
フォート・エドワースは、8時間前から厳戒態勢に入っていた。
私はハンガーの片隅に座り、他の仲間たちと同様、何をするでもなく、待っていた。
我々ヴィクセル迎撃編隊は、<イナゴ>共の惑星侵入経路が割り出され次第出撃し、敵を大気圏高高度において迎撃する手筈になっている。我々の惑星に突如として飛来し、目的不明の総攻撃を開始した、自律戦闘機械群<イナゴ>…。
彼らとの決戦の場は、ついに惑星本土へ移ろうとしていた。
私は、懐から一枚の写真を取り出した。待機になってから、これで何度目だろう。
目前に迫った任務も、隣に座った仲間の、執拗にまとわりつく煙草の煙も、しばし背景へと退く。私の意識は、写真の中の凍り付いた時間の中へと戻っていく。
写真の中には、新緑を背景に、私と、陽光の中、穏やかに静止した彼女。
最後の休暇の時に、一緒に撮った写真だ。
私と彼女が知り合ったのは宇宙軍。ロードブリテン隊での同僚だった。
彼女にプロポーズしたときの緊張感、ポケットの中に潜ませた婚約指輪の掌にあたる感触、そして、彼女が微笑み、笑いながら私に抱きついてきて、耳元に喜びを囁いてきたときのあの幸福感…あの時のことは、今でも昨日のことのように思い出せる。短い休暇の間にも、二人して色々なところを巡り歩いたものだった。夕暮れの公園で交した、いつまでも一緒にいようという、時勢を考えれば守れるはずもない、ちょっぴり切ない約束。
<イナゴ>の攻撃は日々激しくなってはいたが、それでも、その中に見いだした、小さな幸せだった。
1年前、私と彼女の所属するロードブリテン隊は、絶対防衛圏に接近する<イナゴ>に先制して奇襲攻撃をかけるという作戦に編入された。出撃するその瞬間まで、私と彼女、私の仲間たちは、いつものように、お互いに冗談を飛ばしたりしていたものだ。あの時の彼女の笑い声も、私は決して忘れない。
絶望的な戦いだった。勝てる見込みのない作戦だった。数多の戦いを共にくぐり抜けてきた仲間が次々と撃墜され、死んでいった。私自身の機も大破し、ほうほうの体で帰投するのがやっとだった。機の気密殻が破れ、私の体は減圧でずたずたにされていた。体のあちこちが裂け、鼻から血を流しながら、私は医療区画に担ぎ込まれた。それから数日のことは、よく覚えていない。
数週間後、何とか面会ができるだけの体調が戻った私は、あの時、彼女が帰投しなかったことを知らされた。
彼女は、もういない。彼女の体は今、無数の塵となって、星の海を漂っている。
激しい減圧を受けた私は、規定により宇宙での任務を外され、外気圏軍においての地上任務に回された。私の体は、もはや宇宙での任には耐えなかった。仇を討ちたくとも、宇宙に出ることはできない。地上で戦闘機を磨きながら、私は毎日、わが身を呪った。
そして今、<イナゴ>はこの惑星の大気のなかへと飛来した。
突如のサイレンが、私の意識を現実に引き戻した。緊急招集だ。体が緊張に強張る。
「ヴィクセル迎撃編隊、出撃準備開始せよ。繰り返す、出撃準備開始せよ。<イナゴ>の軌道計算が終了した。搭乗要員は直ちに…」
今回もまた、勝ち目のない戦いなのだろう。命令とは、いつもそうしたものだ。しかし、私は暴れてみせる。この身が蒼穹に散るまでに、少しでも多くの<イナゴ>を道連れにしてみせる。それが、私が最後にできる、彼女へのせめてもの手向けなのだ。
(それに、死ぬのは怖くない…)
私は立ち上がり、愛機に向かって駆け出す。開いたキャノピーが、私を差し招いているかのようだ。
(…最期に…)
私は大空へと飛び立つ。宇宙には届かないが、宇宙に近い場所へと。
(…最期に、少しでも、君に近い場所で死ねるのだから…)
シートに座り、イグニションキーを回す。機体は震え、再び生命が宿った。
画面の各部位の説明を以下に記す。
1:ゲーム画面
自機、敵などが表示されるメイン画面。自機は画面最下段に位置する多目的戦術攻撃機「ヴィクセル」である。
2:操作パネル
自機を動かすための3つのパネルが並ぶ。「右移動」「左移動」のパネルをクリックすると、自機がそれぞれの方向に動く。「対空火器」のパネルをクリックすると、弾が発射できる。
3:現在の得点
敵を倒すことによって得られる得点。ちなみに、敵は引き付けて倒せば倒すほど高得点である。
4:現在のステージ
先へ進むごとに増加する値。ボスを倒すごとに1増加する。ステージが増加するごとに、出現する敵の種類が変化することが確認されている。
5:残存シールドエネルギーメーター
自機の耐久力を示す。初期値10。ダメージを受けるごとにメーターが短くなっていき、ゼロになると撃墜されたと見なされ、ゲームオーバーになる。
6:主兵装交換パネル
多目的戦術攻撃機『ヴィクセル』は2つの武装を搭載している。このパネルをクリックするごとに、その2つの武器が切り替わる。
対空兵装
ヴィクセルの主力兵装。前方に向けて、高密度・高エネルギーの縮退粒子を高速射出する。
広域攻撃弾
ヴィクセルの左右斜め45度に向けて、交互に弾を射出する。この弾は、画面端に達すると反射して反対方向へと飛んでゆく。
7:スピード調節
ここをクリックすると、ゲームスピードを調節できる。通常は「NORMAL」のスピードである。ゲームの動作が遅すぎると思ったら「FAST」を、速すぎると思ったら「SLOW」を押されたし。
8:コントロール
ここには、2つのリンクがある。
RESET…ここを押すと、現在の状態をすべてクリアして、ゲームを一からやり直すことができる。が、効果がなかった場合は、あきらめられたし(リロードしよう)。
HOME…ここを押すと、問答無用でこのページへと戻ってくる。
4 付属記録
XADOS2 RANKING PAGE
目指せ撃墜王!このページで、現在の上位十傑・ハイスコアランキングが参照できます。なお、このページへの初回アクセス時には、ランキングで使用するための名前の入力を求められるので、お好きな名前を入力してやってください。また、その名前を別のものに変更したいときはこちらをクリック。
予告ページ
ゲーム公開に先立って作られた、なーんにも考えてなかった頃の予告ページの記録(笑)。
FAQ
前作に引き続き、性懲りもなく作り続ける自問自答の過程。
テクニカル・ノート(現在制作中)
今回の日曜大工で、苦労した点を色々とかく。一番役に立つであろうと思われるが、一番完成の見込みが低い(爆)。