
『ゴジラ』
監督:
ローランド・エメリッヒ
キャスト:
マシュー・ブロデリック
ジャン・レノ
マリア・ピティロ
ハンク・アザリア
ケビン・ダン
マイケル・ラーナー
ハリー・シアラー
アラベラ・フィールド
ビッキー・ルイス
ダグ・サバント
マルコム・ダネア
関連リンク:
米版ゴジラ公式ホームページ
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つれづれなる最近見た映像文化
毛唐製原子怪獣ゴヂラ
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- つーわけで、今回のお題は、話題の問題作、アメリカ製「ゴジラ」です。ホントは「ディープインパクト」とか「ジャッカル」とかと天秤にかけたのですが、やっぱ、小学生のみぎり、親をせっついて、84年ゴジラ「REVANGE OF REBORN」を見に行った怪獣好きとしては、肉を主食とするアメリカ人が、この材料をどう料理したか、非常に興味があったというわけで。
- 日本で作られたゴジラのなかで、ワタシが一番好きなのは、劇場に見に行ったからというわけではないが、その84年ゴジラ「ゴジラ」である。「ゴジラ対ビオランテ」の前のやつですね。なんか世間では、中途半端な出来、という評が一般的らしいけど、わたしゃ、ゴジラの帰巣本能を逆手に取るという撃退作戦が、ビオランテのときの「レンジでチンして抗核バクテリア活性化作戦」の一億倍は好きだ。知略を尽くしてるって感じが、子供心にとてもグーだったのです。
- それに、84年ゴジラを語る上で外せないのが、なんといっても、94式浮上戦車でしょう。いかにも頑丈そうで武骨な全長30メートル(うろおぼえ)のボディ全体を耐熱チタンで覆い、機首のカバーをあげるとサーチライト、機体上部は上方にスライドすると、何門もの砲首が覗くガンポッドに、機体サイドも開いてミサイルポッドがせり出す。機体下部の3つのローターで姿勢制御。コクピットは精密機械の粋を誇り、戦闘時には、地上に展開した兵器の統括制御を行う機動要塞。このシルバーメタリックの機体が夜の東京を飛ぶシーンに、あの「ちゃんちゃーん、ちゃちゃちゃちゃーん、ちゃっちゃちゃーんちゃーんちゃーんちゃーんちゃーんちゃーんちゃーんちゃ(わかんないって)」というテーマがかかると、もう身悶えして涙流して悶絶するほどかっこええ。奴は、あのゴジラの精力を振り絞った放射能火炎の直撃にも耐えたぞ。やっぱり「スーパーX」は最高だぁ。ちなみに、「ビオランテ」に出てきた「スーパーX2」はダメね。あれには機械の臭いがしない。それを言ったら、その後のGフォースの兵器は全てダメですが(笑)。
- …しまった、ここは昔の思い出話をするところではなかった。でもね、あの映画に出てきた、ソ連(当時)の核ミサイル攻撃衛星「ダ・スピダーニャ」も嘘臭くて最高良かったぞ。だいたい名前からしてベタベタでしびれる、実に甘美な名前ではないか。「さようなら」でっせお客さん。それにねそれにね、「ハイパワーレーザー砲車」ってのも、レーザービームはガンダムが持つものと思っていた小学生には衝撃的でした。ハイパワーレーザー砲車は、そのレーザービームの攻撃レンジがあまりに長距離ゆえ、使用の際にはスーパーXによる射撃管制が必要なんだぞ。さらにねさらにね…。
- …いかん、昔読んだケイブンシャの「ゴジラ大百科」の記憶があふれだしてきおる。いいかげん切り上げよう。このままだと、毛唐製ゴジラのことに一言も触れないまま終わってしまいそうだ。
- というわけで、アメリカ版ゴジラですが、当然ながらスーパーXもハイパワーレーザー砲車も登場など望むべくもありません。ゴジラの姿形も既に色々な媒体で露出してしまっているので、見かけた人も多いでしょう。しかし、実際に映画を見ると、
- ・姿が細い
- ・動きが異常に素早い
- ・放射能火炎を吹かない
- の3点だけはイヤと言うほど認識できます。線が細いのはともかく、戦闘ヘリが追い掛けても追い付けないほど素早いなんて、オリジナルからは想像もできませんな。この素早いってのも度が過ぎていて、ミサイルを飛びのいて躱すわ、防衛線を飛び越して(!)河にダイブするわ、泳ぎながら魚雷を躱すわで、もはや重さを感じさせるのは、走る時の音と振動だけという世界です(笑)。
- また、放射能火炎は吹きませんが、息なら吹きます。一息で車も吹き飛ばす颶風です。で、
- 息吹く→車飛ぶ→車爆発→爆風発生→その炎も息で飛ぶ
- という素晴らしいメカニズムより、見ていて、ゴジラが火を吹いているような気持ちになれます(笑)。無理してそんなシーン作る必要もなかったと思うのだが。
- しかし、所詮アメリカ人が作ったゴジラ、そこら辺には目をつぶろう。今回、ワタシが一番許せんのは、
- ゴジラが暴れない
- ということ。予告を見て「なんや、きちんと怪獣らしく暴れとるやん」と思ったアナタ、それは違う。あのゴジラは暴れているのでない。逃げてるのだ。
- やっぱり、ゴジラという名を冠している以上、ビルを派手に破壊したり、砲弾をものともせず、並み居る戦車をなぎ倒したり、電車をつかみあげて放り投げたりしてもらいたくなるのが人情。ところがどっこい、今回のゴジラは、逃げる逃げる、ひたすら逃げる。アメリカ軍がドンパチ始めた瞬間、きびすを返して逃げる逃げる。追いすがる戦闘ヘリを引き連れ、時速480キロ(すげえ)で逃げる。行き掛かり上ビルを損壊させたりするが、それだけ。基本的にはただひたすら逃げる。
- …動物学的には極めて正しい行動だと思うが、奴は仮にもゴジラだぞ…。
- ええい、ゴジラ魂をどこに置き忘れてきた、アメリカンゴジラ!
