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AIR

『AIR』
対応環境:Windows95/98/2000
ジャンル:恋愛AVG
発売元:Key
標準価格:8800円

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Key
AIR通常版製品情報
つれづれなる電脳娯楽遊戯
夢、夏、空のいいつたえ

 ゲーム開始十数分後、いきなり顔をしかめてるわたくし。
 ゲーム開始数時間後、口からなぜか「るるる〜」という謎の歌が漏れる。
 そのまた数時間後、「またかよ!またこれかよ!」とか言いつつしっかりぐっと来てるわたくし。
 さらに数時間後、スタッフロールが出ないことに愕然として、深夜なのに「うそーん!」と叫ぶ。大迷惑。
 その十数分後…ひっくえぐえぐ…。みちる!
 スタッフロール後、タイトル画面に戻った瞬間に衝撃来る。致命弾命中。
 その後数時間、夢中でクリック&クリック&クリック&クリック…
 次にタイトル画面に戻った瞬間、核撃を喰らう。感動のあまり滂沱。
 そして再び夢中でクリック&クリック&クリック&クリック…
 そして…全補完。
嗚呼、心のちゃぶ台が宙を舞う(涙)。

 以上、今回の前フリはいつもと趣向を変えまして「『AIR』をプレイ中のワタシの様子ダイジェスト」をお送りいたしました。送るなよそんなもん。

 …もし、エロゲーというのが「おなごの裸体がたくさん出てきてウッハウハー」というゲームのことならば、このゲームはエロゲーではないです。さらに言うと、もし、ギャルゲーというのが「意中のおなごとおつきあいラブラブでウッハウハー」というゲームのことならば、このゲームはギャルゲーですらないです。

 これは、おはなし。文と、そして音と絵でつくられた、おはなし。


AIR
The days which are wrapped in the scene of summer and to pass gently.
An encounter with the girls repeated in the sunlight.
Summer continues to where as well.
She is waiting in the air.


 というわけで、今回のお題目は、『Kanon』でワタシはもちろんのこと、老若男女ありとあらゆる人々(たぶん)を滂沱の涙のどん底に陥れた恐るべきメーカーKeyの新作『AIR』にございます。いやー、言うまでもなく前作『Kanon』が傑作だっただけに、今回の『AIR』すごいことになってたみたいですね、発売当日。秋葉原じゃドラクエ7よりもえらいことになってたらしいし。ワタシの地元、名古屋でも、いつもは人通りもまばらな深夜0時の大須にどばああああと『AIR』を買い求める人たちの列ができてた…と、実際にそこに並んでいた友人Aから聞きました(笑)。ワタシはといえば、通販できっちり入手してました。発売日の2日前に(爆)。

 閑話休題。

 とりあえず、いそいそと封を切って中身を確認。前回の『Kanon』の威圧感抜群の梱包(ポスター入りだったから)と比べると、ほぼパッケージの大きさに沿ったつつましやかな梱包である。パッケージの中身はゲームCD「BlueDisc」「OrangeDisc」と、初回特典アレンジCD「Ornithopter」(Ornithopterとは「はばたき(飛行)機」…by リーダーズ英和辞典)。ちなみに、通販特典はテレホンカード2枚でした。これはまた今後随分と高値で取引されそうなブツだこと…(←すさんでる)。
 それはともかく、早速インストール、インストール。この日をどんなに待ちわびたことか。前回が完成度が高かっただけに、今度は綺麗にまとまりすぎてそつはないけど味気ない作品になってるんじゃなかろか、などと不安もあるけれど、何はともあれ、それもやってみないとわからんちん。さぁ、はじまりはじまり…。

──DREAM
The summer ──

 …そしてプレイを開始して十数分、次第に不安がいや増してくるわたくし(笑)。とりあえず、
 言動すべってないか主人公…。
 『ONE』や『Kanon』での大きな特徴にして、ワタシのお気に入りの要素の一つとして、登場人物のとっぴな行動&珍妙極まりないかけあいというのがありますが、どうも今回は微妙に空回ってるような気がして仕方がないッス…。主人公の国崎往人は相変わらずあの人格なのに(笑)。「手を触れずとも歩き出す人形」を操る人形使い、という設定もあって無きがごとしだし。
 まぁ最初のうちは「ま、たまにはそういうこともあるわなぁ」と流してたんですが、メインキャラ3人が出揃うに至って、ワタシ内部で違和感確立。いや…『Kanon』の時から既にその気はあったけどさ…今回のメインキャラたち、特に最初のうちは、珍妙とかとっぴとか通り越して、
頭がおめでたい人達
のようにしか感じられなくて困ってしまったわたくし。その時のワタシだったら、「3人のうち誰が一番いい?」と訊かれた日にゃ、迷わず「3人ともヤだ」と答えていたことでしょう(笑)。正直言って、ごく初期のころの、このゲームの評価はあんまりでしたですよ…。顔をしかめていた、というのは、つまりはそういう訳で。もっとも、3人の頭のおめでたさはそのうち気にならなくなりました。人間の順応ってスバラシイ。

