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AIR

『AIR』
対応環境:Windows95/98/2000
ジャンル:恋愛AVG
発売元:Key
標準価格:8800円

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Key
AIR通常版製品情報
夢、夏、空のいいつたえ…夏。

 3シナリオの攻略を完了し、タイトル画面に戻ってきたわたくしを待っていたのは、青空から夕凪へと変化するタイトルバック、そして「NEW GAME」の文字が溶けるように消えていき、新たにそこに現れたのは…新シナリオ「SUMMER」へのエントランスが開いたことを示す「SELECT GAME」の文字!
 ひぐぅ!
 なんとまあ心憎い演出であることか。まさに夏への扉が開いた気分である。迷わずSUMMERに突入したわたくしを待っていたのは…「正暦5年 夏」。

 それは、はじまりのものがたり。

──SUMMER
The first summer ──

 ってゆーかだな、魂が抜けるかと思うほど驚いたぞオレはッ!
 まさかいきなり話が過去…それも全ての発祥となるほど昔に飛ぶとは予想だにしてなかったので腰が抜けました。これはアレですか、『久遠の絆』でも平安編だけは好きなワタシに対する精神攻撃デスカ(涙)?そして次の瞬間には、あの「The 1000th summer」の意味が心に溶け込んできて震えが来るわたくし。なんと…この『AIR』は、連綿と続く何かの物語だったのか…。遂に物語の全貌がその姿を見せ始めたのか。
 まてよ…ってえことはつまり、佳乃と美凪のシナリオは、
ただの前菜
だったということですか?あんまりだ(笑)。

 時は正暦5年の夏、仕官したばかりの主人公・柳也は、翼を持つ貴人「翼人」の護衛を命じられる。だが、柳也の前に姿を見せたその翼人は、翼を持っているだけの普通の少女・神奈だった。神奈やそのお付きの女官・裏葉と話すにつれて、柳也には神奈が特別な存在だとは思えなくなってくる。やがて迫る危機を察したとき、柳也の取った行動とは…。

 「SUMMER」の主人公・柳也ですが、このヒト、おそらくKeyのスタッフの作ったゲーム史上、初の、
 常識人の主人公です(笑)。
 言動には多少いつもの色が残ってますが、それは無頼者出身ということで許容範囲内。しかも腕が立つ。普段は飄々としていながらも、有事に際してはめっぽう腕が立つ頼りがいのある漢。スパイク入ったチャールズ・ボウルガード。主を想い、主の言葉に絶対の忠誠を誓う真の騎士。もののふだけど。
 俺好み主人公に超合格!
 良い。実に良い。やっぱり主人公はこうでなくてはイカン(笑)。他にも、背伸びした貴人ぶりの裏に普通の女の子の姿を隠した神奈や、非常に優秀な女官でありながら、姉か母のようにいつも優しく神奈を見守っている裏葉も、嫌味なくキャラが立ってて非常に良。

 シナリオの色づけは、ある意味、古典的な騎士とお姫様のおはなし&追う者追われる者の話(王道!)なんだけれど、それもかえってストレートで魅力的。追撃を受けているときの緊張感と、のんびり夏の山道を行くときのおおらかさがなんともはや。そして合間合間には、お互いの絆が見え隠れするエピソード。夏祭りとお手玉が特にすき。「霊山」クライマックスの、かなわぬ夢との対比に際立つ悲壮さ、ラスト「空夢」の、その爽やかさ。ええわたくし、こういう話は大好きです。そうですとも(笑)。

 そしてこのおはなしは、『AIR』という物語の始まりのおはなし。「DREAM」で観鈴が見ていた夢の内容、往人が母から聞いていた言葉の真実が明らかになるシナリオです。空に一人ぼっちで漂う、翼を持つ少女…。
 個人的には、なにより、往人の一族の発祥の経緯が心に響きましたですね。『AIR』を彩るキーワードの一つである「家族」は、ワタシ的にはここに来て「血族」に拡大。往人が自覚もせずに背負ってきたものの大きさが印象に残る。柳也も裏葉も、最後まで君のことを想い続けていたぞ、神奈!そして往人!君の一族の始祖は、まこと天晴れな人たちだったぞ!過去から託されつづけてきたその力で、1000年目の今こそ、空に浮かぶ少女を、輪廻の鎖から解き放ってやれ!

 …などと想像力がオーバーランしてしまうくらい、前半のまとめ&後半前のつかみとしては完璧なシナリオだったです、「SUMMER」。シナリオ終わったときにはこれ以上ないっちゅうくらいテンション高まってましたですねワタシ。もうイケイケ。きっと、最後の話は、「SUMMER」から連綿と続いてきた業苦を、その苦しみを受けた少女自身と、一族の末裔の青年が手と心を重ねて断ち切る素晴らしい話になるに違いない…と、タイトルに戻った瞬間に最終シナリオに特攻開始!

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