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ガメラ3 イリス覚醒

『ガメラ3 イリス覚醒』
監督:
金子修介

キャスト:
中山忍
前田愛
藤谷文子
安藤希
山崎千里
手塚とおる

つれづれなる最近見た映像文化
かめさんよー

 こんにちは。映画館以外では学生証を提示したことがない小島修一です。いや、最近気づいたんですけど、なんか間違ってるような気がしてならんのですよ。っていうか、そもそも学生証を提示するなんて機会、そうはないか。
 そんなことはどうでもいいのであって、今回のお題は、和製怪獣映画としては、1984年の新「ゴジラ」以来、実に15年ぶりに(うわー、ついにわたくしもこういう時間のスパンで映画のおはなしを語れるようになってしまったのね)劇場で鑑賞した怪獣映画、
「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」
 にございます。さて、何人が、このページのタイトルの「かめ『さん』」とガメラ3の「3」を引っかけていることに気づいてくれるのでしょうか。いないよ。

 世界各地でギャオスが大量発生しうきゃ〜っ、なご時勢、ギャオスを追って渋谷に飛来したガメラは、何を思ったかギャオス退治ついでにプラズマ火球でふぬけた若者文化に派手に鉄槌を下してしまったため、みんなのキラワレ者になってしまう。そんな折り、かつてガメラとギャオスの戦いに巻き込まれて両親を失った比良坂綾奈は、裏山で見つけたつやつや触手生物とぬるぬる友達になり、ガメラ天誅という意志の元に「こころもからだもひとつになりたい」(言ってない)と融合しようとするが、近所の男子中学生に邪魔されて、頬を膨らませるどころか海馬体を膨らませて京都でふて寝。一方「それはとてもとても気持ちのいいことなのよ」な機会を奪われて欲求不満爆発なつやつやぷう、イリスは、ちゅうちゅう村人の体液を賞味の後、とりあえず大きくなってみて綾奈を追って京都に飛来。そこへメンツ復活をかけてガメラもやってくる。さぁ、みんなでどーんとやってみよう…。

 というのが今回の話のおおまかなあらすじ。どんなやねん。

 いや、もともと第1作目の「ガメラ 大怪獣空中決戦」を見ても「ああ、まぁまぁかな」といった感想しか持たなかったので、今作もそれほど興味はなかったんですけど、たまたま深夜にやっていた「ガメラ2 レギオン襲来」がツボにはまりましてねぇ。ついつい劇場で見てみようかな、という気になってしまったんですよ。ただ、「レギオン襲来」でワタシ的ツボに入ったのは、ガメラでもレギオンでもなくて自衛隊なんですが。そりゃあんた、怪獣がバンバン攻めてきてるのに、今までの自衛隊と来たら、怪獣の前に戦車並べてバンバンババババババババーン(怪獣にやられた爆発音含む)というだけの存在で、きちんとオヤジが膝突き合わせて発令所できびきび戦略練ってるところまで見せてくれなかったじゃないすか。なにぶん、プロの仕事風景とああいう雰囲気には弱いもので。でも、わたしゃ、怪獣見上げていきなり聖書を引用しだすような自衛隊員はイヤだ(笑)。
 それはともかく、もしかしたら、今作でも光ってる自衛隊が拝めるのかも、という、怪獣映画を鑑賞するにはあまりによこしまな願望を抱いたわたくしは、ついつい週末に見に行ってしまったのでした。この時、週明けまでには人工知能学会の全国大会に発表するための題目を考えなければいけない、というイベントがあったような気もしたが…まぁいい、忘れよう(笑)。

 さて、感想感想。
 ハリウッドゴジラよりはずっと面白かったです
 おしまい。

 いや、ここで終わってはイカン。
 真面目な話、思ってたよりも楽しめましたです。「邦画にうまいものなし」というワタシ内部の鉄則もちったあ緩めてもいいかな、と。それなりにテンポよく進んでいくし、要所要所の見せ場もなかなかだし。おしまい。

 いや、まだまだ終わってはイカン。
 とりあえず、ストーリーを時系列に追っていくのは苦手なので(笑)、気がついたところからつれづれなるままに綴っていくことにします。それではまず…。

 イリス。君は黙ってずーっと宙に浮いてなさい。

 だってあーた、イリス、地面にいる限りは、ただの棒立ち野郎だぜこいつ(笑)。そういう意味では巨大レギオンも結構アレだったかもしれないが、少なくとも彼はびーびー光線を放つことで自己アッピールはOKだった。でも、今回のイリスは立ってるだけ。写真から受ける印象まんまや。歩いても、なんか変な形の柱がずりずり動いているようにしか見えないのが困りもの。アナコンダ動き(なんなら、ザ・グリードの触手動き)をする、先端にものものしい刃のついた触手を振り回したりもしますが、振り回すだけ。炎上する京都の街に立つイリスはガオガイガー最終話のゾヌーダロボっぽくていい感じだったりもするが、怪獣としてこの動きの少なさは致命的な気がする…。面白くないじゃん(笑)。
 これが、空中戦になるといきなり元気になったりするのだった。飛んでるときの奴は輝いている。月をバックに華麗なシルエットを浮かび上がらせてみたり、ガメラと壮絶に空中戦を繰り広げてみたり。「ガメラ3 大怪獣空中決戦」だったらきっともっと面白い作品になっただろうに(笑)。でもこの空中戦、この作品の白眉であったりするわけだけど、過剰にスピード感があるので、途中、なにがどうなってるのかわからなくなることがあります。フルCGだからって、頑張りすぎ(笑)。