 ただ、そんな初期の頃から、BGMは既に絶品。観鈴の初登場シーンで「夏影」が流れだしたときには、思わず手を止めて聞き惚れてしまったくらい。BGMの出来は『Kanon』に勝るとも劣らない、文句なしの出来です。ちなみに、ワタシのお気に入り音楽は、先の「夏影」の他には、「神薙」、あとOrnithopterの「てんとう虫」と「夜想」。分かりやすすぎるくらい分かりやすい音楽嗜好(笑)。

 そんなこんなで、ゲーム中の日にちは次第に過ぎてゆく。主人公は観鈴の家にやっかいになりながら、田舎町でいろいろな人々と出会うのであった…てな感じでシナリオは進んでいきますが、今回の『AIR』、本当に恋愛要素皆無ですな(苦笑)。どのくらい皆無かというと、「あたしを…もらってください」と言われたときに、素で「お断りします」と返せる気分だったくらい皆無(笑)。18禁部分は相変わらず取り外し可能モジュール状態だし、シナリオによっては、ハッピーエンドに至るシナリオを選択すると、最後までHシーンが出てこないことすらあるし。そっち方面では期待しない方が無難でしょう(笑)。
 というわけで、例によって例のごとくのキャラ別紹介のコーナーでございます。え、まだタイミングが早いって?まあまあ、これはそれなりの訳がありますので…。

霧島 佳乃
 町の診療所の次女。両親は既に他界しており、現在は診療所を継いだ姉の聖(ひじり)と二人暮し。「ぴこぴこ〜」という声で鳴く珍妙極まりない愛犬ポテトを連れている。右腕に巻いた黄色いバンダナには秘められた過去が…。
 最初にクリアしたキャラなんですが、とりあえずお約束なので一言、
 何故に聖さんが喰えないのでしょうか(爆)。
 だって、千鶴さん系の髪型だし…もとい、このシナリオで本当に辛い目を見ていたのは実はこの聖さんだったような気が。幸せの黄色いバンダナだって…ねぇ。今回の主人公は少年じゃなくて「青年」だし、きっと聖さんだって射程範囲内。なんのだ。ワタシはガキはどうでもいいので、今まで辛い目見てきたヒトこそ支えてあげたいデス…。でも無理(笑)。
 シナリオとしては、『AIR』全体の話の流れからこぼれ落ちた1エピソード、てな感じで成り立ってますです。終盤に至って明かされたネタにはんー、という感もなくはないですがそれはそれ、ワタシが好きな類の盛り上がり方をして、最後には綺麗にまとまってくれたのでよしよし。でも、なんとなく従来レベルのまとまり方、という気もしなくもなかったり。あと、主人公…それ、思いっきり間違った力の使い方をしてしまったのでは…(笑)。

