の空気を読む能力皆無な遥。御曹司怒って主人公を殴った挙句、遥に対して「君だけを想っているんだ云々」とかなんとか。ところがそこへ、いろいろあって御曹司にベタボレな山の手のお嬢様・沙紀がたまたま登場してその台詞を聞いてしまう。さぁ、レッツ修羅場。当然ながら、沙紀は怒りメーターマキシマムな野獣モードへと大変身。人は突き飛ばすわ物は壊すわ(本当)。そしてついには、当事者の遥に対して決定的なこの一言を吐いてしまうのであった。
- 「何よ…クローンのくせに!」
- …………はい?
- 登場人物たちと一緒に、画面のこっち側も一瞬にして思考停止。当然、アゴは床まで落ちている。ワタシのなけなしの理性が「これはきっと新手の罵倒語か何かに違いない、そうだそうだ」と最後の抵抗を試みるが、その望みも空しく、いきなり解説モードに入ってしまう登場人物たち。
- 「クローンとは誰かの複製をつくる技術のことだ」
- とか、
- 「今では小学生の千人に一人くらいはクローン」
- とか、
- 「昔はクローン作成は重罪で、クローン自身もひどい迫害を受けた」
- とかなんとか。もはや誤解のしようもないです。
- 打越鋼太郎、本気か(涙)!?
- なんと、『インフィニティ』の世界は現代かと思えばさにあらず、クローンが町を闊歩するほど技術の進んだ未来のハナシだったのだ!やっちまったよインフィニティ。人間をクローンするだけなら今の技術でも十分可能だと思うけれど、遥が19歳まで成長していることを考えると、どんなに贔屓目に見積もっても、少なくともインフィニティの世界は2020年くらい。すげぇ。何の必然性もない設定のような気がしないでもないがとにかくすげぇ(笑)。しかも、「迫害」の歴史ありで「クローンのくせに」…って、どわああああ!いまだかつて、こんなにインパクトがあるヤバい台詞を吐いたギャルゲーのヒロインがいただろうか。とりあえずワタシは、頭に血が上った時のこととはいえ、こんな台詞がさらりと口から出てきてしまうヒトとはお近づきになりたくないです(笑)。
- その後の描写はさらに愉快っぷりが加速。驚きの事実を知って悩む主人公に、年上らしくいずみ姉さんが諭しに来る。とてもクローン問題に詳しいいずみ姉さんに主人公、なぜそんなにその方面に明るいのかと訊く。するといずみ姉さん答えて曰く、
- 「ほら…私の父って、たまたま遺伝子工学の権威だから…」
- 「えっ…まさかいずみさんのお父さんって、あの遺伝子工学の権威、守野博士!?」
- さすがにそろそろ「はい?」と訊き返す気力も失せつつあります(笑)。するってえとつまり、ここまでの流れをまとめると、
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ゼミ合宿のメンバーの一人がたまたまクローン人間で
合宿先の地にはその事実をたまたま知ってる人間がいて
たまたま知り合った喫茶店のねーちゃんの父は
たまたま遺伝子工学の権威だったと?
- ………………………偶然にも程があるぞ打越鋼太郎…(笑)。
- まだ一人もクリアしていないうちからこんな調子なので、もはや「合宿最終日に意中のおなごが死んだ挙句に時間が逆流してゼミ初日に戻ったので、悲劇を防止するために奔走する主人公」などという本筋は結構どうでもいいです(笑)。「ヒロインが一度死ぬ」というインパクト以上の意味は大してない設定だし。いや、かなり正直な気持ち(笑)。
- それでもまだメインヒロイン格の川島優夏のシナリオはそれなりにまとまってて良、でしたです。特に突出してるわけじゃないけど、前述のようなことに目をつぶりさえすれば、まぁそれなりにそれなりかな…。
- …というのは海よりも深く甘かった(笑)。
- 問題は、次の攻略対象に定めた遥シナリオ(また遥だ(笑))で発生。自分は誰かのクローンであるという意識に囚われている遥に、なんとかして自分は自分だというアイデンティティを取り戻してもらいたいと思う主人公。そんな折、主人公は遥の額にある古い傷跡に気付く。主人公、このキズどしたのん?と遥に問うも答えは得られず。その後やって来たいずみ姉さんに対し、主人公は、「あんたんとこの親父さん、クローン作ったことないんかい」と問うてみる。するといずみ姉さん答えて曰く、ある、と。そしていずみ姉さんは、妹のくるみの出生の秘密を話し出すのだった。くるみは生後まもなくして誘拐され行方不明になっていたこと、くるみが見つからないことに絶望した父・守野博士は、くるみが失踪してから1年後、残されたくるみの細胞を使ってくるみのクローンを作ってしまったこと、しかしその2年後、くるみは無事発見され、くるみのクローンは人知れず他の人に預けられたこと…。
- そしていずみ姉さんさらに語って曰く、くるみのクローンをどうしても妹とは思えずにいじめてしまったこと、ある日、それが高じて、はずみでくるみのクローンを突き飛ばしてしまい、クローンは頭を机にぶつけて傷を負ってしまったこと…。
- そこでちょっと思い込みの激しい主人公に神がかり的なインスピレーションが!
- 遥はクローン+くるみのクローンの額には傷がある+遥の額にも傷がある
- =遥はくるみのクローンだ!
- はーいみなさん、ご一緒に〜…
- ちょっと…待てぇぇぇぇぇええ(涙)!!!