 ところで、綾奈とからんでるイリス幼体を見て、「ポゼッション」でイザベル・アジャーニと一晩中よろしくやっていたタコ淫獣を思い出したのはワタシだけでしょうか。あんただけや。それと、最初の融合シーンで、「いりす、あついよ…」などと言いつつ胸元のボタンを外しはじめる綾奈…。
 胸元だけなどと言わず全部脱げ。
 …うそです。ごめんなさい。

 さぁ次だ次(笑)。
 ウルティメイト・プラズマを撃たないガメラなんて…。
 「ガメラ2 レギオン襲来」で、自衛隊を別にすると、何が一番良かったかって、最後に巨大レギオンに放った、あのデタラメなウルティメイト・プラズマだぞ。がーっと地球全土からガメラにエネルギー(マナ)が収束して、その溜めに溜めたエネルギーを口から発射するかと思いきや、おもむろに腹部の甲羅ががしゃがしゃと展開して、開いた腹の穴から極太のキツーイ一発、ウルティメイト・プラズマ!腹の甲羅が開いたときには、わたしゃ死ぬほど笑ったぞ。威力も締めくくりとして申し分ないし。
 だのに、今回は「マナが乱れた」とかいうよく分からない理由により、ウルティメイト・プラズマはありません。前作、あれだけ派手に決めておいて、締めくくりたるこの作品で撃たないなんて嘘だぁ。うううー。

 てなわけかどうかは知らないが、この作品の問題の一つは、ラストの京都決戦での、ガメラとイリスの動きの無さでしょう。だって、この2匹が京都に降りたってからは、片手で数えられるほどしかアクション起こしてないんだぞ。アクションの合間合間には、人間たちの一悶着が挿入されていて、思わず、その間怪獣どもは何やっとるねん、と突っ込みたくなったわたくし。本来ならば怪獣バトルで一番盛り上がるべきときに、ガメラはひっくり返って気ィ失ってたりするし(笑)。

 でもそれ以上に解せないのが、詰め込みすぎの脚本。パンフの巻末に「『ガメラ3』を読み解くためのキーワード」なんてのがあって、勾玉だの易経だのマナだの依代だの、いろいろ用語が解説してありますが、全部削っても話に全然影響ないじゃんこれって。まぁ、それは作品の雰囲気を盛り上げる小道具だということで譲るにしても、では、誰かワタシに山咲千里と手塚とおるの存在意義を教えてください。手塚とおる扮する天才プログラマーは、なんかくねくねしながら意味不明なことを呟いてるし、山咲千里扮する内閣情報調査室員は…観客の目の前で唐突に意味不明な行為を始めて、なに、コイツ(笑)?わからねぇ…こいつらがなんで登場してきたのか…ワタシにゃさっぱりわからねぇ…。特に終盤、京都決戦のときの二人のやり取りと行動は、何とか理解しようとして注視していたワタシをもってしても、

 さっっっぱり理解不能。

 断片的な情報による憶測以上のことはなんにもできないのであった。でも、理解できなくても話には、

 微塵も影響なし(笑)。

 存在意義の不明なこと「スタープレックス」のガラスマン並み。ワタシの後ろの席に座っていたお子様は、この二人が絡む展開になると、素直に退屈していたぞ。これだったら、このキャラ削って、その分ドンパチに時間を割いてほしかったなぁ。でもそうすると、きっと予算が足りなくなるんだろうな(笑)。

 ラストに関しては既にいろいろな所で触れられているので多くは述べないけど、物足りないといえば物足りないっすね。個人的には、あれはあれでいいと思うけど。なんだかうやむやのうちにゴーっと炎が出てきて「GAMERA 1999」なんて言われて終わってしまった時には、さすがにあららと思いましたが。物足りないといえば、今回は自衛隊もそれほど光ってなかったなぁ(爆)。

 などといろいろぶーたれてきましたが、それでも、見て損はない映画だとは思いますよ。なんといってもハリウッドゴジラよりははるかに面白い(笑)し、特撮部分は迫力で、素直に映画館で見てよかったと思ったし、万年「寅さん」と「釣りバカ」で喰ってきた沈滞邦画界の生み出したエンターテイメントの中では出色の出来でしょう。個人的には、実写にアニメの記号を持ち込んだシリーズとして気に入ってるし。ほら、「レギオン襲来」で、ガメラが着地の勢いで横に滑りながらレギオンに向けてプラズマ火球を連射するシーン、現実だったらガメラが即座にすっ転んでお終いだろうけど、そういうアニメ調の描写を臆面もなくするところが好きなんすよ。今回も、ガメラの渋谷着地シーンとか、ガメラのヘル&ヘブンとか、ガメラのシャイニングフィンガー(これ、画面じゃよくわからんけどな・笑)とか盛りだくさんだし。

 てなわけで、もし次回作があるならば、予算倍額でドンパチ倍増、余分な要素は刈り込み(笑)の単純明快エンターテイメント怪獣映画になってほしいと思うわたくしでした。え、今回でガメラシリーズは完結?そ、そんな…。

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