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フィロソマ

『フィロソマ』
対応機種:プレイステーション
ジャンル:シューティング
発売元:SCEI
標準価格:5800円

関連リンク:
SCEI
つれづれなる電脳娯楽遊戯
不思議の惑星220のアリス

 いやー、まずとりあえず自機のスピードが鈍くてねぇ…はいはいはい…。ワタシの腕じゃ弾幕が回避しきれないんですよ…いやいやいや…。なのに敵さんは高速の誘導弾とかでバリバリ攻撃してきたりするんですよ…ええ…。特に後半になると、敵がこちらの攻撃の届かないところから攻撃してきたりしてきて涙がちょちょ切れますですよ…よよよよよ…。あ、このゲームは1995年製作のシューティングです、はい、はい。でも、爆風で敵が見えなくなったり、敵キャラの絵が妙に扁平で粗かったりして、シューティングゲーム部分のテイストは正しく清く懐かしい95年代センスでございますですよ…はぁ。つまるところ、一言で言えばずばり「大味」…って、前にもどこかで同じ事を言ったような覚えがあるぞ(笑)。
 しかしながら、以上のようなことはワタシにとっては完全にアウト・オブ・眼中(死語)、取るに足らない瑣末事である。っていうか、このシューティングゲームはそういう部分を楽しむゲームじゃありません(笑)。ではどこを楽しめばいいんじゃ、という前に質問を一つ。
 …アナタ、シューティングな『エイリアン2』はお好み?


PHILOSOMA
フィロソマ
突然のミッション、それはプラネット220のサーチ&レスキュー
UNF第7独立任務部隊、VFA-29フライトチームが
降下した惑星上で見たものとは…


 つまるところ、このゲームは、君も宇宙海兵隊の一員になってエイリアンに占領された惑星の人々を救い出そうじゃないかゲー(大嘘)なのである。攻撃が理不尽?あたりまえではないか。君はブレイクダウンした防衛システム理不尽でない攻撃をしてくるとでも思っていたのかね?君は栄えあるストレガファイターなのだぞ。どんな過酷な状況においても、上官に命令されたら、
 「サー、イエッサー!!」
 とビシッと答えて死地に突っ込んでいくのが真の軍人也。上官どの、前方は敵で埋め尽くされているであります!「あわてるな。強行突破だ。続け」…サー、イエッサー!!「フロントは俺とカレンがやる。お前は後方の客を叩け」…サー、イエッサー!!「生存者コールポイントで合流する。ブレイク・ナウ!」…サー、イエッサー!!「貴様、自分の愛機はちんぽをなめるようにして磨け!!」…サー、イエッサー!!…あれ(笑)?

 …思わず気分がそういうモードに突入してしまうほど、わたしゃこのゲームのオープニングムービーにハートを鷲掴みされてしまったのだった。真っ白に燃え尽きちゃった声なニコラ・ミショー大尉の独白から、重厚なファンファーレとともにフィロソマのタイトルが表示された瞬間、ワタシはこのゲームと一生仲良くお付き合いができることを確信した。アメ公の映画にだってこんなイカス導入部はそうそうはないぞ(笑)!
 とにかくカッコいいったらありゃしない。何がいいかって、まず登場人物の応答などのやりとりのまぁカッコいいことカッコいいこと。冷静というか事務的というか、これこそ職業軍人のやりとりだ、ってカンジである。何か言われればラジャー、上官に対する返答はイエッサーである。フライトチームの呼び分けはアルファ、ブラボー、チャーリー、デルタのPhonetic Alphabetで決まりである。味方機のことはフレンドリーと呼び、故障とは言わずにブレイクダウンと言う。ああすばらしい。なんでも、演出担当の福永莞爾氏は、ボイス録音時に、プロデューサーから「アニメっぽい声にはしたくない、でも洋画の吹き替えもイヤ」と言われて困ったらしい。ではどんなんにせいっちゅうねんと聞かれてプロデューサーが答えて曰く、
 「アメリカ人が喋るようなイメージ」
 だったそうな。洋画が吹き替えられる前のイメージが欲しいとのたまったそうな。実物を聞くと大納得、きびきびとした台詞回しはこの世界にジャストフィットである。えらいぞプロデューサー。

 「チャーリーリーダーミショーより、デルタリーダーへ」
 「こちらデルタリーダー、ラング」
 「オペレーションオーダーに従い、チャーリーとデルタは私が指揮する」
 「ラジャー。カレン、D-3。これよりデルタフライトは、チャーリーリーダー、ミショーの指揮下に入る」
 「ラジャー」