- ワタシは小さい頃、親に冗談半分ながら「子供にはな、どんなに頑張っても親を超えられないものがある。それはな…親の歳だよ」と言われて、子供ながらにちげぇねぇやと納得した覚えがありますです。だのに、このシナリオは自然界における最も基本的な因果律を一つ平気で無視するデスカ(涙)?この論法は自然分娩だろうとクローンだろうと関係ないッス。遥は大学生で、一つ飛び級したとはいえ19歳。対するくるみは花の女子高生で17歳。もうお分かりですね。つまり、
- 遥がくるみのクローン
- ならば、
- 遥がくるみより年上なわけないだろがーッ(笑)!
- 傷跡一つで二人を関係付けてしまう主人公もどうかと思うが、それ以前に、フツーに考えたら遥がくるみのクローンっちゅうのはありえないだろオイ。「親よりも歳食った子供がいるのか」という話です。その後、主人公の思考過程は「ならば、遥とくるみで違うところを見つければ、遥も自分が自分であると思えるに違いない」という方向に流れていくんですが…考えるまでもないだろ、歳だよ、歳!
- しかしこのシナリオはその辺りを無視したまま暴走し続けます。
- シナリオも佳境、ついに主人公は、遥とくるみで決定的に違うところを見つけ出します。さぁ、それは何だ!何だ!さぁ、さぁ、さぁ!それは…
- 「遥が俺を好きだということ」
- 「俺の遥に対する想い」
- …ああ、自己完結。結局最後まで歳の事は触れられずじまい。なんでやねん。
- しかしながら、そこをうるさく言わなければ、遥のシナリオは1周目の死別による揺り戻しが一番デカいので、もしかしたら一番人気のシナリオかもしれません。遥のキャラも、最初と最後じゃ別人のように変わってそれなりに可愛くなるし(爆)。ところで、話の中の人間ってのは、どうして道に飛び出た子犬をかばって車に轢かれたがるんだ?
- ちなみに、これだけ楽しんだので認めたくないんですが、くるみのシナリオをやると、先の年齢差問題は、「主人公が時間を遡るのと同様のメカニズムで、くるみは3年後に飛ばされていた」という、タイムトラベル的な説明がなされてしまい、きちんと整合性が取れてしまうのでした。赤子のまま3年先に飛べば、そりゃあ年齢も逆転するわな。メタな視点では整合性は取れていたっちゅうことか。でも…ならそう言えよ!遥シナリオで(涙)!ワタシみたく遥シナリオから話を進めていくと、大混乱間違いなしだぞ!? いやワタシはむしろ楽しんでたんですが(笑)。ちなみに、ワタシはこのくるみシナリオが一番ぐっと来ましたです。
- 山の手お嬢様・朝倉沙紀のシナリオは、かつて迫害されていたというクローンの描写が渋味深いです。なんでも、沙紀の家の裏には昔ほったて小屋があって、そこにみすぼらしい親子が住んでいて、幼い沙紀が親にあの人たちどうしたの、と訊いたら、ブルジョワな親は答えて曰く、
- 「あれはクローンだよ、さぁ、石を投げて追い払うんだ(爆)」
- オイオイオイオイ!いや本当にこんな感じの描写なんですってば。いくらなんでもヤバすぎるだろこれは…(汗)。ちなみに、沙紀が遥のことを激しく嫌うのは、この時の石投げに関係がある、そうです。もう好きにして下さい…。
- …さて!
- ワタシが一番楽しみにしていた(爆)いずみ姉さんシナリオですが…いやぁ、凄いッス。
- まったく話の体を成してません(爆)。
- 主人公との会話で「プライベートな時間をエンジョイ」する暇がないなどと話していたいずみ姉さん。プライベートな時間をエンジョイ。実際に声付きで聞くとこれほど笑える台詞もないッス(笑)。なんつーか、ナウなヤングが大ハッスル、という表現で張り合えそうである。張り合ってどうする。それはともかく、いままでそんなそぶりも見せてなかったのに、ある時いずみ姉さん、いきなり主人公に対して、
- 「そんなあなたのことが…好きになってたみたい…」
- と逆告白。あまりの前フリのなさに、嬉しいというよりむしろ唖然とするわたくし(笑)。おまけに主人公の予言現象については「みんながグルになって、予言が当たるフリをして主人公をからかっていた」などとあんまりなオチが付き、いずみ姉さんがお約束どおりに死んで…と思ったら死んでなくて(つまり、このシナリオは時間を遡行しないのだ!)、後半は歴代ヒロイン全員が主人公に対して言い寄ってくる、という薬味のないラブひなみたいな展開に。なにより、他のシナリオではあれだけ険悪だった遥と沙紀の仲が、
- 二人はいつのまにかに仲直りしてしまったようだった
- の一言で片付けられている(笑)。なんぼワタシ好みの年上で井上喜久子(爆)でもこれじゃあなぁ…。これも含めて楽しむのが男の甲斐性!…と言いたいところですが正直キツイです、さすがに(笑)。
- こんなとこでしょうか。いやー、ある意味『メモリーズオフ』よりも斑道でしたですよ、『インフィニティ』。『メモリーズオフ』の場合、それなりなシナリオはそれなりで、いわば天国に上ったり地獄に落ちたり、といったあんばいの緩急の大きさが楽しかったんですが、今回の『インフィニティ』は、地獄にパワーダイブしたまま上がってこないし。例によってオススメはしません(爆)。ワタシみたいに変な楽しみを求めたりしなければ、まぁそれなりに楽しめるとは思うんですが。
- え、で、いま悩んでることは、って?そりゃああた、当然、
- 『Screen』とか『夢のかけら(仮)』とかを買うか買うまいかにきまってるでしょ(爆)!
- …いい加減懲りろよオレ…。ちゃんちゃん。
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