- どんなに映像がすごくても、アメリカ軍を蹴散らすようなゴジラでないと、ちょっと燃えないよなぁ…。
- というわけで、今回のゴジラは、せいぜい地下鉄のトンネルを移動し、マディソン・スクエア・ガーデンに卵をわらわらと産み付けるのが関の山。では、ゴジラに代わって、誰がニューヨークを破壊しているのかというと…。
- アメリカ軍なのだった(爆)。
- ゴジラ出現の報を受けて出動したアメリカ軍、広場に魚の山(そう、今回のゴジラは魚が主食なのだ)を積み上げて、ゴジラをおびき出したはいいが、攻撃開始の指令と同時に打ち出されたミサイルをかがんで躱すゴジラ。ミサイルはそのままゴジラの背後のビルに吸い込まれて…。
- ゴジラを追う戦闘ヘリ。ミサイルを撃ったはいいが、華麗なフットワークでそれを躱すゴジラ。ミサイルはそのままゴジラの背後のビルへと…。
- 2度目の正直とばかりに再びゴジラをおびき出すアメリカ軍。トカゲにも脳はあるのか、今度は早々に逃げ出すゴジラ。それをウンカのように追い掛ける過剰なまでの戦闘ヘリ。バルカン砲を撃ちまくるが、やっぱりそんなにゴジラに命中しているようには見えない。きっとまたしても流れ弾で近隣のビルがボロボロに…。
- もうちょっと頭の使い用はなかったのかアメリカ軍。戦術とか戦略とか…。これじゃ「スターシップトゥルーパーズ」の地球連邦軍と対してかわらんぞ。おい。
- 最後のマディソン・スクエア・ガーデンでの戦闘なぞ、素晴らしいCG技術の進歩により、どう見ても「ジュラシックパーク」のヴェロキラプトルにしか見えない(爆)。卵が林立している様子は「エイリアン」だし。アメゴジ、あんたはクイーンエイリアンか。
- キャストの中では、何しに出てきたんだかさっぱり分からないフランス諜報員のジャン・レノが光ってる。フランスの過去の過ちを清算するって、なんぼなんでもゴジラの発生は不可抗力では…。どーしても、他人の国へ出張ってきて慈善事業をしてくれているようにしか見えんのだが…。いい人だし(笑)。あと、ヒックス大佐。アンタはデーヴの大統領補佐官やってなきゃダメでしょが(アラン・リード役のケビン・ダンだった)。
- いいかげんまとめに入ろう。結局のところ、まぁ、なんつーか、つまらなくはないけれど、燃えそうで燃えられないという、なんとも中途半端な印象の映画でした、ワタシ的には。確かに、映像的には凄まじいんだけどね。でも、デジタルCGの怪物も当たり前になりつつあるし、個人的にはもうそれほどのインパクトもないんだよなぁ。贅沢。
- しかし、恐ろしいことに(笑)、ローランド・エメリッヒ&ディーン・デヴリンには続編を撮る気もあるらしい。もし、ホントのホントに続編を作ってしまうのなら、以下の点はくれぐれも順守していただきたいものである。
- ゴジラの耐久力を上げる。F-18のミサイル6発で沈んでしまうゴジラなど論外(笑)
- デジタルCGでアメリカ空軍に94式浮上戦車を配備する(爆)
- ゴジラに歩兵を蹴散らす程度の男の甲斐性はつけてもらう
- ゴジラの動きは薩摩剣八朗につけてもらう
- ところで、スーパーXの型番って、94式で正しかったっけ?結局、何もかもがうろおぼえのわたくし。
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