 …ワタシがムービー中で一番好きなやりとり。文字にすると魅力9割減だが、ムービー中では、ワタシ的にはこれ以上ないってほどにクールに決まりまくっている。もう指揮下だろうが石炭倉だろうが何にだって入りますですよ。カッコよさが全てなので、オペレーションオーダーって何だ、とは考えてはいけない(笑)。
 耳から聞こえてくるモノって言ったら、BGMだって負けてはいない。オーケストラ調の音楽だが、わたしゃゲーム関係の音楽で、ここまでフィルム・スコアリング(映像の流れ・場面展開・人物描写にあわせて作曲すること)がばっちり決まった音楽を聴いたことがなかったのでびっくりぷう。こりゃ玄人職人の仕事だぞ、ゲーム畑にもこれだけできるヒトがいたのかぁ、とか思って音楽担当をよく見たら、
 …映画『ガメラ』シリーズの大谷幸でした。
 ワタシの記憶が正しければ、『ガンダムW』の音楽もこの人が手掛けていたはず。劇場用映画音楽の作曲経験まであればスコアリングだってばっちりだよなぁ。もしムービーを見る機会があったら、この辺りにも気を配って見てほしいな、と思うわたくし。っていうか、このゲームのサントラはないのかサントラは(笑)!

 そしてもちろん、目から入ってくる情報、映像だって負けてはいない。見せ方だってクールに決まってますですよ。この映像が、同じくムービーの美麗さで騒がれたFF7に遡ること2年も前だとはとても思えない。FF7の場合、「絵」としては綺麗でも、その絵の見せ方がタコタコだったのでちっとも面白くなかったが、その点こっちは安心して見られる。FF7の3000倍(当社比)くらいカッコいいです。ワタシの好きなシーンと言ったら、隕石とのスケールの対比が際立つ冒頭の空母ギャラント登場シーンと、そしてやっぱり、主役機ストレガが登場シーンが…いや、大気圏突入シーンが…いやいやいや…ええい、もうストレガが出てくるシーンはみんな大好きだい(笑)。

 とりあえず、初回プレイ時、ワタシはゲーム本編には目もくれず、いきなりムービーモードでこのOPムービーを1時間以上も延々サルのようにリプレイしつづけていたという…(実話)。1回約5分なので、連続12回は見た計算になるッス…いーじゃないかよぉ好きなんだからさぁ(笑)。

 しかし、このゲームの演出上で一番エライのは、ムービーでエンドルフィンどばどば状態になったプレイヤー(って、そりゃオマエだけや(笑))のテンションを保つかのごとく、ゲーム中にもフライトメンバー各機などの通信音声が飛び交いまくるという点でしょう。そりゃあーた、なんかよく分からんけど目の前に出てくる敵を漫然とショットするよりも、

『ギャラントよりチャーリーリーダー、ブラボーフライトはスペースポートへの突入に成功した!』
「ラジャー。チャーリーリーダーより全機、進路をスペースポートに取れ。敵包囲網を突破、レッツゴゥ!」

 と言われた方が、こっちも「ラジャ!」って言って敵包囲網を突破するような気分になるってもんです(笑)。燃え燃え(萌え萌え)です。そうか、ゲーム部とムービー部を、こうやってシームレスに接合する手もあるのだな。この通信のおかげで、ムービーからゲーム、ゲームからムービーへの切り替えも違和感なし。よきかなよきかな。

突発講座・チームメンバーを知れ!
 諸君は栄えあるデルタフライトに所属するのであるからして、きちんと上官や同僚について把握していなければならない。というわけで、ゲームを通してお世話になるチャーリー、デルタフライトのメンバーをご紹介。相手を知らなきゃ「ラジャー」と返事もできないぞ(笑)。

D−3
 デルタフライトに配属されたぺーぺーの新米パイロットにして、本作の主人公、プレイヤーの分身。デルタフライトの3番機担当なのでコードネームD−3。新米すぎて名前すら呼んでもらえないらしい(涙)。ミッションになったらなったで「後方で撃ちもらしを片付けろ」とか、一人だけ「後方の客を叩け」とか、いつもフライトメンバーのサポートばっかりさせられてる不遇な奴。PHASE2の対マッスル戦では、フィロソマ化したマッスルにたった一人で立ち向かうハメに。ますますもって不遇な奴。PHASE4の対ミラキディウム戦では、攻撃システムがダウンしたミショー機は離脱し、やっぱりたった一人で立ち向かうハメに。運もないらしい(笑)。

ニコラ・ミショー大尉
 チャーリーフライトの隊長、チャーリーリーダー。オープニングの冒頭で、燃え尽きちゃった声で独白してたヒト。女を売りにしない有能な態度で、チャーリー、デルタ両フライトの指揮を執る。ハンサムな彼女…っていうか、このヒトになら蹴られてもいいです(笑)。

ラング大尉
 デルタリーダー。オペレーションオーダーとやらの関係で、今回のミッションではミショーの指揮下に入っているが、たぶん本当はリーダーをやらせたら天下一品。不測の事態にも対応する冷静さは言うまでもなく、出撃前には初ミッションに出撃することになるD−3を気遣い、ミショーが判断ミスで部下を亡くして落ち込めば叱咤して元気を取り戻させる。まさに理想の上司ナンバーワンである。あと、やたら渋い声で「なにっ!?」と驚くこと多数(笑)。