神尾 観鈴
 町に住む女の子。酒飲みで朝から晩まで労働従事なのに、お肌つやつやな上に加齢が20歳で止まってるとしか思えない母親、晴子と二人暮し。なぜか主人公になつき、その勢いで(どんな勢いじゃ)主人公は観鈴の家にやっかいになることに。関係が深まるにつれて主人公は気付き始める。この娘は、もしかすると…。
 最初は、見も知らぬ人間を家に連れ込んだり「ともだち、ともだち」と付きまとったりするその行動に、冗談抜きに引き気味だったんですが、その裏には実は悲しい事実があったりするわけで後に許容&ごめんなさいのわたくし。あの後、沈んでる観鈴にいつものように接してあげる主人公がいい感じである。
 で、やっとそこら辺が分かってきて、いよいよ「僕はいつでも君の傍にいるよ!」な気分になってきたところに…例のあの展開が!
 またかよ!またこれで来るのかよ(涙)!
 …ワタシ風に言えば、いわゆる「病弱だからって栞のほうじゃないぞ」的展開デス…。あの時は滂沱に滂沱をつぐ大号泣モードに入っていたわたくしですが、あれ以来この類のネタは免疫だぞわたしゃ。一時みなもでくらくら来るという失態をやらかしたけど(爆)それはそれ、そう何度も何度も、よりにもよって同じメーカーが同じ手法で来られても、二匹目のどじょうはないぞ!
 …などと言いつつしっかり涙ぐんでいるわたくし(爆)。
 全てを察した主人公は、互いを苦しめないように身を引こうして…しかしそこで真に自分の成すべきことに気付き…さぁ走れ主人公!
 …スタッフロール前で終わってれば、やや尻切れとんぼ気味ながら、ワタシの好きな爽快なエンディングだったんだが…驚きはスタッフロール後に。えええええっ!? なんじゃそりゃ!なにやら尻切れとんぼでは済まされないぶった切りを見せてモニタの前のわたくしを愕然とさせつつ…To Be Continued.

 このシナリオが終わった後で、「このパターン卑怯!ダメ!安直!ヒトを無条件で感動させすぎ!」と、思わず「今回は許すが二度目は無いぞ」精神防御スクリーンを展開してしまったわたくし。結論から言うと、それが後に大失敗をもたらすんですが…ま、その話も後で…。

遠野 美凪
 学校の天文部に所属の物静かな美少女…とばかり思っていたら、実は壮絶な天然系だった美凪。目からビーム。なんつーか、舞と佐祐理さんが指と指突き合わせて「フュージョン!」とかやったらこんな感じになりそうではある。みちるという名の少女と仲が良く、いつも廃線となった鉄道の駅の前で遊んでいる。みちる…みちる…
 みちるーッ(号泣)!
 …ワタシが『Kanon』の真琴シナリオで最も高く評価している点は、シナリオの中心に、恋愛ではなく家族愛を持ってきたところ。だからこそわたしゃ、悲しみを押し殺して、最愛の家族のように優しく真琴を看取っていく登場人物たちに涙し、最後のあのプリクラで、確かに存在した、そしてもう戻らない家族の絆を思って、我が事のように前が見えないほどぼろんぼろんに泣き崩れたのでございます。あ、また泣けてきた。
 んで、この美凪シナリオもまた、形こそ違え、家族愛を基調としたおはなしで攻めてくるのですよ。フィーリングで言えば、真琴シナリオのように切り刻んでくるような悲しみではなくて、暖かく包み込んでくれるようなおななし、と言ったところかな…。で、その中心にいるのがみちる。これがまた泣かせる話で…終盤はもう不憫で不憫でしかたなかったですよ。ひっくえぐえぐ。でも最後は幸せだったんだよな…そう信じたい。
 演出に関してはもう絶品中の絶品。ここだけに限らず、今回の『AIR』では、多少のシナリオ上の瑕疵なら押し切ってしまうであろうほどの演出力が炸裂してますが、特にこのシナリオでは卑怯なまでの演出が冴えまくりです。食卓とフェンスのシーンで魂ヘル&ヘブン。他の2シナリオとのパワーバランスが完全に崩れてます(笑)。
 個人的には全『AIR』中で最高のシナリオ。どのくらい最高かというと、家族愛よりも恋愛を取るとバッドに流れてしまうくらい最高(笑)。いや、ワタシ初回はバッドだったんですが、シナリオ終わってスタッフロール無しにタイトルに戻るまで、これは「シナリオ内容がキッツいハッピーエンド」だと信じて疑ってなかったですよ。真のハッピーとは比べ物にならんけどね。ダメにんげん(笑)。

 そんなこんなで3シナリオを終えて、タイトルに戻った瞬間…
 …ぬおおおおおっ!?
 ちっとは予想してたがここまでとは予想もしてなかった事態が出来したのであった。その事態とは一体…だがしかしここで「続く」

 …こっちもこの後何があったのか言いたいのはやまやまなんですが、これ以降はワタシ的検閲モードの範囲内になってしまうので、またしても泣く泣くページを分割します。しかも今回は、総評を述べるとたぶんモロに内容に触れてしまうので、分割前総評も無しです(涙)。ご自分の『AIR』進度に合わせて御覧下さい。あとネタが割れるのが全く気にならないヒトも(笑)。では…

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