カレン・レイノックス中尉
 デルタフライト2番機担当。機体のパーソナルマークは剣が3本刺さったハート。ラングからD−3のサポートを命令されて、D−3にお姉さん風をふかす(笑)。困るとすぐ機載コンピュータのアリスに頼る。「アリスが、アリスがぁぁあ!」。対マッスル戦ではラングに対し「後方でD−3が交戦中です」と報告。報告するだけじゃなくて助けてくれよぅ。

クラウス、カート
 チャーリーフライトの残りのメンバー。PHASE2の途中で「ラジャー!」とひとこと言うためだけに登場し、その後さっさと退場するのがお仕事。

番外・キナバル大佐
 UNFの攻撃型空母・ギャラントの指揮官。別名・大塚明夫艦長(笑)。配下に、コックス「たんけんぼくのまちのチョーさん」中佐を従えている。

 そう、登場人物と言えば、コイツを忘れちゃいけない。
 F/A-37ストレガ、あい・らぶ・ゆー!
 建造費480億ドル(2097年当時レート)は伊達ではない。このゲームの主役はなんと言っても、プレイヤー機たるF/A-37ストレガである。戦闘機のクセして、可変サイクルエンジンで単独での大気圏離脱が可能な上、水中での作戦行動まで可能だときたもんだ。バルカン、レーザー、荷電粒子砲等々、さまざまな兵装を標準装備し、オプションとして中距離対空ミサイル・ランサー、短距離誘導ミサイル・ウッドペッカーを装備可能。これだけならまだしも、さすがに超低空侵攻用のグランド・モード形態への変形にはぶったまげた。マグマックスかお前は(笑)!
 ストレガの何がいいかって、全てメイド・イン・人類のテクノロジーで作られてるところ。波動砲どばぁぁぁのオーバーテクノロジーな機体もそれはそれでいいけど、やっぱりストイックな人類製の量産機は最高です。こいつ、実際に作ったらマジ飛びそうだし(笑)。
 それに、機載コンピュータのアリス、これまたオトコノコの夢(妄想じゃないぞ)が詰まったサポートコンピュータですな。「凍項電子新社製祥雲LLN68」なんてののどこをどうすれば「アリス」なんて通称になるのか是非知りたいものですが(笑)、それはそれ、こんなAIがあったら一台是非欲しい。的確なサポート、必要な情報のフィルタリング、機体制御…その上ボイスコマンド応答式だ(笑)。しゃべる馬はエド、しゃべるAIはアリス。アリスすばらしー。なお、アリスはゲーム後半以降、重要な役回りを果たすのでその言動も必見。

 ゲーム内容は冒頭でも述べたとおり、ちょっとアレな部分もあるにはあるのだが、それでも結局けっこう楽しんでしまったりしているのだった。特にわたしゃPHASE3、コミューターラインでの戦闘がお気に入り。たぶんいろいろとぶーたれる方が多いと思われる(笑)3D視点だが、このスピード感だけは本物、この形式だからこそできた見せ方ですね。うーん、宇宙からのメッセージ(謎)。それに、対ファージストレガ戦は燃え燃えですわ。フィロソマ化して変わり果てた姿になった先発隊のストレガ対オリジナルのストレガの決戦の顛末や如何に!? いや、これはこっちが勝手に盛り上がってるんですが(笑)。それにしても、このファージストレガ戦の前には、アリスとラング大尉の、

 『フラッシュ。ボギー探知』
 「ターゲットチェック」
 『ストレガ』
 「なにっ!?まさか…反乱か!?」
 『ターゲット、機体変形、乗員死亡』

 …というイカしすぎるやりとりがあるんですが、これ、何故かゲーム中では出てこないんだよなぁ(音声データとしてはきちんと入ってる)。なんでだろ。っていうか、わしのディスクが何かおかしいのか?

 そんなこんなで、メカ好きや、SF映画好きにはタマラン一品だと思いますです、フィロソマ。シューティングを楽しむゲームというよりは、D−3になりかわって、地獄のプラネット220ミッションを完遂する体感ゲームだと思えば、こんなに楽しいゲームもないです…と、オメブーのときと同じようなまとめにかかるわたくし(笑)。いやでも、「魅せる」という点では、なんか相通じるものがあるような気がするなぁ。なにせプレステ最初期のゲームなので、入手にはいささか難儀するかもしれませんが、中古市場なら値段自体は安いと思うので、懐に余裕があったら是非手に入れて、世界観と通信にメロメロになってほしいです。かしこ。

 ところで、このゲームには一つだけ、最大の謎が残されている。

 惑星調査&人命救助をするのに、フル武装の戦闘機「だけ」で降下していって、一体何をするつもりだったのだ、彼らは(笑)。

 せめて救助用の人員輸送機とかも一緒に降下させるべきなんじゃ…。いや、これもきっと考えてはいけないのだろう。納得。って、納得するなよ…。

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